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風の強い日
しおりを挟む強風が吹き、砂漠からの砂が撒き散らされた道路は、茶色く汚れていた。
空気に膜が張られたようになり、視界も良くなかった。
ポリスの高級セダンは、汚れた道路をゆっくり流していた。
その車が先導車のように、ドライバーたちが運転する車がのろのろと続いて行った。
今日は何も起きそうになかった。
ポリスマンたちは、欠伸をしながら巡回していた。
ポリスのトップの部屋。
今は中年の美人秘書がひとりで事務処理をしていた。
ポリスのトップは幹部との会合のために、高級レストランに行った。
秘書は、こんな静かな時間が好きだった。
気を緩める時間などない職場で、ひとりになれる時間がとても好きだった。
事務処理を終えると、秘書は手紙を取り出し、何かを書き、封をした。
電子メールが主流の現在、懐古主義者は今でも手書きの封書を利用している。
しかし、この秘書は懐古主義者ではなかった。
伝達速度は遅いが、電子メールよりも内容をチェックされる心配が少なかったのだ。
窓の外では、強い風が吹いている。
外に出るのは億劫であったが、仕事を終えた今、ここにいる必要はなかった。
そして、帰りにこの手紙を投函しなければいけなかった。
マリーの母親は、仕事で遅くまで帰らない日が続き、マリーもバーバラの家にいる時間が多くなっていた。
もちろん、ロンも一緒である。
急に人数が増えて忙しくなったバーバラだが、子供と動物の世話は楽しい。
夫がいなくなった寂しさなど、とうに忘れてしまっていた。
今は決して老後の余暇ではない。
すっかり忘れていた、わくわくした感情が蘇っているのだった。
とにかく毎日が生き生きしていた。
窓の外は風が強く吹いていた。
キャシーの家の庭では、木にくくりつけられたピンクのリボンが風になびいていた。
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さて|黄昏《たそがれ》は、一日のうち日没直後、雲のない西の空に夕焼けの名残りの「赤さ」が残る時間帯のことを言う。「|黄昏時《たそがれどき)」。 「黄昏れる《たそがれる》」という動詞形もある。
「たそがれ」は、江戸時代になるまでは「たそかれ」といい、「たそかれどき」の略でよく知られていた。夕暮れの人の顔の識別がつかない暗さになると誰かれとなく、「そこにいるのは誰ですか」「誰そ彼(誰ですかあなたは)」とたずねる頃合いという意味で日常会話でよく使われた。
今回の私の小説のテーマはこの黄昏である。
この風習は広く日本で行われている。
「おはようさんです」「これからですか」「お晩でございます。いまお帰りですか」と尋ねられれば相手も答えざるを得ず、互いに誰であるかチェックすることでヨソ者を排除する意図があったとされている。
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「平安時代には『うつほ物語』に「たそかれどき」の用例が現れ、さらに『源氏物語』に
「寄りてこそ それかとも見め たそかれに ほのぼの見つる 夕顔の花」
— 『源氏物語』「夕顔」光源氏
と、現在のように「たそかれ」で時間帯を表す用例が現れる。
なおこの歌は、帖と登場人物の名「夕顔」の由来になった夕顔の歌への返歌である。
またこの言葉の比喩として、「最盛期は過ぎたが、多少は余力があり、滅亡するにはまだ早い状態」をという語句の用い方をする。
漢語「|黄昏《コウコン》」は日没後のまだ完全に暗くなっていない時刻を指す。「初昏」とも呼んでいた。十二時辰では「戌時」(午後7時から9時)に相当する。
「たそがれ」の動詞化の用法。日暮れの薄暗くなり始めるころを指して「空が黄昏れる」や、人生の盛りを過ぎ衰えるさまを表現して「黄昏た人」などのように使用されることがある。
この物語はフィクションです。登場人物、団体等実際に同じであっても一切関係ありません。
それでは、小説「黄昏夫婦」をお楽しみ下さい。
読者の皆様の何かにお役に立てれば幸いです。
作家 蔵屋日唱
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