136 / 159
第136話【薬師ギルドとナナリー】
しおりを挟む
「ふう。アーリーさんは相変わらず強引な所が変わってなかったね。
まあ、元気にやってるようだし斡旋ギルドへの報告も無事に終わったから次は薬師ギルドにも顔を出して挨拶だけして行こうか」
「そうね。あれから町の人達がどうなったかとか薬師ギルドの薬師達がきちんと仕事をしているか気になるわよね」
僕達はそう話しながら薬師ギルドに着いた僕はそっとドアを開けた。
――からんからん。
ドア鐘が響き受付嬢がこちらを見て声をかけてくる。
「お久しぶりですナオキさんとリリスさん。
確か王都へ行ったと聞いたのですけどもう帰られたのですか?」
先ほど斡旋ギルドでも言われたような言葉をかけられた僕達は苦笑いをしながら「いろいろありまして……」と明言をさけてギルドマスターかロギスと話が出来ないかと聞いた。
「ギルマスは今外出してますのでロギス部門長に聞いてきますね」
受付嬢はそう言って奥へと向かい数分後には「奥の個室へどうぞ」と僕達を案内してくれた。
「――確か前に来たのは数ヶ月前だったかな?
王都へ向かうと聞いていたと記憶しているが、もう帰ってきたところをみると王都では仕事がうまくいかなかったってとこか?
だが残念なことにお前達が出発してからは大きなトラブルもなく技術の上がった薬師達が町の健康を管理してきたから今更戻って来ても大した仕事はないぜ」
僕達の前に座ったロギスの口から出た言葉がそれだった。
「ああ、別にこの町でまた仕事をしようって事じゃないんだ。
まあ、確かに王都ではいろいろあってまともに活動出来なかったのは認めるけど今日寄ったのは薬師の人達が無事に仕事が出来ているかを確かめに来ただけなんだ」
「ちっ、つまらんな。せっかくあんたらが戻って来た時に「頼むから仕事をさせてくれ」と言われたら「そんなものはないぜ」と言ってやりたかったんだがな」
ロギスは口ではそう言いながらも自信に満ちた表情をしていた。
(どうやら薬師達は僕が町を出てからも患者に寄り添う治療をしていたみたいだな)
「それは残念でしたね。ところで化粧部門を束ねていたゼアルさんはどうしていますか?」
前に滞在した時に出会った化粧品は見た目を良くするには効果が高かったがつけっぱなしにすると肌にダメージを受ける等まだまだ改善が必要なものであった。
その時に出会ったリノという女性の治療をしたのだが、その時はゼアルにもっと肌に優しい化粧品にして欲しいとの要望を出すタイミングが無くてそのままになっていたからだ。
「ん? ああ、ゼアルならとっくに薬師ギルドを辞めさせられて領都に向かったようだ。
あんたが町を出た後すぐに化粧品の副作用が問題視されてギルマスから改善出来ないなら化粧部門は廃止すると言われてキレてギルマスに掴みかかったからな。
理由はどうあれギルマスにあんな態度をとればどうなるかなんて少し考えれば分かる事なんだがな」
「それで今はどうしてるんですか?」
「俺も詳しくは知らないが、領都でもう一度化粧品の品質を研究しているらしく、一山当てて見返してやると言ってたそうだ。
まあ、売ることだけ考えた結果失敗しただけだから真面目にやればそれなりの結果は出せるんじゃないか?
