女性限定の『触れて治癒する』治療方法に批判が殺到して廃業を考えたが結果が凄すぎて思ったよりも受け入れて貰えた

夢幻の翼

文字の大きさ
116 / 159

第116話【バカうま田舎料理と一時の休息】

しおりを挟む
 宿に戻った僕達は夕食を食べるために食堂へと足を運ぶ。

「夕食はオススメで頼むよ」

 席についた僕達の注文を取りに来たライラにそう伝えると「ではお任せコースでお運びしますね」と軽くお辞儀をして厨房に入っていった。

「さて、どんな料理が出てくるかな?
 マリルさんの話だと山菜料理と山鳥料理が美味しいそうだけど」

 僕はそう言いながら明日からの旅について料理が来るまでリリスと話しあっていた。

「お待たせしました。
 山鳥のソテー山菜添えとキノコのスープ、あと白パンになります」

 ライラはそう言いながらテーブルの上に次々と料理を運んでくる。

「おおっ! こいつは美味そうな料理だな。
 さっそく頂くとしよう」

「熱いうちに食べて下さいね」

 ライラが厨房へと戻るのを横目に見ながら僕達はアツアツの料理に手をつけた。

「うおっ? 肉が柔らかくて食べやすくて味もいい。
 この料理だけでも泊まる価値があるんじゃないか?
 他の宿には行った事がないから比較出来ないけど宿の大きさだけで人が少ないなら勿体ないよな」

「そうね。少なくとも料理に関しては素材は安価なのでしょうけど町で採れたものばかりで鮮度が良いのと、この宿の料理人の腕が良いのでしょうね」

「ライラさんは給仕をしていたから料理を作ってるのは父親なのかな?」

 僕達はそんな事を話しながら食事を美味しく完食した。

「ああ、美味しかった」

「そうね、良い料理だったわ」

 僕達が食事を終えて一息ついているとライラがポットを運んできて食後の紅茶を淹れてくれた。

「料理のほうはどうでしたか?」

 ライラの問に僕は「凄く美味しかったですよ」と絶賛をした。

「それは良かったです。父も喜ぶ事でしょう。
 では、ゆっくりとお休みくださいね」

 ライラはそう言うと食事の終わったテーブルの片付けを手早く済ませて他の接客業務に戻っていった。

「よし、じゃあ僕達も部屋に戻って休むとしようか。
 明日からまた数日間は馬車での休息になるだろうからベッドで休める日はしっかりと休息をとるとしよう」

 僕はそう言いながらリリスと共に借りた2階の部屋のドアを開けると良く掃除の行き届いている清潔感のある部屋が現れた。

 部屋の広さはそれほど広くは無いが、ベッドが2つに小さなテーブルに椅子が2つ、テーブルの上にはポットとカップが置かれていた。

「いい部屋だね。
 清潔感もあるし、窓もあるから光も入ってくる。
 落ち着いてゆっくりと休めそうだね」

「そうね。だけどベッドがダブル……ゴニョゴニョ」

「ん? 何か気になる事でもあったかい?」

「い、いえ。何でもないわよ。
 そうだ、今日は宿での宿泊だからいつもの『アレ』をお願いしても良いかな?
 旅の野営では人の目があるからとてもやってもらう訳にはいかないし……いいかな?」

 リリスは僕の顔を下から見上げて上目遣いでお願いをしてくる。

「あ、ああ。もちろん喜んでさせて貰うよ」

「ふふ。ありがと。
 じゃあせっかくだから紅茶を1杯飲んでからお願いしようかな。
 そのほうが良く眠れそうだから……」

 リリスはそう言うとテーブルにあったポットから紅茶を淹れてくれる。

「ナオキも一緒にどうぞ」

「ああ、ありがとう」

 僕はリリスから紅茶のカップを受け取るとそっと一口飲んでみた。

「うん、いい香りだね。味も渋くなっていないし、上手に淹れてあるね」

「本当ね。紅茶は淹れ方が良くないと渋味が出て飲みにくくなるんだけどこの紅茶は美味しいわ」

 ふたりして紅茶の味を堪能したので僕は「うーん」と大きく伸びをしてからリリスに「どうぞこちらに。僕の可愛いお嫁さん」と言いながら手を取ってベッドへとエスコートした。

