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第二章

32.

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 俺とカラミラは、数分歩いて、ふと聞いてみた。

「なぁ、お前ってこれからどうすんの?」
「え?私ですか?」
「一応さ、勝手に助手ってことにしてるけどさ、嫌なら嫌でやめてもらって構わないんだよ?」
「いや……」
「これまでにだって、何人もの助手を取ってきたんだ。探偵見習いだってその中には、いたかな。でも、そいつら全員、辞めていった。なんでだと思う?」
「それは、きつかったからでは?」
「それもあるかもしれないね。でも、一番の原因は、俺にあったんだ。それは、迷宮探偵という称号でね。この称号を持っているとやたら、事件に絡まれやすいんだ。それでね、何度も死にかけた。そいつらは。だから、やめていったのかな?って俺は、思ってる」

 俺は、そう言って、息切れを起こしそうだったので息を吸った。

「ま、こんな長々と話してもどうしようも……」
「私を助手にしてください」
「……」
「知識もないし、戦うこともそこまでできないけど……」

 そして、彼女は、嬉しそうに笑って、

「あなたのおかげでこんなに美しい世界を見ることができたのですから」

 そう言った。
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