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9 旅立ち
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「ちょっと待ってよサーフェス」
僕はサーフェスの肩に手をかけて慌ててもう一度言った。
少しきつい口調になってしまったせいで、サーフェスはとても驚いた表情を見せた。
「あれ?何か怒らせちゃったかな?」
サーフェスがおどけるように言って、僕の手を自然に外した。
「いや…怒っているなんて…お祖父様に紹介するのは全然構わないんだ。手紙を書くにも吝かではない。でも今の言い方って君一人で行くって聞こえたから」
「うん?そのつもりだけど。だって八幡君はまだ授業があるでしょう?」
「何言ってるの!君だって同じだろう」
「ああ、僕は良いんだ。解決すれば戻らないんだし。そもそも手掛かりを探しに来ただけだからね」
「手掛かりって…さっき言っていたことに関係があるの?」
「そうだよ、どこから説明すればいいかわからないからちょっと奥の手を使おうかなって思ってる」
「奥の手?」
「ああ、奥の手だ。それよりさっきの返事は?」
「返事?あっ…お祖父様に紹介するって話?勿論問題ないけど…僕も一緒に行くよ」
「学校は?」
「あと二週間もすれば夏休みだし、なんか適当な言い訳をして休むさ」
「まあ君が良いなら僕は良いけど。家の人は大丈夫なの?」
「家族はいるけど家族とも言えないよう関係だし問題ないよ。学校へは山下さん…っていうのは家に居てくれている家令なんだけど、彼に相談するよ。まず反対はしないと思う」
「そう?じゃあそういうことで。明日の朝には出発するつもりだから」
「わかった。じゃあ駅で待ち合わせよう。九時でどうかな」
「了解。僕はいろいろと準備があるから今日はここでお別れだ。一人で帰れそうかな?」
「大丈夫だよ」
「うん、でもさっきの男が君を狙うかもしれないから…これを持っておいて」
そう言ってサーフェスは上着の内ポケットから光る石を取り出した。
「きれいな石だね」
「うん、お守りだからずっと持っておくようにしてね」
「ん?あ…ああ、わかったよ。あっでも僕に渡しちゃうと君は困らない?」
「大丈夫。もう一つあるし、そもそも君に渡そうと思っていたものだからね」
サーフェスはエメラルドグリーンに光る石を僕に手渡すと、さっさとドアの方へ歩いた。
僕も慌てて後を追う。
丘の下まで一緒に歩いて僕たちは手を振って別れた。
家に戻ると停まっていた車は無く、僕はホッと胸を撫でおろした。
「ただいま」
「お帰りなさい、トオルさん予定より遅いから心配していました」
明美さんがエプロンで濡れた手を拭きながら迎えてくれた。
「うん、ちょっといろいろあったけど大丈夫だよ。父さんは帰ったみったいだね。母さんは?別館かな?」
「ええ、別館に戻られましたよ。草薙先生が宥めておられるはずですよ」
「ふぅ~ん。それで?直接対決の勝者は?」
明美さんはニコッと笑って言った。
「ドローです。泥仕合だけにドローなんちゃって。ふふふ」
僕はどうリアクションしてよいかわからず困ってしまった。
明美さんはドヤ顔をして僕を見ている。
「あ…明美さん、山下さんは?」
「キッチンで食事をしています。トオルさんは?何か召し上がりました?」
「ああ、そういえば何も食べてないです」
「じゃあすぐに準備しましょう。キッチンで良いでしょ?」
「もちろんです。着替えてから行きますね」
僕は自室に戻って制服を脱いだ。
固いものが指先に触れ、今日の出来事が現実だったことを思い知らされる。
「サーフェス…」
僕は征服のポケットから石を取り出して机の上に置いた。
キッチンに行くと、食事を終えた山下さんがお茶を飲んでいた。
山下さんの正面の席に座ると、明美さんがすぐにオムライスを出してくれた。
「いただきます」
僕は明日からのことをどう話そうかと考えながら、黙々とオムライスを食べた。
そんな僕を山下さんはニコニコして見ている。
「今日は前哨戦という感じ」
「はぁぁぁ…ぼ迷惑をおかけします」
「いやいや、なかなか見ごたえのある鍔迫り合いでしたから。それよりどこに行っていたのかな?てっきりファミレスあたりで時間を潰すのかと思っていたけど」
「ええ、友人にばったり会ったので話をしていたんだけど…」