「ふふふ。ありがとう」

 僕が先にベッドへ座り足を開いた間にすっぽりとリリスの華奢な身体が収まる。

「じゃあ失礼して治癒魔法をかけるよ」

 僕はリリスを後ろから抱きしめる形で右手を彼女の服の下からそっと入れ、身体を這わしながら魔力溜まりを探す。

 もう何度もやっている行為だがやはりお互いが緊張をしながら行為は続く。

「あっ、その辺りがいいわ。
 もっと強く抱きしめても大丈夫よ」

 リリスの言葉を聞きながら魔力溜まりまでたどり着いた僕はいつものように魔法を唱えた。

「――完全治癒ヒール

 こうなってしまうと後はお決まりの魔力注入に入る。

「あっ、ナオキ(の魔力)が私に入ってくる。
 あそこ(魔力溜まり)が熱くなって溶けてしまいそう」

 ――いつもの如く傍から言葉だけ聞くとかなりアブナイ会話になっているリリスに聞いている僕の方が赤面をしながらじっと耐えるのがいつもの寝る前の儀式だった。

「あああっ……」

 いつもながら盛大に昇天してしまったリリスをそっと抱えてベッドへ寝かせた僕は治癒魔法を受けて幸せそうな彼女の頬に軽くキスをして「おやすみリリス」と呟いて自らも隣のベッドへと潜り込んだ。

 婚姻の儀式は済ませたが、いつか何処かにきちんと落ち着くまではまだまだ本当の意味で深い関係になるのは先の事だと自らの心を戒めながら僕も眠りについた。 
しおりを挟む
感想 6

あなたにおすすめの小説

悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる

竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。 評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。 身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜

かの
ファンタジー
 世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。  スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。  偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。  スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!  冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!

転生したら、伯爵家の嫡子で勝ち組!だけど脳内に神様ぽいのが囁いて、色々依頼する。これって異世界ブラック企業?それとも社畜?誰か助けて

ゆうた
ファンタジー
森の国編 ヴェルトゥール王国戦記  大学2年生の誠一は、大学生活をまったりと過ごしていた。 それが何の因果か、異世界に突然、転生してしまった。  生まれも育ちも恵まれた環境の伯爵家の嫡男に転生したから、 まったりのんびりライフを楽しもうとしていた。  しかし、なぜか脳に直接、神様ぽいのから、四六時中、依頼がくる。 無視すると、身体中がキリキリと痛むし、うるさいしで、依頼をこなす。 これって異世界ブラック企業?神様の社畜的な感じ?  依頼をこなしてると、いつの間か英雄扱いで、 いろんな所から依頼がひっきりなし舞い込む。 誰かこの悪循環、何とかして! まったりどころか、ヘロヘロな毎日!誰か助けて

【完結】聖女召喚に巻き込まれたバリキャリですが、追い出されそうになったのでお金と魔獣をもらって出て行きます!

チャらら森山
恋愛
二十七歳バリバリキャリアウーマンの鎌本博美(かまもとひろみ)が、交差点で後ろから背中を押された。死んだと思った博美だが、突如、異世界へ召喚される。召喚された博美が発した言葉を誤解したハロルド王子の前に、もうひとりの女性が現れた。博美の方が、聖女召喚に巻き込まれた一般人だと決めつけ、追い出されそうになる。しかし、バリキャリの博美は、そのまま追い出されることを拒否し、彼らに慰謝料を要求する。 お金を受け取るまで、博美は屋敷で暮らすことになり、数々の騒動に巻き込まれながら地下で暮らす魔獣と交流を深めていく。

異世界と地球がダンジョンで繋がった ー異世界転移者の私ー

白木夏
ファンタジー
2040年の初春、突如として地球上の主要都市に謎のダンジョンが出現した。 その特異性は明らかで、人口密集地を中心に出現し、未開の地には一切現れないという法則性を帯びていた。 人々は恐怖に震えつつも、未知なる存在に対する好奇心を抑えきれなかった。 異世界転移した最強の主人公のほのぼのライフ 主人公はあまり戦ったりはしません。

生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。

水定ゆう
ファンタジー
 村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。  異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。  そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。  生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!  ※とりあえず、一時完結いたしました。  今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。  その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。

処理中です...