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第1話 異世界転生(?)したのに推しに「男」扱いされました
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「き、君は……化粧をすると迫力美人に……なるんだな」
「……は?」
なに言ってんだ、こいつ。
その場にいた誰もが、きっとそう思った。
もちろん本人の私──アキも、何を言われてるのか一瞬わからなかったくらいだ。
……おい、なんで耳まで真っ赤になってんだ。
そもそもお前のタイプは“小動物系可愛い女子”でしょーが!
(……どうしてこうなったんだろ……)
煌びやかな舞踏会の只中。
慣れないドレスに身を包んだ私は、頭を冷やすようにこめかみを揉んだ。
まさか異世界に転移した私がーーー
最推しに「男」扱いされてーーー
そのうえ顎クイされるほど執着されるなんて。
……そんな未来、想像すらしてなかったのに。
◇◇◇◇
キッカケは、ひょんな事だった。
大好きな小説を発売日に買いに行ったその足で、階段から落ちたのだ。
あまりに待ちきれなくなって、本を開こうと手元を見た矢先、踏み外したらしい。
ーーーそこから、気付けば薄汚れた裏路地に座っていた。
「……え、どこ?」
どこをどう見回しても、自分の勝手知ったる場所ではない事は分かる。
これはもしや、異世界転生あるあるか!?
と咄嗟に自分をみるも、少し長めの黒髪、部屋着のスウェット、そしてスニーカー。
先程家を出た格好と何も変わらない事にガッカリした。
もちろん、鏡など見なくとも自分の顔である事くらい分かる。
「あー。だよね~。いくら私が天涯孤独とは言え、ご都合主義ハイおつー」
はあと大きなため息を吐いて、ゆっくり立ち上がった瞬間だった。
「おー、珍しいのがいるなぁ」
路地の奥から中年らしいダミ声がして、思わずギョッとした。
…その中年男は、金髪碧眼だった。背後の数人も、緑だったり、紫だったりの髪色をしており、どう見ても日本人ではない。
「………え?まさか、ほんとに転生…いやこの場合は転移…か?」
「何ボソボソ言ってんだ。まあ珍しい姿だし、売れば少しは金になるか?」
ーーーやっぱり、異世界じゃん!!
その瞬間、アキは心の中で絶叫した。
あんな悪役キャラのセリフ、小説でしか読んだ事ない…じゃなくて!!
ふつーは主役級キャラや悪役令嬢に転生でしょ!
何で私のまま転移したのよ!
違う意味でショックを受けているアキを他所に、ガラの悪い中年男男たちが近付いてくる。
ハッと気付いた時には遅かった。
周りを取り囲んだ男達の1人が、アキの腕を縛り上げたのだ。
「っ…痛っ…!?」
「え?その声、女か?」
はあ!?どう見ても女でしょーが!
思わずイラッと睨み返す。が、男は茫然としたあと、ニヤリと口角を上げた。
「こりゃあ良い。女は高く売れるんだ」
「は……?」
その言葉に、今更血の気が引いていく。
必死に逃れようともがくが、掴まれた腕が痛いだけでビクともしない。
アキが、青ざめて叫ぼうとした時だった。
「ーーーその手を離せ!」
低い声と共に、ヒュッと風が凪いだ。
その瞬間、男の腕から血が吹き出す。
アキが驚いて振り返った時には、軍服のような制服を着た数名がガラの悪い中年男たちを取り押さえた後だった。
「大丈夫か、君」
先程聞こえた低い声。いつの間にかアキの真隣にいた男を見た瞬間ー……アキは、全てを理解した。
(私の好きな本じゃん!!)
アキの大好きな小説「この世界の果てに」の最推しであり、男主人公のアレンハルト・ハザルその人だった。
ーーー誰もが振り返る程の美貌を持ち、真紅の髪に燃えるような色の瞳。そして均整の取れた逞しい身体に長い四肢を包むのは、白い鷲のエンブレムが胸元に光る、騎士団の制服。
彼は、国一番の騎士団長でもあった。
そもそもの死因(仮)である事も忘れ、思わず感動と興奮で立ち上がったアキは、もっと近付こうとしてー……衝撃的な発言を喰らう事になった。
「なんだ、男か」
「へ?」
つい先程まで凛々しく、威厳溢れる騎士だったアレンが、小さくため息を吐いて興味なさそうにふいと目線をそらす。
その瞬間、アキは再び心の中で叫んだ。
ーーーおい!!いくらすっぴん貧乳とはいえ、女だっつーの!!
