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第1話 目覚めたら幼女になっていました
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「396号室の患者が目覚めました!」
「すぐに先生に連絡を!!」
僕の名前は柚木咲良。
中学2年生の男子だ。
僕は春休みに事故に遭い……
「ここは……?」
「大丈夫咲良ちゃん? 貴女一週間も眠っていたのよ?」
母さんが話しかけてくる。
あれ? なんだか今日は妙に若々しい気が?
「一週間?」
「そうよ、今日は貴方の小学校の入学式なのよ」
「しょうがっこう?」
気が付けば小学生に戻っていた。
◆
そんな衝撃的な目覚めから三日後、僕は家に帰って来た。
随分早い退院だとは思うけど、まぁ医者の先生も怪我は治ったって言ってたし、病院も次の患者さんの為にベッドを空けたいだろうから仕方がないよね。
というか僕にはそれ以上に問題があった。
それも人生を変える程の衝撃的な出来事がだ。
うん、小学生に戻ったのも驚きだけど、それ以上の事件があったんだ。
それを確かめる為、僕はお風呂場の脱衣所で服を脱ぐ。
「やっぱり女の子になってる……」
そうなのだ、僕は女の子になっていたんだ。
病院で初めてトイレに行った時、僕は自分の股間に大事な相棒の姿がない事にショックを受けた。あい棒だけにな……ってやかましいわ!
あまりにもショックを受け過ぎた所為で、事故後のパニック症状と勘違いした看護婦さんから鎮静剤を打たれたほどだ。
どうやら僕は小学生に戻っただけでなく、性別まで変わってしまっていた。
ここまでくると過去に戻ったんじゃなくて別の世界に来てしまったといった方が正しいかもしれない。
両親は僕が女の子になった事になんの違和感も持っていないみたいだし、帰って来た自分の部屋はまごう事なき女の子の部屋なのだから疑う余地もない。
◆
「記憶に関してはゆっくり養生するしかないって先生達も言ってたから、あんまり気にしなくていいわよ」
性別が変わっていた事に落ち込んでいた僕を、母さんが慰める。
目が覚めた僕は、あまりにも世界が変わっていたせいでパニックに陥っていた。
その為病院の先生と両親は僕が事故の影響で記憶が混濁していると判断したんだ。
幸いそのおかげで僕も冷静になる時間を得る事が出来た。
その結果考えたのがこの記憶喪失のふりだ。
記憶喪失なら僕が妙な事をしたり、物を知らなかったりしても記憶喪失だから忘れているんだろうなで済ませられると思ったからだ。
あとこれが夢だった時の為の時間稼ぎの意味もあったんだけど、今のところ現実である可能性が濃厚だ。
「病院の先生にも言われてるから、一週間はおうちでじっとしているのよ。あっ、でも教科書は学校の先生が持ってきてくれたから、今のうちに教科書を読んでおきなさい。一週間分の授業が遅れちゃうものね」
そういって母さんは教科書の束を机の上に置く。
はぁ、面倒だけどどうせ小学校の教科書だ。
読んでるふりして考えを纏めよう。
「はーい」
僕は教科書を受け取るとそれを一列に並べる。
こくご、さんすう、しゃかい、りか、おんがく、まほう。
うーん、いかにも小学校低学年の教科書って感じの表紙だ。
「ん?」
何か妙なものを見た気がしてもう一度教科書を見る。
こくご、さんすう、しゃかい、りか、おんがく、そしてまほう。
「なにこれ!?」
魔法!? なんで魔法!?
「どうしたの?」
母さんが何を騒いでるのかとこちらにやってくる。
「これ! なにこれ!?」
そう言って僕が魔法と書かれた本を見せると、母さんは首を傾げる。
「何って魔法の教科書じゃないの。それがどうしたの?」
「魔法の教科書ぉーっ!?」
目が覚めてから三度目のビックリです。
なんとこの世界には魔法が存在していたのです。
「すぐに先生に連絡を!!」
僕の名前は柚木咲良。
中学2年生の男子だ。
僕は春休みに事故に遭い……
「ここは……?」
「大丈夫咲良ちゃん? 貴女一週間も眠っていたのよ?」
母さんが話しかけてくる。
あれ? なんだか今日は妙に若々しい気が?
「一週間?」
「そうよ、今日は貴方の小学校の入学式なのよ」
「しょうがっこう?」
気が付けば小学生に戻っていた。
◆
そんな衝撃的な目覚めから三日後、僕は家に帰って来た。
随分早い退院だとは思うけど、まぁ医者の先生も怪我は治ったって言ってたし、病院も次の患者さんの為にベッドを空けたいだろうから仕方がないよね。
というか僕にはそれ以上に問題があった。
それも人生を変える程の衝撃的な出来事がだ。
うん、小学生に戻ったのも驚きだけど、それ以上の事件があったんだ。
それを確かめる為、僕はお風呂場の脱衣所で服を脱ぐ。
「やっぱり女の子になってる……」
そうなのだ、僕は女の子になっていたんだ。
病院で初めてトイレに行った時、僕は自分の股間に大事な相棒の姿がない事にショックを受けた。あい棒だけにな……ってやかましいわ!
あまりにもショックを受け過ぎた所為で、事故後のパニック症状と勘違いした看護婦さんから鎮静剤を打たれたほどだ。
どうやら僕は小学生に戻っただけでなく、性別まで変わってしまっていた。
ここまでくると過去に戻ったんじゃなくて別の世界に来てしまったといった方が正しいかもしれない。
両親は僕が女の子になった事になんの違和感も持っていないみたいだし、帰って来た自分の部屋はまごう事なき女の子の部屋なのだから疑う余地もない。
◆
「記憶に関してはゆっくり養生するしかないって先生達も言ってたから、あんまり気にしなくていいわよ」
性別が変わっていた事に落ち込んでいた僕を、母さんが慰める。
目が覚めた僕は、あまりにも世界が変わっていたせいでパニックに陥っていた。
その為病院の先生と両親は僕が事故の影響で記憶が混濁していると判断したんだ。
幸いそのおかげで僕も冷静になる時間を得る事が出来た。
その結果考えたのがこの記憶喪失のふりだ。
記憶喪失なら僕が妙な事をしたり、物を知らなかったりしても記憶喪失だから忘れているんだろうなで済ませられると思ったからだ。
あとこれが夢だった時の為の時間稼ぎの意味もあったんだけど、今のところ現実である可能性が濃厚だ。
「病院の先生にも言われてるから、一週間はおうちでじっとしているのよ。あっ、でも教科書は学校の先生が持ってきてくれたから、今のうちに教科書を読んでおきなさい。一週間分の授業が遅れちゃうものね」
そういって母さんは教科書の束を机の上に置く。
はぁ、面倒だけどどうせ小学校の教科書だ。
読んでるふりして考えを纏めよう。
「はーい」
僕は教科書を受け取るとそれを一列に並べる。
こくご、さんすう、しゃかい、りか、おんがく、まほう。
うーん、いかにも小学校低学年の教科書って感じの表紙だ。
「ん?」
何か妙なものを見た気がしてもう一度教科書を見る。
こくご、さんすう、しゃかい、りか、おんがく、そしてまほう。
「なにこれ!?」
魔法!? なんで魔法!?
「どうしたの?」
母さんが何を騒いでるのかとこちらにやってくる。
「これ! なにこれ!?」
そう言って僕が魔法と書かれた本を見せると、母さんは首を傾げる。
「何って魔法の教科書じゃないの。それがどうしたの?」
「魔法の教科書ぉーっ!?」
目が覚めてから三度目のビックリです。
なんとこの世界には魔法が存在していたのです。
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