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第三章

66.

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「では、和解をするということで勇者の話から始めて、無理だったら、服従という案で進めよう」
「わかりました」
 俺は、和解というものを知らない。
 というのも、俺は、昔から強かったため、喧嘩を打ってくるものが少なく、さらに、全力で戦いたいというものが多かったため若いというものを俺は、知らない。
 というより、和解をしたことがないというのが正しいと思う。
 だから、和解を知らないのだと。
「なぁ、ヘスティア、和解ってなんだ?」
「和解ですか?」
「あぁ」
「えーと、たしか、戦争をやめて、仲良くすることだったと思います。相手に危害を加えたりとかは、せずにという話ですけどね」
 なるほど、相手に着替えを加えずに仲良くすればいいのか。
「……」
 残念ながら、俺に、それができるのか。
 人間とは、時に残酷だ。
 自分のためであれば、どんなものだって失ったって構わないという感じだ。
 それは、勇者だって一緒だろう。
 自分が魔王を倒すためなら、自然を壊したって、人間を殺したって、なんだっていいと思っている連中に違いない。
 大昔の竜だって同じ思想を持っていたのだから、人間が持っていて当然のはずだ。
「和解が本当にできるのか?」
「といいますと?」
「和解は、仲良くすることであるのだろ?ということは、仲良くするということが大前提にある。しかし、人間は、魔族を平気な顔で殺したり、そこまでいかなくても、ボコボコにしたりするんじゃないのか?だって、大昔の竜だって仲間を殺すのが当たり前であるような振る舞いをしていたでは、ないか。なら、人間が同じ思想を持っていたってなんらおかしいことはない」
 俺は、そこまで言って、ヘスティアに少し感心した。
 今回は、相槌を打たなかったことに関して。

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 前話は、間違って更新しちゃいましたので、もう一話更新します。
 リアルが忙しくなくなり次第早急に書きますので、もうしばらくお待ちください。
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