「……は?」
なに言ってんだ、こいつ。
その場にいた誰もが、きっとそう思った。
もちろん本人の私──アキも、何を言われてるのか一瞬わからなかったくらいだ。
……おい、なんで耳まで真っ赤になってんだ。
そもそもお前のタイプは“小動物系可愛い女子”でしょーが!
(……どうしてこうなったんだろ……)
煌びやかな舞踏会の只中。
慣れないドレスに身を包んだ私は、頭を冷やすようにこめかみを揉んだ。
まさか異世界に転移した私がーーー
最推しに「男」扱いされてーーー
そのうえ顎クイされるほど執着されるなんて。
……そんな未来、想像すらしてなかったのに。
◇◇◇◇
キッカケは、ひょんな事だった。
大好きな小説を発売日に買いに行ったその足で、階段から落ちたのだ。
あまりに待ちきれなくなって、本を開こうと手元を見た矢先、踏み外したらしい。
ーーーそこから、気付けば薄汚れた裏路地に座っていた。
「……え、どこ?」
どこをどう見回しても、自分の勝手知ったる場所ではない事は分かる。
これはもしや、異世界転生あるあるか!?
と咄嗟に自分をみるも、少し長めの黒髪、部屋着のスウェット、そしてスニーカー。
先程家を出た格好と何も変わらない事にガッカリした。
もちろん、鏡など見なくとも自分の顔である事くらい分かる。
「あー。だよね~。いくら私が天涯孤独とは言え、ご都合主義ハイおつー」
はあと大きなため息を吐いて、ゆっくり立ち上がった瞬間だった。
「おー、珍しいのがいるなぁ」
路地の奥から中年らしいダミ声がして、思わずギョッとした。
…その中年男は、金髪碧眼だった。背後の数人も、緑だったり、紫だったりの髪色をしており、どう見ても日本人ではない。
「………え?まさか、ほんとに転生…いやこの場合は転移…か?」
「何ボソボソ言ってんだ。まあ珍しい姿だし、売れば少しは金になるか?」
ーーーやっぱり、異世界じゃん!!
その瞬間、アキは心の中で絶叫した。
あんな悪役キャラのセリフ、小説でしか読んだ事ない…じゃなくて!!
ふつーは主役級キャラや悪役令嬢に転生でしょ!
何で私のまま転移したのよ!
違う意味でショックを受けているアキを他所に、ガラの悪い中年男男たちが近付いてくる。
ハッと気付いた時には遅かった。
周りを取り囲んだ男達の1人が、アキの腕を縛り上げたのだ。
「っ…痛っ…!?」
「え?その声、女か?」
はあ!?どう見ても女でしょーが!
思わずイラッと睨み返す。が、男は茫然としたあと、ニヤリと口角を上げた。
「こりゃあ良い。女は高く売れるんだ」
「は……?」
その言葉に、今更血の気が引いていく。
必死に逃れようともがくが、掴まれた腕が痛いだけでビクともしない。
アキが、青ざめて叫ぼうとした時だった。
「ーーーその手を離せ!」
低い声と共に、ヒュッと風が凪いだ。
その瞬間、男の腕から血が吹き出す。
アキが驚いて振り返った時には、軍服のような制服を着た数名がガラの悪い中年男たちを取り押さえた後だった。
「大丈夫か、君」
先程聞こえた低い声。いつの間にかアキの真隣にいた男を見た瞬間ー……アキは、全てを理解した。
(私の好きな本じゃん!!)
アキの大好きな小説「この世界の果てに」の最推しであり、男主人公のアレンハルト・ハザルその人だった。
ーーー誰もが振り返る程の美貌を持ち、真紅の髪に燃えるような色の瞳。そして均整の取れた逞しい身体に長い四肢を包むのは、白い鷲のエンブレムが胸元に光る、騎士団の制服。
彼は、国一番の騎士団長でもあった。
そもそもの死因(仮)である事も忘れ、思わず感動と興奮で立ち上がったアキは、もっと近付こうとしてー……衝撃的な発言を喰らう事になった。
「なんだ、男か」
「へ?」
つい先程まで凛々しく、威厳溢れる騎士だったアレンが、小さくため息を吐いて興味なさそうにふいと目線をそらす。
その瞬間、アキは再び心の中で叫んだ。
ーーーおい!!いくらすっぴん貧乳とはいえ、女だっつーの!!
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