64 / 69
第三戦 VSアルフレシャ 自称王女と螺旋の槍
人魚アルフレシャ
しおりを挟む
荒野の西風亭、そこに突然現れたヒトガタ。
その顔は、間違いなく”天仙女アルフレシャ”のものだった。
そんな彼女は、ものすごくどうでもいいこだわりから危機に陥っていた。
財布を、忘れたのである。
「いやちょっと待てや」
「何?」
「律儀に金払って飯食いに来たのかよお前は」
「当然。対価を払わない食事は大罪だから」
『この世界の敵対者とは思えない様子ですね』
「それはただの命令。私はやる気ない」
「『やる気の問題!?』」
「当然」
などと言いつつも、彼女はおもむろにポケットに手を入れると、メキメキっといった音と共に鮮やかな鱗を取り出した。
「そこの人」
「……タクマだ。一体なんだ?」
「私はアルフレシャ。ちょっと売りたいものがある」
そうして、アルフレシャはタクマの手に鱗を握らせる。
その鱗の裏側には、血がついているままだった。
「この鱗あげるから、食事を奢ってほしい」
「せめて血は拭けや」
「人魚の血って、栄養にいいんだよ?」
「……え、そうなの?」
『一応、人魚を食べることで不老不死になれるという言い伝えは現実にも伝わっていますが……』
「さすがにそこまで期待されると困る。けれど元気になるのは確か」
そんな様子に戸惑いを覚えるタクマであったが、その後も力尽くで鱗を押し付けられしぶしぶとその提案を受け入れた。
それは、現在自分が抜剣していないことと、アルフレシャの超パワーの射程に自分たちがいることを考え、ここでの戦闘は避けるべきだという判断からのモノである。
「というわけで女将さん、さっきからいい匂いをさせているそのスープとパンをお願い」
「飲み物はどうすんだい?」
「んー……ビールで」
「昼間かっから他人の金で酒飲むのか……」
「だっておいしいし」
『他人の金で飲む酒は美味しいという奴ですね。私たちに経験はまだありませんが』
などと会話を行うタクマ達。
そこには、敵意も殺意も存在しなかった。
それはアルフレシャの感性と、タクマの戦闘論理と、メディの持抱いた興味が理由だった。
『それでは、アルフレシャ。聞きたいことがあります』
「なに? メディ……だっけ?」
『……あなたはどうしてそんなにも怠惰でいられるのですか? 私と同じ命令で縛られている存在だというのに』
その言葉にアルフレシャは少しだけ考えこんだ後、こう言った。
「だって、今のマスターの事そんなに好きじゃないし」
『好き嫌いの問題で、そう在れるのですか? しっかりと自我を持ち、自身の存在理由を否定しながらも拒絶していないなどという人間のような存在に?』
「うん。私はあいつの”残響”で生み出された存在だけど、それに縛られるだけじゃあ一日に彩りがないじゃん。せっかく生きてるんだから、楽しんで死にたくない?」
『……それは』
「メディ。たぶん考えすぎだ」
「そだね。メディは多分今が噛み合いすぎてるからそんな外れたことを考えるんだと思う。メディは自分を縛っている命令が自分の”やりたいこと”と一致しているから考えたことがなかっただけだと思うよ。──昔は私もそうだったし」
その言葉にメディは押し黙る。メディ自身もそこまで深く悩んでいるわけではないのだ。ただ、メディはこの自由な敵を見て、タクマの心を無視してもタクマの命を守ろうとすること正しいのだろうかと考えてしまっただけなのだから。
「ところで、タクマとメディはなにか食べないの?」
「あいにく、もう食った後だ」
「残念」
それから、タクマたちは他愛のない話をしながら食事をして、店を出た。
メディに浮かんだ悩みは解消したわけではないが、それでこのコンビが戦いに支障をきたすようなことはない。だからこそ、戦いのために抜剣しようとしたその時。
「いたぞ、人魚だ!」
そんな声が突然に響いてくる。そこには、民兵と思わしき装備の整いきっていない集団が、血走った目でアルフレシャを見ていた。