ちょっとばかり考えが甘いところもあったが腕自体は悪い奴じゃなかったからな」
「そうですか。情報ありがとうございます」
(ゼアルは領都にいるそうなのでもしかしたら向こうで会う事があるかもしれないが真面目にやっているならば放置しておいても良いだろう)
僕はそう考え、ロギスに礼を言ってから薬師ギルドを出た。
「そう言えばロギスさんにはナオキが貴族になった事を話さなかったわね」
「まあ、宣伝してまわりたい訳じゃないからね。もし、何かで話がこじれるようなら抑止力として話しても良いけどね」
「まあ、それもそうね。ナオキは貴族になっても別に威張りたい訳じゃないからそれも良いかもしれないわね」
リリスはそう言うと僕の手を握りながら微笑んだ。
「さて、挨拶も済んだしその辺のお店でも回ってから宿に向かうとしようか」
僕の言葉に頷いたリリスは繋いだ手を僕の腕に絡めて寄り添いながら買い物を楽しんだ。
* * *
「――それで、なぜ君がここに居るのか説明をしてくれないか?」
買い物を済ませた僕達が泊まる予定の宿に戻り夕食を楽しもうとしている横によく見た顔が並んでいた。
「そんな事、お母様から聞いたからに決まってるじゃないですか。
ナオキ様がついに貴族様になったと聞いたのでお祝いに駆けつけたまでですよ。
け、決して側室の座を狙って来た訳じゃありませんから……」
思い切りキョドりながらナナリーがそう答える。
「はあ……。
やっぱりアーリーさんの『あれ』は本気だったんだね」
「あの行動力だけは尊敬に値するわよね。
でも、ナオキには私が居るからもう少し遠慮してくれると嬉しいかな」
リリスにジト目をされて涙目になりながらもその場は必死に言葉を紡いだ。
「……って、今日はそんな事を言いに来た訳じゃなくてお母様からの伝言を伝えに来たんです」
そう言って話してくれた内容を聞いた僕達はわざわざ伝えに来てくれたナナリーに感謝をする事になった。
まあ、元気にやってるようだし斡旋ギルドへの報告も無事に終わったから次は薬師ギルドにも顔を出して挨拶だけして行こうか」
「そうね。あれから町の人達がどうなったかとか薬師ギルドの薬師達がきちんと仕事をしているか気になるわよね」
僕達はそう話しながら薬師ギルドに着いた僕はそっとドアを開けた。
――からんからん。
ドア鐘が響き受付嬢がこちらを見て声をかけてくる。
「お久しぶりですナオキさんとリリスさん。
確か王都へ行ったと聞いたのですけどもう帰られたのですか?」
先ほど斡旋ギルドでも言われたような言葉をかけられた僕達は苦笑いをしながら「いろいろありまして……」と明言をさけてギルドマスターかロギスと話が出来ないかと聞いた。
「ギルマスは今外出してますのでロギス部門長に聞いてきますね」
受付嬢はそう言って奥へと向かい数分後には「奥の個室へどうぞ」と僕達を案内してくれた。
「――確か前に来たのは数ヶ月前だったかな?
王都へ向かうと聞いていたと記憶しているが、もう帰ってきたところをみると王都では仕事がうまくいかなかったってとこか?
だが残念なことにお前達が出発してからは大きなトラブルもなく技術の上がった薬師達が町の健康を管理してきたから今更戻って来ても大した仕事はないぜ」
僕達の前に座ったロギスの口から出た言葉がそれだった。
「ああ、別にこの町でまた仕事をしようって事じゃないんだ。
まあ、確かに王都ではいろいろあってまともに活動出来なかったのは認めるけど今日寄ったのは薬師の人達が無事に仕事が出来ているかを確かめに来ただけなんだ」
「ちっ、つまらんな。せっかくあんたらが戻って来た時に「頼むから仕事をさせてくれ」と言われたら「そんなものはないぜ」と言ってやりたかったんだがな」
ロギスは口ではそう言いながらも自信に満ちた表情をしていた。
(どうやら薬師達は僕が町を出てからも患者に寄り添う治療をしていたみたいだな)
「それは残念でしたね。ところで化粧部門を束ねていたゼアルさんはどうしていますか?」
前に滞在した時に出会った化粧品は見た目を良くするには効果が高かったがつけっぱなしにすると肌にダメージを受ける等まだまだ改善が必要なものであった。
その時に出会ったリノという女性の治療をしたのだが、その時はゼアルにもっと肌に優しい化粧品にして欲しいとの要望を出すタイミングが無くてそのままになっていたからだ。
「ん? ああ、ゼアルならとっくに薬師ギルドを辞めさせられて領都に向かったようだ。
あんたが町を出た後すぐに化粧品の副作用が問題視されてギルマスから改善出来ないなら化粧部門は廃止すると言われてキレてギルマスに掴みかかったからな。
理由はどうあれギルマスにあんな態度をとればどうなるかなんて少し考えれば分かる事なんだがな」
「それで今はどうしてるんですか?」
「俺も詳しくは知らないが、領都でもう一度化粧品の品質を研究しているらしく、一山当てて見返してやると言ってたそうだ。
まあ、売ることだけ考えた結果失敗しただけだから真面目にやればそれなりの結果は出せるんじゃないか?
