80 / 159
第80話【有力者達との面会】
しおりを挟む
ゼアルータルを出た僕達は約束の時間前に斡旋ギルドへ辿り着いていた。
「すみません。
ギルマスのアーリーさんに呼ばれて来たんですが……」
「はい。伺っておりますのでこちらの第一応接室へお願いします」
僕達は受付嬢の案内で第一応接室へと向かった。
「こちらになります。
どうぞソファに座ってお待ちください。
もうすぐギルマスと会議のメンバーが来られると思いますので」
受付嬢はそう僕達に伝えるとお辞儀をして戻っていった。
――数分後。
「すみません。待たせましたか?」
斡旋ギルドのアーリーギルドマスターが最初に部屋に入って来て僕達に断りをいれる。
「いえ、今来たところですので大丈夫です」
「それは良かったです。
では、私は面識があるので他の方達の紹介をしますね」
アーリーはそう言うと「どうぞ」と言って他のメンバーを部屋に招き入れた。
そこには、アーリーギルドマスターの他、同年代の少しきつめの顔をした女性にニッコリとほわほわした感じの女性。
そしてその女性の後ろから若い男性が2名現れたが、その男性のうちの一人は先程見たゼアルだった。
「えっと、順番に紹介していくわね。
まず、こちらがこの町の町長である『レイナ』さん」
「バグーダの町長を務めているレイナだ、君の事はアーリーから聞いているがもう少し詳しい話しを聞きたいと思うので宜しく頼む」
レイナが軽くお辞儀をする。
「で、こっちの女性が薬師ギルドのマスターを務めている『シール』で後ろに控えているのがそれぞれ薬師ギルドの部門を取りまとめている『ゼアル』と『ロギス』よ」
「薬師ギルドマスターのシールです。宜しくです」
「薬師ギルドの調薬部門の長をしている『ロギス』だ」
「薬師ギルドの化粧品部門の長をしている『ゼアル』だ。
君が噂のナオキ殿だったとはな。
側にいるのも先程お店に来ていたお嬢さんじゃないか。
なんだ? 偵察にでも来たのか?」
薬師ギルドの面々の紹介をした時にゼアルがこちらに気がついて不満を言った。
「治癒士のナオキです。
こちらは助手のリリスです。
お店に行ったのは偶然で彼女が化粧品の良い店があると聞いたので行ってみただけで他意はありませんし、あのお店が今日会う方のお店とは知りませんでしたよ」
ゼアルの言葉にアーリーは不思議そうに「あなた達知り合いだったの?」と聞いた。
「知り合いと言える程の付き合いはありませんが温泉で顔を併せて少しばかり話をさせて貰っただけですよ」と説明をした。
ゼアルは少し不服そうな表情をしたがそれ以上の追求はしなかった。
「まあ、いいでしょう。
では、話し合いを始めましょうか」
進行役は全員を知っているアーリーが担当する。
僕は手始めに領主からの許可証を提示して自らの立場と目的を説明する。
「――ですので、バグーダでも個別治療の許可と患者の情報提供を頂けたらと思います」
僕の説明に薬師ギルドのロギスが反応する。
「それは、我々に患者を治す能力が無いからよこせと言っているのか?」
まだ若いが少々強面のロギスがギロリとこちらを見るがなかなかの眼力だ。
「どう取られるかはそちらの事ですが、こちらとしてはそちらの患者を奪う意図はありませんよ。
ただ、投薬や塗り薬では治療が無理、もしくは難しい患者がおられるならばその方を紹介して頂きたいと言っているにすぎません」
「ふん。どうだか分からんが本当にこんな奴が『あの』治癒士なのか?」
調薬部門を束ねているためかロギスはあまりいい表情をしない。
「まあ、いいんじゃないですか?
どうせ薬じゃ治せない奴らを紹介するだけでしょ?
化粧部門の自分には関係ないみたいだしね」
ゼアルは我関せずの姿勢でこちらに興味がないそぶりをする。
「まあ、領主様の許可証がある時点でこちらが何を言おうとも文句をつけられる状態ではないのでしょう?