僕は山下さんにどう説明すればいいのか途方に暮れた。
僕はサーフェスの肩に手をかけて慌ててもう一度言った。
少しきつい口調になってしまったせいで、サーフェスはとても驚いた表情を見せた。
「あれ?何か怒らせちゃったかな?」
サーフェスがおどけるように言って、僕の手を自然に外した。
「いや…怒っているなんて…お祖父様に紹介するのは全然構わないんだ。手紙を書くにも吝かではない。でも今の言い方って君一人で行くって聞こえたから」
「うん?そのつもりだけど。だって八幡君はまだ授業があるでしょう?」
「何言ってるの!君だって同じだろう」
「ああ、僕は良いんだ。解決すれば戻らないんだし。そもそも手掛かりを探しに来ただけだからね」
「手掛かりって…さっき言っていたことに関係があるの?」
「そうだよ、どこから説明すればいいかわからないからちょっと奥の手を使おうかなって思ってる」
「奥の手?」
「ああ、奥の手だ。それよりさっきの返事は?」
「返事?あっ…お祖父様に紹介するって話?勿論問題ないけど…僕も一緒に行くよ」
「学校は?」
「あと二週間もすれば夏休みだし、なんか適当な言い訳をして休むさ」
「まあ君が良いなら僕は良いけど。家の人は大丈夫なの?」
「家族はいるけど家族とも言えないよう関係だし問題ないよ。学校へは山下さん…っていうのは家に居てくれている家令なんだけど、彼に相談するよ。まず反対はしないと思う」
「そう?じゃあそういうことで。明日の朝には出発するつもりだから」
「わかった。じゃあ駅で待ち合わせよう。九時でどうかな」
「了解。僕はいろいろと準備があるから今日はここでお別れだ。一人で帰れそうかな?」
「大丈夫だよ」
「うん、でもさっきの男が君を狙うかもしれないから…これを持っておいて」
そう言ってサーフェスは上着の内ポケットから光る石を取り出した。
「きれいな石だね」
「うん、お守りだからずっと持っておくようにしてね」
「ん?あ…ああ、わかったよ。あっでも僕に渡しちゃうと君は困らない?」
「大丈夫。もう一つあるし、そもそも君に渡そうと思っていたものだからね」
サーフェスはエメラルドグリーンに光る石を僕に手渡すと、さっさとドアの方へ歩いた。
僕も慌てて後を追う。
丘の下まで一緒に歩いて僕たちは手を振って別れた。
家に戻ると停まっていた車は無く、僕はホッと胸を撫でおろした。
「ただいま」
「お帰りなさい、トオルさん予定より遅いから心配していました」
明美さんがエプロンで濡れた手を拭きながら迎えてくれた。
「うん、ちょっといろいろあったけど大丈夫だよ。父さんは帰ったみったいだね。母さんは?別館かな?」
「ええ、別館に戻られましたよ。草薙先生が宥めておられるはずですよ」
「ふぅ~ん。それで?直接対決の勝者は?」
明美さんはニコッと笑って言った。
「ドローです。泥仕合だけにドローなんちゃって。ふふふ」
僕はどうリアクションしてよいかわからず困ってしまった。
明美さんはドヤ顔をして僕を見ている。
「あ…明美さん、山下さんは?」
「キッチンで食事をしています。トオルさんは?何か召し上がりました?」
「ああ、そういえば何も食べてないです」
「じゃあすぐに準備しましょう。キッチンで良いでしょ?」
「もちろんです。着替えてから行きますね」
僕は自室に戻って制服を脱いだ。
固いものが指先に触れ、今日の出来事が現実だったことを思い知らされる。
「サーフェス…」
僕は征服のポケットから石を取り出して机の上に置いた。
キッチンに行くと、食事を終えた山下さんがお茶を飲んでいた。
山下さんの正面の席に座ると、明美さんがすぐにオムライスを出してくれた。
「いただきます」
僕は明日からのことをどう話そうかと考えながら、黙々とオムライスを食べた。
そんな僕を山下さんはニコニコして見ている。
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「いやいや、なかなか見ごたえのある鍔迫り合いでしたから。それよりどこに行っていたのかな?てっきりファミレスあたりで時間を潰すのかと思っていたけど」
「ええ、友人にばったり会ったので話をしていたんだけど…」
僕は山下さんにどう説明すればいいのか途方に暮れた。
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