「……今回の周はここまでかな?」
『ここまで、とは?』
「戦いになると私は止まらないタイプだから、皆殺しにするか殺されるかになるんだよ」
そんなことを寂しげに言ったアルフレシャは、息を吸い込み戦闘態勢を整え始めていた。だが、その顔に歓喜の表情はない。どうしようもないことに対しての諦めだけがそこにあった。
『なるほど、つまり』
「お前を戦わせなければいいんだな」
その行動に至った理由は、単純だった。
その諦めが、”殺したいほど気にくわない”だけだった。
アルフレシャを下げて、民兵たちに鋼の剣を向けるタクマ。
「ここから先は通さない。アイツはそのうち殺すけど、アイツが今を過ごしている間だけは俺たちはアルフレシャの側に着く」
『一度止まり、その欲望で血走った頭を冷やしてからお帰りください』
「うるせぇ! そいつの肉を食えば、俺たちは”生き返れる”かもしれないんだよ!」
「大切な誰かが、待ってるんだ!」
「約束があるの! 絶対の絶対に破っちゃいけない大切な約束が!」
「「「だから、そいつを殺させろ!」」」
「交渉決裂だな」
『私たちの話術では、致し方ないことかと』
そうして、民兵である3人を観察する。
武器の質は良質だが、異様な力は感じない。
武器は、ショートソード2人に槍が1人。立ち振る舞いから言って達人というわけではない。
だが、気迫は本物以上だ。意志の力、魂の力が戦いに影響を及ぼすこの世界ではそれは強い武器になる。
だから、生命転換を抜かせないためにタクマは神速で踏み込み、先頭にいたショートソードの男の顎を揺らした。
それに反応したショートソードの女性は、タクマに向けて炎の刃を放ってくる。大振りの大上段だ。
それをダメージ覚悟で剣で受け流し、肘を入れてから柄で頭を殴り飛ばした。
「貰った!」
しかし、その勢いのままでは最後の一人の槍が躱せない。数の暴力とはそういう事だ。一人の処理限界を優に超えてくる。人間相手ならこれほどに有利に働くものはない。
だが、それはその突きが予想されていなければの話である。
タクマは女性の体を足場にして一歩上り、風を踏んでもう一歩高く飛び上がる。そうして突きの射程から逃れたタクマは、そのまま槍使いの背後に着地して、側頭部に柄での打撃を繰り出す。それは入りが浅かったのか気を失わせることはできなかったが、ダメージは与えられた。
それだけで十分なのである。
「逃げるぞアルフレシャ!」
『マスター、先ほど視界に入りましたが街の外への道は民兵や市民によって封鎖されています。逃れるなら内側に」
「この近くで匿ってくれそうな所なんて……あるな」
『はい、せっかくですからドリル様達も巻き込んでしまいましょう』
そうして、アルフレシャの手を引いてドリルの入り浸っている孤児院へと向かうのだった。
その顔は、間違いなく”天仙女アルフレシャ”のものだった。
そんな彼女は、ものすごくどうでもいいこだわりから危機に陥っていた。
財布を、忘れたのである。
「いやちょっと待てや」
「何?」
「律儀に金払って飯食いに来たのかよお前は」
「当然。対価を払わない食事は大罪だから」
『この世界の敵対者とは思えない様子ですね』
「それはただの命令。私はやる気ない」
「『やる気の問題!?』」
「当然」
などと言いつつも、彼女はおもむろにポケットに手を入れると、メキメキっといった音と共に鮮やかな鱗を取り出した。
「そこの人」
「……タクマだ。一体なんだ?」
「私はアルフレシャ。ちょっと売りたいものがある」
そうして、アルフレシャはタクマの手に鱗を握らせる。
その鱗の裏側には、血がついているままだった。
「この鱗あげるから、食事を奢ってほしい」
「せめて血は拭けや」
「人魚の血って、栄養にいいんだよ?」
「……え、そうなの?」
『一応、人魚を食べることで不老不死になれるという言い伝えは現実にも伝わっていますが……』
「さすがにそこまで期待されると困る。けれど元気になるのは確か」
そんな様子に戸惑いを覚えるタクマであったが、その後も力尽くで鱗を押し付けられしぶしぶとその提案を受け入れた。
それは、現在自分が抜剣していないことと、アルフレシャの超パワーの射程に自分たちがいることを考え、ここでの戦闘は避けるべきだという判断からのモノである。
「というわけで女将さん、さっきからいい匂いをさせているそのスープとパンをお願い」
「飲み物はどうすんだい?」
「んー……ビールで」
「昼間かっから他人の金で酒飲むのか……」
「だっておいしいし」
『他人の金で飲む酒は美味しいという奴ですね。私たちに経験はまだありませんが』
などと会話を行うタクマ達。
そこには、敵意も殺意も存在しなかった。
それはアルフレシャの感性と、タクマの戦闘論理と、メディの持抱いた興味が理由だった。
『それでは、アルフレシャ。聞きたいことがあります』
「なに? メディ……だっけ?」
『……あなたはどうしてそんなにも怠惰でいられるのですか? 私と同じ命令で縛られている存在だというのに』
その言葉にアルフレシャは少しだけ考えこんだ後、こう言った。
「だって、今のマスターの事そんなに好きじゃないし」
『好き嫌いの問題で、そう在れるのですか? しっかりと自我を持ち、自身の存在理由を否定しながらも拒絶していないなどという人間のような存在に?』
「うん。私はあいつの”残響”で生み出された存在だけど、それに縛られるだけじゃあ一日に彩りがないじゃん。せっかく生きてるんだから、楽しんで死にたくない?」
『……それは』
「メディ。たぶん考えすぎだ」
「そだね。メディは多分今が噛み合いすぎてるからそんな外れたことを考えるんだと思う。メディは自分を縛っている命令が自分の”やりたいこと”と一致しているから考えたことがなかっただけだと思うよ。──昔は私もそうだったし」
その言葉にメディは押し黙る。メディ自身もそこまで深く悩んでいるわけではないのだ。ただ、メディはこの自由な敵を見て、タクマの心を無視してもタクマの命を守ろうとすること正しいのだろうかと考えてしまっただけなのだから。
「ところで、タクマとメディはなにか食べないの?」
「あいにく、もう食った後だ」
「残念」
それから、タクマたちは他愛のない話をしながら食事をして、店を出た。
メディに浮かんだ悩みは解消したわけではないが、それでこのコンビが戦いに支障をきたすようなことはない。だからこそ、戦いのために抜剣しようとしたその時。
「いたぞ、人魚だ!」
そんな声が突然に響いてくる。そこには、民兵と思わしき装備の整いきっていない集団が、血走った目でアルフレシャを見ていた。
「……今回の周はここまでかな?」
『ここまで、とは?』
「戦いになると私は止まらないタイプだから、皆殺しにするか殺されるかになるんだよ」
そんなことを寂しげに言ったアルフレシャは、息を吸い込み戦闘態勢を整え始めていた。だが、その顔に歓喜の表情はない。どうしようもないことに対しての諦めだけがそこにあった。
『なるほど、つまり』
「お前を戦わせなければいいんだな」
その行動に至った理由は、単純だった。
その諦めが、”殺したいほど気にくわない”だけだった。
アルフレシャを下げて、民兵たちに鋼の剣を向けるタクマ。
「ここから先は通さない。アイツはそのうち殺すけど、アイツが今を過ごしている間だけは俺たちはアルフレシャの側に着く」
『一度止まり、その欲望で血走った頭を冷やしてからお帰りください』
「うるせぇ! そいつの肉を食えば、俺たちは”生き返れる”かもしれないんだよ!」
「大切な誰かが、待ってるんだ!」
「約束があるの! 絶対の絶対に破っちゃいけない大切な約束が!」
「「「だから、そいつを殺させろ!」」」
「交渉決裂だな」
『私たちの話術では、致し方ないことかと』