でしたらそちらの希望通りにさせてあげたら良いのではないですかね?」
ここで町長のレイナが発言した事により薬師ギルドのシールも黙って頷いた。
「分かりました。
レイナさんがそう判断されたならば私共はその決定に従いましょう。
では後日、患者さまの情報を届けさせましょう。
ロギス、いいですね」
「しかし……」
「ロギス!」
「はい、分かりました。
そのように手配致します」
最後まで渋ったロギスだったがギルドマスターのシールに言われては従うしかなく、一歩引いてからお辞儀をした。
「話は纏ったようね。
斡旋ギルドからも情報があれば教えるから対応してちょうだいね」
「分かりました。
出来るだけご期待に添える形で対応をさせて頂きたいと思います」
僕はそう言うと立ち上がってその場にいる面々に一礼してから「では、情報をお待ちしています」と残して部屋を後にした。
「思ったほど荒れなかったな。薬師ギルドはもう少し嫌味を言ってくるかと思ったけど、あの調薬担当のロギスが不満そうにしていただけで後は淡々としていたね」
僕は思ったよりも話がスムーズに進んだ事に若干の違和感を覚えたが、進行役のアーリーが事前に説明をする根回しをしていたのだろうと結論づけた。
「すみません。
ギルマスのアーリーさんに呼ばれて来たんですが……」
「はい。伺っておりますのでこちらの第一応接室へお願いします」
僕達は受付嬢の案内で第一応接室へと向かった。
「こちらになります。
どうぞソファに座ってお待ちください。
もうすぐギルマスと会議のメンバーが来られると思いますので」
受付嬢はそう僕達に伝えるとお辞儀をして戻っていった。
――数分後。
「すみません。待たせましたか?」
斡旋ギルドのアーリーギルドマスターが最初に部屋に入って来て僕達に断りをいれる。
「いえ、今来たところですので大丈夫です」
「それは良かったです。
では、私は面識があるので他の方達の紹介をしますね」
アーリーはそう言うと「どうぞ」と言って他のメンバーを部屋に招き入れた。
そこには、アーリーギルドマスターの他、同年代の少しきつめの顔をした女性にニッコリとほわほわした感じの女性。
そしてその女性の後ろから若い男性が2名現れたが、その男性のうちの一人は先程見たゼアルだった。
「えっと、順番に紹介していくわね。
まず、こちらがこの町の町長である『レイナ』さん」
「バグーダの町長を務めているレイナだ、君の事はアーリーから聞いているがもう少し詳しい話しを聞きたいと思うので宜しく頼む」
レイナが軽くお辞儀をする。
「で、こっちの女性が薬師ギルドのマスターを務めている『シール』で後ろに控えているのがそれぞれ薬師ギルドの部門を取りまとめている『ゼアル』と『ロギス』よ」
「薬師ギルドマスターのシールです。宜しくです」
「薬師ギルドの調薬部門の長をしている『ロギス』だ」
「薬師ギルドの化粧品部門の長をしている『ゼアル』だ。
君が噂のナオキ殿だったとはな。
側にいるのも先程お店に来ていたお嬢さんじゃないか。
なんだ? 偵察にでも来たのか?」
薬師ギルドの面々の紹介をした時にゼアルがこちらに気がついて不満を言った。
「治癒士のナオキです。
こちらは助手のリリスです。
お店に行ったのは偶然で彼女が化粧品の良い店があると聞いたので行ってみただけで他意はありませんし、あのお店が今日会う方のお店とは知りませんでしたよ」
ゼアルの言葉にアーリーは不思議そうに「あなた達知り合いだったの?」と聞いた。
「知り合いと言える程の付き合いはありませんが温泉で顔を併せて少しばかり話をさせて貰っただけですよ」と説明をした。
ゼアルは少し不服そうな表情をしたがそれ以上の追求はしなかった。
「まあ、いいでしょう。
では、話し合いを始めましょうか」
進行役は全員を知っているアーリーが担当する。
僕は手始めに領主からの許可証を提示して自らの立場と目的を説明する。
「――ですので、バグーダでも個別治療の許可と患者の情報提供を頂けたらと思います」
僕の説明に薬師ギルドのロギスが反応する。
「それは、我々に患者を治す能力が無いからよこせと言っているのか?」
まだ若いが少々強面のロギスがギロリとこちらを見るがなかなかの眼力だ。
「どう取られるかはそちらの事ですが、こちらとしてはそちらの患者を奪う意図はありませんよ。
ただ、投薬や塗り薬では治療が無理、もしくは難しい患者がおられるならばその方を紹介して頂きたいと言っているにすぎません」
「ふん。どうだか分からんが本当にこんな奴が『あの』治癒士なのか?」
調薬部門を束ねているためかロギスはあまりいい表情をしない。
「まあ、いいんじゃないですか?
どうせ薬じゃ治せない奴らを紹介するだけでしょ?
化粧部門の自分には関係ないみたいだしね」
ゼアルは我関せずの姿勢でこちらに興味がないそぶりをする。
「まあ、領主様の許可証がある時点でこちらが何を言おうとも文句をつけられる状態ではないのでしょう?
でしたらそちらの希望通りにさせてあげたら良いのではないですかね?」
ここで町長のレイナが発言した事により薬師ギルドのシールも黙って頷いた。
「分かりました。
レイナさんがそう判断されたならば私共はその決定に従いましょう。
では後日、患者さまの情報を届けさせましょう。
ロギス、いいですね」
「しかし……」
「ロギス!」
「はい、分かりました。
そのように手配致します」
最後まで渋ったロギスだったがギルドマスターのシールに言われては従うしかなく、一歩引いてからお辞儀をした。
「話は纏ったようね。
斡旋ギルドからも情報があれば教えるから対応してちょうだいね」
「分かりました。
出来るだけご期待に添える形で対応をさせて頂きたいと思います」
僕はそう言うと立ち上がってその場にいる面々に一礼してから「では、情報をお待ちしています」と残して部屋を後にした。
「思ったほど荒れなかったな。薬師ギルドはもう少し嫌味を言ってくるかと思ったけど、あの調薬担当のロギスが不満そうにしていただけで後は淡々としていたね」
僕は思ったよりも話がスムーズに進んだ事に若干の違和感を覚えたが、進行役のアーリーが事前に説明をする根回しをしていたのだろうと結論づけた。
0
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
義妹の嫌がらせで、子持ち男性と結婚する羽目になりました。義理の娘に嫌われることも覚悟していましたが、本当の家族を手に入れることができました。
石河 翠
ファンタジー
義母と義妹の嫌がらせにより、子持ち男性の元に嫁ぐことになった主人公。夫になる男性は、前妻が残した一人娘を可愛がっており、新しい子どもはいらないのだという。
実家を出ても、自分は家族を持つことなどできない。そう思っていた主人公だが、娘思いの男性と素直になれないわがままな義理の娘に好感を持ち、少しずつ距離を縮めていく。
そんなある日、死んだはずの前妻が屋敷に現れ、主人公を追い出そうとしてきた。前妻いわく、血の繋がった母親の方が、継母よりも価値があるのだという。主人公が言葉に詰まったその時……。
血の繋がらない母と娘が家族になるまでのお話。
この作品は、小説家になろうおよびエブリスタにも投稿しております。
扉絵は、管澤捻さまに描いていただきました。
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる