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最後まで幸せでいて
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愛してると言ってから、関係は少しずつ変わった。
優雨は終電が過ぎても俺の家いるようになったり、休日は当たり前かのようにどこかに出かけるようになった。
一週間に一回はデートすると決めた訳じゃないけど優雨が家にいることが増えたから誘う機会が増えていた。
相変わらずツンデレだったけど、甘えるのも増えて嬉しかった。
優雨の誕生日の日に同棲しないかと誘ったら
「葉月は俺がいないと寂しいみたいだし、しょうがないから一緒に住んであげる」
そう言って嬉しそうに引っ越し会社を検索していた。
大学も卒業して、社会人になって忙しくても幸せな生活が続いた。2年くらい経った頃、優雨が会社で倒れたと連絡があった。
急いで病院に向かうと酸素マスクを付けられてグッタリしてる優雨がいた。
医者にはもう病気が進行して回復するのは難しいと言われた。
頭が真っ白になった。
優雨は3日後には目醒めて、普通に話していた。
病気で倒れたことを話すと、優雨は一瞬驚いて、目を見開いた。その後はお医者さんと直接話したが寿命のことは話さず、様子を見て伝えるか伝えないか決めることになった。
入院が決まってから毎日お見舞いに行った。
病院で暇している優雨のために読みたがってた漫画を届けたり、病院の庭で散歩したりした。
話していく度に果たされることない約束が増えた。
今月中に治ったら、あの映画を見よう。
来年は一緒にお花見をしよう。
病気が治ったら、また食べに行こう。
お医者さんは、病気について優雨に説明しないことを選んだ。
最近、優雨はよく眠っている。
寝たまま目覚めないんじゃないかと心配になって、呼吸を確認していた。
呼吸が止まったら、機械が教えてくれるのに。
暖かい空気が手に当たるのを何度も確認しながら起きるのを待った。
「葉月...?」
「ここにいるよ」
目を覚ます時、僕の名前を呼ぶ。
看護師さんに起こされる時も、僕の名前を最初に口にするらしい。
それを知った時、胸が酷く締め付けられた。愛しさが溢れる反面、いつかは呼んで貰えなくなることが分かっていた。
ずっと、呼んで欲しかった。
しわしわになるまで呼んで欲しかった。
毎回、毎回、優雨に出会えるか不安で会えても忘れられてて1から始まって、いつ終わってしまうのか分からない生まれ変わりでもう、会えないかもしれないそんな不安がずっと付き纏っていた。
何度生まれ変わって出会っても、次はないかもしれない。
だから絶対に幸せにしたかった。
いつ終わっても、僕との記憶は幸せであるように。
優雨は終電が過ぎても俺の家いるようになったり、休日は当たり前かのようにどこかに出かけるようになった。
一週間に一回はデートすると決めた訳じゃないけど優雨が家にいることが増えたから誘う機会が増えていた。
相変わらずツンデレだったけど、甘えるのも増えて嬉しかった。
優雨の誕生日の日に同棲しないかと誘ったら
「葉月は俺がいないと寂しいみたいだし、しょうがないから一緒に住んであげる」
そう言って嬉しそうに引っ越し会社を検索していた。
大学も卒業して、社会人になって忙しくても幸せな生活が続いた。2年くらい経った頃、優雨が会社で倒れたと連絡があった。
急いで病院に向かうと酸素マスクを付けられてグッタリしてる優雨がいた。
医者にはもう病気が進行して回復するのは難しいと言われた。
頭が真っ白になった。
優雨は3日後には目醒めて、普通に話していた。
病気で倒れたことを話すと、優雨は一瞬驚いて、目を見開いた。その後はお医者さんと直接話したが寿命のことは話さず、様子を見て伝えるか伝えないか決めることになった。
入院が決まってから毎日お見舞いに行った。
病院で暇している優雨のために読みたがってた漫画を届けたり、病院の庭で散歩したりした。
話していく度に果たされることない約束が増えた。
今月中に治ったら、あの映画を見よう。
来年は一緒にお花見をしよう。
病気が治ったら、また食べに行こう。
お医者さんは、病気について優雨に説明しないことを選んだ。
最近、優雨はよく眠っている。
寝たまま目覚めないんじゃないかと心配になって、呼吸を確認していた。
呼吸が止まったら、機械が教えてくれるのに。
暖かい空気が手に当たるのを何度も確認しながら起きるのを待った。
「葉月...?」
「ここにいるよ」
目を覚ます時、僕の名前を呼ぶ。
看護師さんに起こされる時も、僕の名前を最初に口にするらしい。
それを知った時、胸が酷く締め付けられた。愛しさが溢れる反面、いつかは呼んで貰えなくなることが分かっていた。
ずっと、呼んで欲しかった。
しわしわになるまで呼んで欲しかった。
毎回、毎回、優雨に出会えるか不安で会えても忘れられてて1から始まって、いつ終わってしまうのか分からない生まれ変わりでもう、会えないかもしれないそんな不安がずっと付き纏っていた。
何度生まれ変わって出会っても、次はないかもしれない。
だから絶対に幸せにしたかった。
いつ終わっても、僕との記憶は幸せであるように。
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更新ありがとうございます!!
優雨の嫉妬可愛い🥰
葉月さんも可愛いと思ってるはず!!
感想ありがとうございます!!
更新遅れてしまい申し訳ございません!
次はドライブしながら、葉月が前世を話してくれます。
葉月は優雨のことを何してても可愛いと思っていますw優雨の限界オタクです
葉月さんは先に逝ってしまった優雨後記憶がしっかりあるから、思い出しちゃうんでしょうね……😔
でも今は!目の前に元気な優雨が居ることを実感して欲しいですね!今世の優雨だけを見て欲しい!!
感想ありがとうございます!
葉月は昔の優雨の事も忘れないでこれから今の優雨といれる時間を大事にして欲しいです。割り切れないこともあるけどそれを乗り越えて幸せに過ごしていけたらいいと思っています!
優雨が初々しくて可愛い〜🤭
葉月さんも待ち合わせに早すぎw気合入っててこっちまで嬉しい☺️
感想ありがとうございます!
今回のデート編は葉月視点も書くので是非楽しみにしててください!
これからも葉月なら優雨とのデートの時は絶対30分前に来ますw