ちょっとばかり考えが甘いところもあったが腕自体は悪い奴じゃなかったからな」
「そうですか。情報ありがとうございます」
(ゼアルは領都にいるそうなのでもしかしたら向こうで会う事があるかもしれないが真面目にやっているならば放置しておいても良いだろう)
僕はそう考え、ロギスに礼を言ってから薬師ギルドを出た。
「そう言えばロギスさんにはナオキが貴族になった事を話さなかったわね」
「まあ、宣伝してまわりたい訳じゃないからね。もし、何かで話がこじれるようなら抑止力として話しても良いけどね」
「まあ、それもそうね。ナオキは貴族になっても別に威張りたい訳じゃないからそれも良いかもしれないわね」
リリスはそう言うと僕の手を握りながら微笑んだ。
「さて、挨拶も済んだしその辺のお店でも回ってから宿に向かうとしようか」
僕の言葉に頷いたリリスは繋いだ手を僕の腕に絡めて寄り添いながら買い物を楽しんだ。
* * *
「――それで、なぜ君がここに居るのか説明をしてくれないか?」
買い物を済ませた僕達が泊まる予定の宿に戻り夕食を楽しもうとしている横によく見た顔が並んでいた。
「そんな事、お母様から聞いたからに決まってるじゃないですか。
ナオキ様がついに貴族様になったと聞いたのでお祝いに駆けつけたまでですよ。
け、決して側室の座を狙って来た訳じゃありませんから……」
思い切りキョドりながらナナリーがそう答える。
「はあ……。
やっぱりアーリーさんの『あれ』は本気だったんだね」
「あの行動力だけは尊敬に値するわよね。
でも、ナオキには私が居るからもう少し遠慮してくれると嬉しいかな」
リリスにジト目をされて涙目になりながらもその場は必死に言葉を紡いだ。
「……って、今日はそんな事を言いに来た訳じゃなくてお母様からの伝言を伝えに来たんです」
そう言って話してくれた内容を聞いた僕達はわざわざ伝えに来てくれたナナリーに感謝をする事になった。
0
あなたにおすすめの小説
悪役令息、前世の記憶により悪評が嵩んで死ぬことを悟り教会に出家しに行った結果、最強の聖騎士になり伝説になる
竜頭蛇
ファンタジー
ある日、前世の記憶を思い出したシド・カマッセイはこの世界がギャルゲー「ヒロイックキングダム」の世界であり、自分がギャルゲの悪役令息であると理解する。
評判が悪すぎて破滅する運命にあるが父親が毒親でシドの悪評を広げたり、関係を作ったものには危害を加えるので現状では何をやっても悪評に繋がるを悟り、家との関係を断って出家をすることを決意する。
身を寄せた教会で働くうちに評判が上がりすぎて、聖女や信者から崇められたり、女神から一目置かれ、やがて最強の聖騎士となり、伝説となる物語。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
タダ働きなので待遇改善を求めて抗議したら、精霊達から『破壊神』と怖れられています。
渡里あずま
ファンタジー
出来損ないの聖女・アガタ。
しかし、精霊の加護を持つ新たな聖女が現れて、王子から婚約破棄された時――彼女は、前世(現代)の記憶を取り戻した。
「それなら、今までの報酬を払って貰えますか?」
※※※
虐げられていた子が、モフモフしながらやりたいことを探す旅に出る話です。
※重複投稿作品※
表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
転生したら名家の次男になりましたが、俺は汚点らしいです
NEXTブレイブ
ファンタジー
ただの人間、野上良は名家であるグリモワール家の次男に転生したが、その次男には名家の人間でありながら、汚点であるが、兄、姉、母からは愛されていたが、父親からは嫌われていた
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる