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第二戦 VSサビク 騎士の国と聖剣達
修行 01
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奥に行くにつれ、敵は段々と強くなっていく。
骸骨剣士の剣の腕は普通に騎士として戦えるレベルのものだった。それに加えて数が多く、連携も取れている。
この剣士たちが現れたのはダイナ曰く中層あたり。この辺りが現在のタクマの限界のようだった。
「いや、だからってそんな暗殺者みたいな事するかお前」
「いや、じゃないと死ぬじゃないですか」
一度の交錯で力量を認識したタクマは彼の全力を使った騙しと隠形にて隠れて、骸骨を一匹ずつ音もなく殺して回っていっていた。
ダイナやアルフォンスの使っている、存在感のコントロールを戦闘に利用して。
「それで、お前は安全にしていくのか?」
「冗談ですか? それ。死ぬ気で全部出して届かないくらいじゃないと意味がないんでしょう? 魂の成長の為の死線って」
『幸いにもマスターはプレイヤーです。命を懸ける程度はリスクに入らないかと』
「……覚悟決まり過ぎだよお前ら」
『「ありがとうございます」』
そんな言葉に、惜しさを感じながらダイナは先への道を示した。
彼には、足りないものがある。否、一つの方向に尖りすぎたせいで足りないように見えているものがある。
それは、ヒト以外のモノの殺しへの適正。人殺しに尖りすぎているが故に、その技能が磨かれていないのだ。
しかし、ダイナのその観察眼は誤りだったと進むたびに気づかされていく。
進むにつれて、ヒト型でない魔物との相手が増えていく。その暗殺術を魂の、肉体の、あるいは他の道の感覚で察知して反撃してくるようになってくる。
しかし、それら全てに対してダイナの教えた基本に忠実に、しかし己の風の力を十全に活かした戦い方で勝機を作り、破っていった。
その度に戦い方は磨かれていった。ただ一言教わっただけの人外殺しの基本が、タクマの剣理を変化させたのだ。
目の前の化け物を、より確実に殺すために。
「……お前、魔物と戦い始めてどれくらいだ?」
「このゲームが初めてですね。他のゲームはアシストが合わなくてあんまやってないんで」
その言葉にダイナは驚愕する。その通りだ。
なにせ、タクマの剣技は全て経験の積み重ねが生み出した剣理への理解がその強さの源なのだから。
それは、初めてVR剣道をプレイして、最強相手に2千度以上の敗北を糧にして作り上げられた“見て盗む剣”。技を盗み、適応させる鬼の剣。
『一応、人外との戦闘経験はありますね。ロボットゲームでしたが』
「ことごとくお前はあの世界に俺を引き戻そうとするな。俺も好きだけど」
『Ⅱが出たら買って頂けるとの約束、忘れたわけではありませんので』
そして、さまざまなゲームでの戦闘経験が、その基本を十全に活かす土壌を作り出していた。
その姿に、思わず笑みを浮かべるダイナ。
心根はまだ育ちきっていない。しかし、魂は良好であり、剣才は天賦のものだ。
その在り方は、ダイナと名乗るこの男の目的に奇妙なまでに合致していた。
「じゃあ、そろそろ中層も終わりだ。気を引き締めろ。リザードマンは相当にやるぜ?」
「ええ、バッチリ視られてるのを感じます。逃げるつもりはないですけど、逃すつもりもないみたいです」
そう言って、タクマは通路の奥に進む。
そこには階段を塞ぐように立つ影の蜥蜴の騎士とそれに切り捨てられた多くの闇があった。
「■■■■」
その言葉と共に、蜥蜴の騎士には黒ずんだ緑の色が付き、切り捨てられた闇は蜥蜴の剣に吸われていった。
「切った命を取り込んで力に変えるゲートか?」
『準備万端というわけですね』
声にならない咆哮と共に蜥蜴は斬りかかる。その上段は一見力尽くに思えるが、それは恵まれた身体能力を尾をつかってバランスを取って放つ絶技だった。
対してタクマは、行きがけに拾った小石に生命転換を込めてスナップだけで剣に投げる。
生命転換の距離減衰により大した威力にはならなかったが、それでもその直剣に当たった後の事は理解できた。
石は、吸われて消えた。生命転換の基本能力は“吸収”なのだろう。
風の刃による迎撃にもさほど効果はないだろうと知るや、タクマは正面から存在感を前に出したフェイントで斬りかかる。脇構えからの抜き胴だ。
しかし、そのフェイントは見抜かれて上段を溜められた。そして放たれる剣は、確実にタクマの姿を捉えた。
そして、その剣は空を切った。
蜥蜴騎士が見ていたのは、空気のスクリーンの屈折により見せられていた幻影。それにタクマの拡張能力の発音により作られた二つめの幻であった。
タクマは、決して計算尽くでその戦い方をしたわけではない。しかし、その戦法は目の前の騎士相手に最良のモノだった。
それが、タクマの鬼の才覚。あらゆる事が殺す事に特化した人類の異端児。
もしも健康だったなら、もしも道を示されなければ、もしも先生に出会わなければ、そんなもしもがあるのなら間違いなく殺人鬼と化していた少年であるのだ。タクマは。
そして、タクマの抜き胴が決まり、蜥蜴騎士の腹を切り裂いた。
しかし、タクマには違和感があった。
殺した感触がなかったのだ。
故に残心を怠らずに、しっかりと剣を構えて蜥蜴騎士を見た。
その体は半ば千切れていたというのに、闇が包むとともにその姿は元に戻った。
再生能力のようだ。その現象をタクマは見たことがある。それは天狼シリウスの再生と同じモノ。
故に、殺し続ければいずれ死ぬ。その覚悟で構えた剣に次への力を込める。
すると、不思議と蜥蜴騎士からの雑味のあるプレッシャーが消えた。そして、鋭い剣気がそれ以上の鋭さで叩きつけられてきた。
もう小細工は通じないだろう。そしてもう向こうも小細工をするつもりはないだろう。
それがわかるほどに、澄んだ剣気だった。
「剣士ダイナが弟子。タクマ」
「■■■■■」
互いに、意味が通じるかもわからない名乗りを上げる。それが礼儀だと、タクマの心が感じだからだ。
そして、互いに剣を振るう。
蜥蜴騎士の剣は一撃必殺。触れたモノの魂を喰らい尽くす吸魂の剣。
対してタクマの剣も一撃必殺。風の剣はあらゆる守りを切り裂き致命傷を与える。
そんな二つの一撃必殺は、剣が剣に当たれば良いだけの蜥蜴騎士が優勢だった。
しかし、優勢止まりだった。タクマは、もうその剣の理を見切り始めている。体全体を自由に使った一撃の剣。それは当たれば良いだけのような毒使いの剣ではなく、インパクトが必要であるということの裏返し。
故に、躱し続け見切り続けたタクマは、ついに剣を合わせる。蜥蜴騎士の剣がトップスピードに乗る前に、自身の剣に纏わせた魂の風で。
その風の過半は剣に吸われたが、その残りの力は剣を弾くに値するものだった。
だが、魂を吸われる感覚はタクマの心に傷を与える。それは奇しくも1周目にタクマを殺した暗殺者の痛みを与える力に似たものだった。
だからこそ、タクマはもう躊躇わない。
痛みは、ダメージの証。それを蔑ろにするわけでは決してない。
しかし、タクマはどんなにそれが強くても、もう同じ死に方はしない。痛みを受け入れてその上で可能な行動を行えるように己を再定義したのだ。
だから、魂が抜かれる程度の痛みで命を奪うチャンスを捨てたりはしない。
その覚悟が、剣を弾かれた蜥蜴騎士より一手先んじた。
剣は騎士の首を断ち切った。そして、そこから繋げる連続剣にて再生が追いつかないほどに細切れにして、その命を断ち切った。
鬼子と蜥蜴騎士、その殺し合いはこれにて決着である。
■□■
「じゃあ、とりあえずここまでだ。準備運動はな」
「……スパルタは好きですよ、コレでも」
『マスター、十分な休息を』
そんな強がりを吐くことしかできないくらいには、今のタクマは崩れ落ちそうだった。
それもそうだ。魂へのダメージは、肉体というフィルターを通さない分重いのだ。痛みの質が。
だからこそ、折れない。友のために強くなりたいから。
「なに、取って食おうってわけじゃない。今回の戦いでお前に何が足りないかは見えただろ?」
「……ゲートの、存在ですか」
「そうだ。だから、手っ取り早く起こす。幸いにもお前はもう開きかけてる。あとは死にながら感覚で覚えろ」
そうして放たれる極光。ダイナの生命転換の圧力に押されて、タクマの魂は塗りつぶされそうになる。
この圧倒的な力を受けながら死ねばなにかを掴めるだろう。だが、そんななにもできないうちに殺されるというのもタクマには釈だった。
「行くぜ、メディ」
『……はい、マスター』
だから、やってくる光の波に対して剣を構える。その魂を研ぎ澄まし、鋭い刃のようにしたままで。
「ラァッ!」
そうして放たれる魂の大上段。そこには、タクマが認識できていない光があった。
それは僅かなものであったが、ダイナには理解できた。
誰もが持つが、誰もが扱えない原初の属性、生命の属性の基本にして奥義であるあの技を無意識に発動して見せたのだと。
「逸材も逸材だな。まぁ、コイツの場合は……」
そうして自分の手前まで切り裂かれた光波を見る。
それは確かに才能の片鱗であったが、この程度だ。
力量は十分。故にこれは、出力不足に練度不足。
魂を扱う力が圧倒的に足りていない。生命を燃やす在り方にまだ届いていない。
それでは、ゲートはまだ開けない。タクマの中には、まだ大切な鍵が存在していないから。
「あるいは、あったのを思い出せてないのかね?」
そんなことを呟きながら全力を出して崩れ落ちたタクマを担ぎ上げて来た道を戻る。
とりあえず、宿屋にでも放り込んでおくかと適当に考えながら。
骸骨剣士の剣の腕は普通に騎士として戦えるレベルのものだった。それに加えて数が多く、連携も取れている。
この剣士たちが現れたのはダイナ曰く中層あたり。この辺りが現在のタクマの限界のようだった。
「いや、だからってそんな暗殺者みたいな事するかお前」
「いや、じゃないと死ぬじゃないですか」
一度の交錯で力量を認識したタクマは彼の全力を使った騙しと隠形にて隠れて、骸骨を一匹ずつ音もなく殺して回っていっていた。
ダイナやアルフォンスの使っている、存在感のコントロールを戦闘に利用して。
「それで、お前は安全にしていくのか?」
「冗談ですか? それ。死ぬ気で全部出して届かないくらいじゃないと意味がないんでしょう? 魂の成長の為の死線って」
『幸いにもマスターはプレイヤーです。命を懸ける程度はリスクに入らないかと』
「……覚悟決まり過ぎだよお前ら」
『「ありがとうございます」』
そんな言葉に、惜しさを感じながらダイナは先への道を示した。
彼には、足りないものがある。否、一つの方向に尖りすぎたせいで足りないように見えているものがある。
それは、ヒト以外のモノの殺しへの適正。人殺しに尖りすぎているが故に、その技能が磨かれていないのだ。
しかし、ダイナのその観察眼は誤りだったと進むたびに気づかされていく。
進むにつれて、ヒト型でない魔物との相手が増えていく。その暗殺術を魂の、肉体の、あるいは他の道の感覚で察知して反撃してくるようになってくる。
しかし、それら全てに対してダイナの教えた基本に忠実に、しかし己の風の力を十全に活かした戦い方で勝機を作り、破っていった。
その度に戦い方は磨かれていった。ただ一言教わっただけの人外殺しの基本が、タクマの剣理を変化させたのだ。
目の前の化け物を、より確実に殺すために。
「……お前、魔物と戦い始めてどれくらいだ?」
「このゲームが初めてですね。他のゲームはアシストが合わなくてあんまやってないんで」
その言葉にダイナは驚愕する。その通りだ。
なにせ、タクマの剣技は全て経験の積み重ねが生み出した剣理への理解がその強さの源なのだから。
それは、初めてVR剣道をプレイして、最強相手に2千度以上の敗北を糧にして作り上げられた“見て盗む剣”。技を盗み、適応させる鬼の剣。
『一応、人外との戦闘経験はありますね。ロボットゲームでしたが』
「ことごとくお前はあの世界に俺を引き戻そうとするな。俺も好きだけど」
『Ⅱが出たら買って頂けるとの約束、忘れたわけではありませんので』
そして、さまざまなゲームでの戦闘経験が、その基本を十全に活かす土壌を作り出していた。
その姿に、思わず笑みを浮かべるダイナ。
心根はまだ育ちきっていない。しかし、魂は良好であり、剣才は天賦のものだ。
その在り方は、ダイナと名乗るこの男の目的に奇妙なまでに合致していた。
「じゃあ、そろそろ中層も終わりだ。気を引き締めろ。リザードマンは相当にやるぜ?」
「ええ、バッチリ視られてるのを感じます。逃げるつもりはないですけど、逃すつもりもないみたいです」
そう言って、タクマは通路の奥に進む。
そこには階段を塞ぐように立つ影の蜥蜴の騎士とそれに切り捨てられた多くの闇があった。
「■■■■」
その言葉と共に、蜥蜴の騎士には黒ずんだ緑の色が付き、切り捨てられた闇は蜥蜴の剣に吸われていった。
「切った命を取り込んで力に変えるゲートか?」
『準備万端というわけですね』
声にならない咆哮と共に蜥蜴は斬りかかる。その上段は一見力尽くに思えるが、それは恵まれた身体能力を尾をつかってバランスを取って放つ絶技だった。
対してタクマは、行きがけに拾った小石に生命転換を込めてスナップだけで剣に投げる。
生命転換の距離減衰により大した威力にはならなかったが、それでもその直剣に当たった後の事は理解できた。
石は、吸われて消えた。生命転換の基本能力は“吸収”なのだろう。
風の刃による迎撃にもさほど効果はないだろうと知るや、タクマは正面から存在感を前に出したフェイントで斬りかかる。脇構えからの抜き胴だ。
しかし、そのフェイントは見抜かれて上段を溜められた。そして放たれる剣は、確実にタクマの姿を捉えた。
そして、その剣は空を切った。
蜥蜴騎士が見ていたのは、空気のスクリーンの屈折により見せられていた幻影。それにタクマの拡張能力の発音により作られた二つめの幻であった。
タクマは、決して計算尽くでその戦い方をしたわけではない。しかし、その戦法は目の前の騎士相手に最良のモノだった。
それが、タクマの鬼の才覚。あらゆる事が殺す事に特化した人類の異端児。
もしも健康だったなら、もしも道を示されなければ、もしも先生に出会わなければ、そんなもしもがあるのなら間違いなく殺人鬼と化していた少年であるのだ。タクマは。
そして、タクマの抜き胴が決まり、蜥蜴騎士の腹を切り裂いた。
しかし、タクマには違和感があった。
殺した感触がなかったのだ。
故に残心を怠らずに、しっかりと剣を構えて蜥蜴騎士を見た。
その体は半ば千切れていたというのに、闇が包むとともにその姿は元に戻った。
再生能力のようだ。その現象をタクマは見たことがある。それは天狼シリウスの再生と同じモノ。
故に、殺し続ければいずれ死ぬ。その覚悟で構えた剣に次への力を込める。
すると、不思議と蜥蜴騎士からの雑味のあるプレッシャーが消えた。そして、鋭い剣気がそれ以上の鋭さで叩きつけられてきた。
もう小細工は通じないだろう。そしてもう向こうも小細工をするつもりはないだろう。
それがわかるほどに、澄んだ剣気だった。
「剣士ダイナが弟子。タクマ」
「■■■■■」
互いに、意味が通じるかもわからない名乗りを上げる。それが礼儀だと、タクマの心が感じだからだ。
そして、互いに剣を振るう。
蜥蜴騎士の剣は一撃必殺。触れたモノの魂を喰らい尽くす吸魂の剣。
対してタクマの剣も一撃必殺。風の剣はあらゆる守りを切り裂き致命傷を与える。
そんな二つの一撃必殺は、剣が剣に当たれば良いだけの蜥蜴騎士が優勢だった。
しかし、優勢止まりだった。タクマは、もうその剣の理を見切り始めている。体全体を自由に使った一撃の剣。それは当たれば良いだけのような毒使いの剣ではなく、インパクトが必要であるということの裏返し。
故に、躱し続け見切り続けたタクマは、ついに剣を合わせる。蜥蜴騎士の剣がトップスピードに乗る前に、自身の剣に纏わせた魂の風で。
その風の過半は剣に吸われたが、その残りの力は剣を弾くに値するものだった。
だが、魂を吸われる感覚はタクマの心に傷を与える。それは奇しくも1周目にタクマを殺した暗殺者の痛みを与える力に似たものだった。
だからこそ、タクマはもう躊躇わない。
痛みは、ダメージの証。それを蔑ろにするわけでは決してない。
しかし、タクマはどんなにそれが強くても、もう同じ死に方はしない。痛みを受け入れてその上で可能な行動を行えるように己を再定義したのだ。
だから、魂が抜かれる程度の痛みで命を奪うチャンスを捨てたりはしない。
その覚悟が、剣を弾かれた蜥蜴騎士より一手先んじた。
剣は騎士の首を断ち切った。そして、そこから繋げる連続剣にて再生が追いつかないほどに細切れにして、その命を断ち切った。
鬼子と蜥蜴騎士、その殺し合いはこれにて決着である。
■□■
「じゃあ、とりあえずここまでだ。準備運動はな」
「……スパルタは好きですよ、コレでも」
『マスター、十分な休息を』
そんな強がりを吐くことしかできないくらいには、今のタクマは崩れ落ちそうだった。
それもそうだ。魂へのダメージは、肉体というフィルターを通さない分重いのだ。痛みの質が。
だからこそ、折れない。友のために強くなりたいから。
「なに、取って食おうってわけじゃない。今回の戦いでお前に何が足りないかは見えただろ?」
「……ゲートの、存在ですか」
「そうだ。だから、手っ取り早く起こす。幸いにもお前はもう開きかけてる。あとは死にながら感覚で覚えろ」
そうして放たれる極光。ダイナの生命転換の圧力に押されて、タクマの魂は塗りつぶされそうになる。
この圧倒的な力を受けながら死ねばなにかを掴めるだろう。だが、そんななにもできないうちに殺されるというのもタクマには釈だった。
「行くぜ、メディ」
『……はい、マスター』
だから、やってくる光の波に対して剣を構える。その魂を研ぎ澄まし、鋭い刃のようにしたままで。
「ラァッ!」
そうして放たれる魂の大上段。そこには、タクマが認識できていない光があった。
それは僅かなものであったが、ダイナには理解できた。
誰もが持つが、誰もが扱えない原初の属性、生命の属性の基本にして奥義であるあの技を無意識に発動して見せたのだと。
「逸材も逸材だな。まぁ、コイツの場合は……」
そうして自分の手前まで切り裂かれた光波を見る。
それは確かに才能の片鱗であったが、この程度だ。
力量は十分。故にこれは、出力不足に練度不足。
魂を扱う力が圧倒的に足りていない。生命を燃やす在り方にまだ届いていない。
それでは、ゲートはまだ開けない。タクマの中には、まだ大切な鍵が存在していないから。
「あるいは、あったのを思い出せてないのかね?」
そんなことを呟きながら全力を出して崩れ落ちたタクマを担ぎ上げて来た道を戻る。
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