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第二話
しおりを挟む次の日、登校すると、教室が異様な空気に包まれていた。
いつもとは違う、何かを感じた。
「あ、おはよう!紗奈ちゃん!」
普通なのは、芹菜の明るい声だけだった。
「おはよう、芹菜。ねぇ…何かあったの?」
「うん!」
その笑顔は、黒一つない、純白だった。
だからこそ、心配になる。
「何があったの?」
「私ね、竜馬君と付き合うことになったの!」
「え…?」
まぁ、予想はしていたよ。
多分、竜馬が芹菜に告白したのだろう。
芹菜は、可愛い。
しかも、笑顔だ。
この学校の女子は、みんな、可愛いとは言えない。
どう、相手を落とし込むか…そういうことしか考えていないのだから。
でも、芹菜に竜馬は危ない、と直感で思った。
「ねぇ、芹菜。なんで、竜馬と?」
「えっとね———。」
その芹菜の声をかき消すようにして、明らかに不満げな女子の集団が来た。
「ねぇ、竜馬君と付き合ってるのは、あんた?」
その目は、芹菜とは真逆で、漆黒だった。
「うん!私だよ!」
それにまで笑顔で答える芹菜。
芹菜、おかしいよ…。
憎まれていることを認識せずに、笑顔で答える。
それは、女子集団にとって、最もつらいことだった。
「私も、竜馬が好きなのに…!」
そう言ったのは、女子のカースト上位の愛莉だった。
「私の竜馬をとるなんて!」
そういって、廊下に走っていった。
女子集団も、徐々に人数を減らして消えて行った。
そこへ、集団登校してくる男子たちがきた。
教室には、私と芹菜だけ。
「何かあったのか?」
さっそく竜馬が芹菜の横へいき、心配そうに顔を見る。
「竜馬君!さっきね、女子達に…。」
その声を私が遮ってやった。
「竜馬!少しだけ話してもいい?」
それに、芹菜が驚いたような声を出した。
「もしかして、紗奈も竜馬君が好きなの⁉」
そんなの、大きな勘違いだ。
私は今から、竜馬に脅迫しに行くだけなのに。
「なんで俺がお前なんかと一緒に話さなきゃいけないんだよ。黙れ。」
さすが、上位カーストだ。
私はやっぱり見下されてるんだな…。
「紗奈、もしかして嫌われてるの?」
その心配の声が悔しいと思ってしまった。
「誰が下位カーストなの?私は、カースト外だから!」
私は一人、屋上へ行った。
芹菜は、すべてをポジティブ変換しすぎだ。
隣にいる私が、苦しくなるくらいに。
私は、一冊のノートを出した。
「学校ルール」
これは、入学式当日に、全校生徒に配られたノートだった。
中には、生徒証明書の書き方や、制服、校則などが書かれている。
ただ、生徒しか知らない、最後のページ。
そこには、スクールカーストのルールが書かれているんだ。
そのページを開けると、真っ黒に塗りつぶされていた。
ただ、そのページに唯一消えていない部分があった。
そこには…
「中学二年二学期 カースト■■」
と書かれている。
カースト、の後は黒く塗りつぶされていて何が書いてあるかわからない。
でも、確実に、スクールカーストが変形するのが、今年の10月。
この時期に、この学校では、不登校児童が続出するんだ。
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