そうして、民兵である3人を観察する。
武器の質は良質だが、異様な力は感じない。
武器は、ショートソード2人に槍が1人。立ち振る舞いから言って達人というわけではない。
だが、気迫は本物以上だ。意志の力、魂の力が戦いに影響を及ぼすこの世界ではそれは強い武器になる。
だから、生命転換を抜かせないためにタクマは神速で踏み込み、先頭にいたショートソードの男の顎を揺らした。
それに反応したショートソードの女性は、タクマに向けて炎の刃を放ってくる。大振りの大上段だ。
それをダメージ覚悟で剣で受け流し、肘を入れてから柄で頭を殴り飛ばした。
「貰った!」
しかし、その勢いのままでは最後の一人の槍が躱せない。数の暴力とはそういう事だ。一人の処理限界を優に超えてくる。人間相手ならこれほどに有利に働くものはない。
だが、それはその突きが予想されていなければの話である。
タクマは女性の体を足場にして一歩上り、風を踏んでもう一歩高く飛び上がる。そうして突きの射程から逃れたタクマは、そのまま槍使いの背後に着地して、側頭部に柄での打撃を繰り出す。それは入りが浅かったのか気を失わせることはできなかったが、ダメージは与えられた。
それだけで十分なのである。
「逃げるぞアルフレシャ!」
『マスター、先ほど視界に入りましたが街の外への道は民兵や市民によって封鎖されています。逃れるなら内側に」
「この近くで匿ってくれそうな所なんて……あるな」
『はい、せっかくですからドリル様達も巻き込んでしまいましょう』
そうして、アルフレシャの手を引いてドリルの入り浸っている孤児院へと向かうのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
チート魔力を持ったせいで世界を束ねる管理者に目を付けられたが、巻き込まれたくないので金稼ぎします
桜桃-サクランボ-
ファンタジー
金さえあれば人生はどうにでもなる――そう信じている二十八歳の守銭奴、鏡谷知里。
交通事故で意識が朦朧とする中、目を覚ますと見知らぬ異世界で、目の前には見たことがないドラゴン。
そして、なぜか“チート魔力持ち”になっていた。
その莫大な魔力は、もともと自分が持っていた付与魔力に、封印されていた冒険者の魔力が重なってしまった結果らしい。
だが、それが不幸の始まりだった。
世界を恐怖で支配する集団――「世界を束ねる管理者」。
彼らに目をつけられてしまった知里は、巻き込まれたくないのに狙われる羽目になってしまう。
さらに、人を疑うことを知らない純粋すぎる二人と行動を共にすることになり、望んでもいないのに“冒険者”として動くことになってしまった。
金を稼ごうとすれば邪魔が入り、巻き込まれたくないのに事件に引きずられる。
面倒ごとから逃げたい守銭奴と、世界の頂点に立つ管理者。
本来交わらないはずの二つが、過去の冒険者の残した魔力によってぶつかり合う、異世界ファンタジー。
※小説家になろう・カクヨムでも更新中
※表紙:あニキさん
※ ※がタイトルにある話に挿絵アリ
※月、水、金、更新予定!
魔力ゼロの落ちこぼれ貴族、神々のエラーメッセージが読めるようになる~「神罰」のシステム権限で学園無双しつつ、本人だけはただのデバッグ作業だと
蒼月よる
ファンタジー
魔法(ナノマシン干渉)が使えず、名門アルマンド家の恥晒しとされた三男アッシュ。
実技試験に落ちて旧図書棟の掃除をさせられていた彼は、謎の遺物(管理デバイス)に触れたことで、世界の最高管理者権限(デバッガー権限)を手に入れてしまう。
「魔法」とは環境中の魔素を操作する事象。そして「神の奇跡」とは環境管理AIの気まぐれであるこの世界において。
アッシュの目には、相手の放つ魔法が単なる『不正なプロセスのエラーログ』として映り、頭の中で『YES(強制終了パッチ)』を選択するだけで完全に消去できるようになったのだ!
一切の詠唱も魔力発生も伴わずに、同級生の最大魔法をフッと消し去り、暴走する巨大魔物をワンボタンで光の粒子に還元するアッシュ。
本人はただ「うるさい警告文が出たからOKを押してデバッグ(人助け)しているだけ」のつもりなのだが……。
これは、エラーログを消しているだけの落ちこぼれ少年が、王都の至高魔法学園で「神の奇跡を下す聖者」として盛大に勘違いされながら成り上がっていく、痛快無双ファンタジー!
この作品は以下の箇所にAI(Claude Code)を利用しています。
・世界観・設定の管理補助
・プロット段階の壁打ち
・作者による執筆後の校正
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
ダンジョンをある日見つけた結果→世界最強になってしまった
仮実谷 望
ファンタジー
いつも遊び場にしていた山である日ダンジョンを見つけた。とりあえず入ってみるがそこは未知の場所で……モンスターや宝箱などお宝やワクワクが溢れている場所だった。
そんなところで過ごしているといつの間にかステータスが伸びて伸びていつの間にか世界最強になっていた!?
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
【超速爆速レベルアップ】~俺だけ入れるダンジョンはゴールドメタルスライムの狩り場でした~
シオヤマ琴@『最強最速』発売中
ファンタジー
ダンジョンが出現し20年。
木崎賢吾、22歳は子どもの頃からダンジョンに憧れていた。
しかし、ダンジョンは最初に足を踏み入れた者の所有物となるため、もうこの世界にはどこを探しても未発見のダンジョンなどないと思われていた。
そんな矢先、バイト帰りに彼が目にしたものは――。
【自分だけのダンジョンを夢見ていた青年のレベリング冒険譚が今幕を開ける!】
オッサン齢50過ぎにしてダンジョンデビューする【なろう100万PV、カクヨム20万PV突破】
山親爺大将
ファンタジー
剣崎鉄也、4年前にダンジョンが現れた現代日本で暮らす53歳のおっさんだ。
失われた20年世代で職を転々とし今は介護職に就いている。
そんな彼が交通事故にあった。
ファンタジーの世界ならここで転生出来るのだろうが、現実はそんなに甘く無い。
「どうしたものかな」
入院先の個室のベッドの上で、俺は途方に暮れていた。
今回の事故で腕に怪我をしてしまい、元の仕事には戻れなかった。
たまたま保険で個室代も出るというので個室にしてもらったけど、たいして蓄えもなく、退院したらすぐにでも働かないとならない。
そんな俺は交通事故で死を覚悟した時にひとつ強烈に後悔をした事があった。
『こんな事ならダンジョンに潜っておけばよかった』
である。
50過ぎのオッサンが何を言ってると思うかもしれないが、その年代はちょうど中学生くらいにファンタジーが流行り、高校生くらいにRPGやライトノベルが流行った世代である。
ファンタジー系ヲタクの先駆者のような年代だ。
俺もそちら側の人間だった。
年齢で完全に諦めていたが、今回のことで自分がどれくらい未練があったか理解した。
「冒険者、いや、探索者っていうんだっけ、やってみるか」
これは体力も衰え、知力も怪しくなってきて、ついでに運にも見放されたオッサンが無い知恵絞ってなんとか探索者としてやっていく物語である。
注意事項
50過ぎのオッサンが子供ほどに歳の離れた女の子に惚れたり、悶々としたりするシーンが出てきます。
あらかじめご了承の上読み進めてください。
注意事項2 作者はメンタル豆腐なので、耐えられないと思った感想の場合はブロック、削除等をして見ないという行動を起こします。お気を悪くする方もおるかと思います。予め謝罪しておきます。
注意事項3 お話と表紙はなんの関係もありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる