9 / 12
女子高生『川海 晴香』の夢
しおりを挟む
それは晴香が静かに寝息をを立てている夜のこと。光り輝く月ですらその顔を雲に隠して眠り、風でさえ息を潜めて動かない。そんな中、暗い存在が鋭い笑みを浮かべながら眠れる少女の元へと迫る。可愛らしい寝顔を見つめたそれは笑みの鋭さを艶やかな妖しいものへと変えた。そして少女の髪に触れ、顔を近付けていく。雲は動き、月から注がれるかすかな明かりは闇に影に包み隠されていた存在の正体を暴いた。それは紛れもなく天音の顔だった。
☆
日がすっかり地へと溺れきってしまった空は闇に包まれて、泡のような小さな星が空の海にきらめいていた。空の海の底に押し込まれたような人類、泳ぐこともできずに暗くて昏い海底社会を人々が死んだような顔で、心をすり減らしながら生きている中、この社会の中である瞬間に溺れている女がいた。
日本酒の瓶を持ち上げて檜の枡に中の液体を注ぐ。注がれた酒の香りを堪能し、塩を指でつまみ、上を向いて口の中へと落として酒を口へと運ぶ。
「あぁ、アタシにとっての贅沢はまさにこれ……贅沢は素敵だ」
枡に注がれた水とはまた違った独特な透明、味、香り、温度、鼻を頭を通るアルコールの感覚、荒々しく喉を擦りながら通る刺激の強い神聖なる水、内側から湧いてくる激しく暴れるぬめりを持った感情と艶やかな表情を滲み出して顔を彩る化粧のような熱、そして舌に残る余韻。塩をつまみに日本酒の魅力を余すことなく堪能しながら目の端に愛する少女の赤い顔を捉えた。
「晴香、アンタも飲みな、絶対損はさせないよ。そんな感情心の奥底の絶対零度の地に囚われて一歩たりとも動かなくなるから」
酔っ払いの天音に声をかけられてもなお、否、より一層顔を赤くして動かない。酔っ払いと今の晴香のどちらの方が顔が赤いのだろうか。分からない、分かる人などここにはいない。酔っ払いと動揺している人しかいないのだから。
晴香は震える口を開いて重苦しい圧を耐え抜いて、どうにか言葉を絞り出す。
「わ……私、未成年」
「分かってる。そんなアンタにほうら、甘酒さ」
甘酒のふたを開けて大きな赤漆の杯に注ぐ。蛍光灯の光に照れされガラス質の輝きを放つ鮮やかな赤の器に白くて甘いものが注がれ溜まりゆく。
「ほうれ、召し上がれ」
艶めかしく動く唇と大人を感じさせる低く落ち着いた声を耳にした晴香は背筋を伸ばして緊張を見せる、あまりにもうぶな態度、晴香の恥ずかし気に眉をひそめ弱々しさと生まれたての色気に天音は魅せられていた。
「どうしたんだい? アタシがアンタになにかしたとでも仰る?」
晴香の全身に火照るような想いが巡り衝動が身体を突き動かす。手は突き出されて天音の身体を突き飛ばそうとしていた。手が身体に触れた途端、晴香は動揺していた。手は震えて力は抜け、天音の身体から離れる。
普段の晴香からあまりにもかけ離れた態度に天音はひとつ、訊ねた。
「もしやしてアンタ、また妖怪ていくあうとして来た?」
ただ頷く晴香を瞳に収めて大きなため息をついた。
「全く、仕方のない子だねアンタは」
黒い帯を巻いた白い和服を着た女は桝に注いだ酒を飲みながら話を聞いていた。そんな仕草があまりにも似合っていた。制服を着た少女が杯をもって話す姿、ブレザーと大きな目とふっくらとした頬が可愛らしい晴香の顔、そんな晴香の髪を結う色あせた紫色のリボンは適度な若々しさを秘めていて、すべてが不釣り合いである少女が杯を持つ。これもまた不釣り合いなものであった。
「何もかもがちぐはぐなのに可愛いなんてズルいねアンタは」
天音の好きな人自慢を好きな人本人に言って聞かせながら晴香の悩みを聞いていた。
曰く、最近人には言えないようなイヤらしい夢を見るらしい。晴香と天音がベッドに入ってどうだのこうだの、顔を赤くして熱で頬を染めて詳しくは語らないものの、良からぬ怪異に良からぬものを見せられていることだけは間違いなかった。
天音は推測、否、即座に断定した。
「夢魔ね、インキュバスなのやら女の子どうしの恋が好きなサキュバスなのやら分かりやしないのだけれども、その辺のなにか……今日はウチに泊まっていきな」
その言葉を耳にして恥ずかしそうに顔を塞ぐ晴香。
――分かってる、アンタの想いは
人の頭の中で勝手に繰り広げられる見ていられないようなある種の悪夢、人の許しを請うことすらしないで覗き込む行い。
「わいせつ罪とプライバシーの侵害……情状酌量の余地などありやしないね」
断罪の意志を胸に置いた天音の表情は本気そのものだった。
☆
それからどれだけの時が過去へと流されて行っただろう。天音が見張るベッドで眠ろうとするも思い出してしまっては顔が熱くなり心の波は大荒れとなる。眠れぬ悪夢の夜、といったところだろうか。なんと晴香の隣りでは椅子に座った天音が瞳を閉じて意識を闇に落としてしまっていた。次にその意識を拾い上げるのはいつのことであろうか、眠らなければ現れない存在を祓うために起きていたはずの天音が先に眠るという本末転倒なこの状協に晴香は思わず笑っていた。
――お酒の飲みすぎだよ、天音
今夜は解決できないと分かった晴香は落胆しつつも安心を得て天音の後を追うように静かに眠りの闇に落ちた。
天音は目を開く。夢魔が見せる背徳的な夢のヒロインである自身が起きていては安心して眠ることなどできないであろう。頭では分かっていても激しく揺り動く感情を操ることなど本人であってもできることではないのだから。狸寝入りで誤魔化し晴香に眠ることのできるだけの安心感を与えた天音は晴香のあどけない寝顔を熱の入った視線で見つめ愛しさ全開の卑しい表情で微笑む。
――狸寝入りだなんてね、知り合いに狸いるのだけど……キヌ寝入り、的な
冗談を心に仕舞っておいて晴香を観察し続ける。何がでてくるのか何もでてこないのかふたつにひとつ、天音は生唾を飲み込む。
数秒の経過のうちに数分過ごしたような気分を緊張を携えて味わう。解決できるのだろうか、不安は頭を揺らして体をふらつかせる。
来るか来ないか来ないのか、来ない来ない現れない。
不安に支配されかけた天音だったが、ついに晴香の内から何かが現れた。その姿は天音がよく知るあの姿、天音の姿そのものだ。
――アタシの姿だなんて晴香アンタそんなにアタシのこと
サキュバス、それは憑いた人の愛する人の姿をして現れた。
「んんと、今日も女の子同士のいいもの補給しなくちゃね」
サキュバスの妄想、それを具現化するべく晴香の頭に描き始める。それを簡単に許す天音ではなかった。
「他人様の頭で勝手に実在人物同士の恋愛妄想してんじゃないよ、著作権違反め!」
自身と同じ顔をした化け物を扇子で叩き吹き飛ばす。罪人サキュバスは天音と同じ口から出たとは思えない可愛らしい悲鳴を上げながら暗闇の彼方、散りばめられた星と同化して消えていった。
☆
日がすっかり地へと溺れきってしまった空は闇に包まれて、泡のような小さな星が空の海にきらめいていた。空の海の底に押し込まれたような人類、泳ぐこともできずに暗くて昏い海底社会を人々が死んだような顔で、心をすり減らしながら生きている中、この社会の中である瞬間に溺れている女がいた。
日本酒の瓶を持ち上げて檜の枡に中の液体を注ぐ。注がれた酒の香りを堪能し、塩を指でつまみ、上を向いて口の中へと落として酒を口へと運ぶ。
「あぁ、アタシにとっての贅沢はまさにこれ……贅沢は素敵だ」
枡に注がれた水とはまた違った独特な透明、味、香り、温度、鼻を頭を通るアルコールの感覚、荒々しく喉を擦りながら通る刺激の強い神聖なる水、内側から湧いてくる激しく暴れるぬめりを持った感情と艶やかな表情を滲み出して顔を彩る化粧のような熱、そして舌に残る余韻。塩をつまみに日本酒の魅力を余すことなく堪能しながら目の端に愛する少女の赤い顔を捉えた。
「晴香、アンタも飲みな、絶対損はさせないよ。そんな感情心の奥底の絶対零度の地に囚われて一歩たりとも動かなくなるから」
酔っ払いの天音に声をかけられてもなお、否、より一層顔を赤くして動かない。酔っ払いと今の晴香のどちらの方が顔が赤いのだろうか。分からない、分かる人などここにはいない。酔っ払いと動揺している人しかいないのだから。
晴香は震える口を開いて重苦しい圧を耐え抜いて、どうにか言葉を絞り出す。
「わ……私、未成年」
「分かってる。そんなアンタにほうら、甘酒さ」
甘酒のふたを開けて大きな赤漆の杯に注ぐ。蛍光灯の光に照れされガラス質の輝きを放つ鮮やかな赤の器に白くて甘いものが注がれ溜まりゆく。
「ほうれ、召し上がれ」
艶めかしく動く唇と大人を感じさせる低く落ち着いた声を耳にした晴香は背筋を伸ばして緊張を見せる、あまりにもうぶな態度、晴香の恥ずかし気に眉をひそめ弱々しさと生まれたての色気に天音は魅せられていた。
「どうしたんだい? アタシがアンタになにかしたとでも仰る?」
晴香の全身に火照るような想いが巡り衝動が身体を突き動かす。手は突き出されて天音の身体を突き飛ばそうとしていた。手が身体に触れた途端、晴香は動揺していた。手は震えて力は抜け、天音の身体から離れる。
普段の晴香からあまりにもかけ離れた態度に天音はひとつ、訊ねた。
「もしやしてアンタ、また妖怪ていくあうとして来た?」
ただ頷く晴香を瞳に収めて大きなため息をついた。
「全く、仕方のない子だねアンタは」
黒い帯を巻いた白い和服を着た女は桝に注いだ酒を飲みながら話を聞いていた。そんな仕草があまりにも似合っていた。制服を着た少女が杯をもって話す姿、ブレザーと大きな目とふっくらとした頬が可愛らしい晴香の顔、そんな晴香の髪を結う色あせた紫色のリボンは適度な若々しさを秘めていて、すべてが不釣り合いである少女が杯を持つ。これもまた不釣り合いなものであった。
「何もかもがちぐはぐなのに可愛いなんてズルいねアンタは」
天音の好きな人自慢を好きな人本人に言って聞かせながら晴香の悩みを聞いていた。
曰く、最近人には言えないようなイヤらしい夢を見るらしい。晴香と天音がベッドに入ってどうだのこうだの、顔を赤くして熱で頬を染めて詳しくは語らないものの、良からぬ怪異に良からぬものを見せられていることだけは間違いなかった。
天音は推測、否、即座に断定した。
「夢魔ね、インキュバスなのやら女の子どうしの恋が好きなサキュバスなのやら分かりやしないのだけれども、その辺のなにか……今日はウチに泊まっていきな」
その言葉を耳にして恥ずかしそうに顔を塞ぐ晴香。
――分かってる、アンタの想いは
人の頭の中で勝手に繰り広げられる見ていられないようなある種の悪夢、人の許しを請うことすらしないで覗き込む行い。
「わいせつ罪とプライバシーの侵害……情状酌量の余地などありやしないね」
断罪の意志を胸に置いた天音の表情は本気そのものだった。
☆
それからどれだけの時が過去へと流されて行っただろう。天音が見張るベッドで眠ろうとするも思い出してしまっては顔が熱くなり心の波は大荒れとなる。眠れぬ悪夢の夜、といったところだろうか。なんと晴香の隣りでは椅子に座った天音が瞳を閉じて意識を闇に落としてしまっていた。次にその意識を拾い上げるのはいつのことであろうか、眠らなければ現れない存在を祓うために起きていたはずの天音が先に眠るという本末転倒なこの状協に晴香は思わず笑っていた。
――お酒の飲みすぎだよ、天音
今夜は解決できないと分かった晴香は落胆しつつも安心を得て天音の後を追うように静かに眠りの闇に落ちた。
天音は目を開く。夢魔が見せる背徳的な夢のヒロインである自身が起きていては安心して眠ることなどできないであろう。頭では分かっていても激しく揺り動く感情を操ることなど本人であってもできることではないのだから。狸寝入りで誤魔化し晴香に眠ることのできるだけの安心感を与えた天音は晴香のあどけない寝顔を熱の入った視線で見つめ愛しさ全開の卑しい表情で微笑む。
――狸寝入りだなんてね、知り合いに狸いるのだけど……キヌ寝入り、的な
冗談を心に仕舞っておいて晴香を観察し続ける。何がでてくるのか何もでてこないのかふたつにひとつ、天音は生唾を飲み込む。
数秒の経過のうちに数分過ごしたような気分を緊張を携えて味わう。解決できるのだろうか、不安は頭を揺らして体をふらつかせる。
来るか来ないか来ないのか、来ない来ない現れない。
不安に支配されかけた天音だったが、ついに晴香の内から何かが現れた。その姿は天音がよく知るあの姿、天音の姿そのものだ。
――アタシの姿だなんて晴香アンタそんなにアタシのこと
サキュバス、それは憑いた人の愛する人の姿をして現れた。
「んんと、今日も女の子同士のいいもの補給しなくちゃね」
サキュバスの妄想、それを具現化するべく晴香の頭に描き始める。それを簡単に許す天音ではなかった。
「他人様の頭で勝手に実在人物同士の恋愛妄想してんじゃないよ、著作権違反め!」
自身と同じ顔をした化け物を扇子で叩き吹き飛ばす。罪人サキュバスは天音と同じ口から出たとは思えない可愛らしい悲鳴を上げながら暗闇の彼方、散りばめられた星と同化して消えていった。
0
あなたにおすすめの小説
夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い
青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。
神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。
もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。
生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。
過去世と同じ轍を踏みたくない……
つまらない妃と呼ばれた日
柴田はつみ
恋愛
公爵令嬢リーシャは政略結婚で王妃に迎えられる。だが国王レオニスの隣には、幼馴染のセレスが“当然”のように立っていた。祝宴の夜、リーシャは国王が「つまらない妃だ」と語る声を聞いてしまい、心を閉ざす。
舞踏会で差し出された手を取らず、王弟アドリアンの助けで踊ったことで、噂は一気に燃え上がる――「王妃は王弟と」「国王の本命は幼馴染」と。
さらに宰相は儀礼と世論を操り、王妃を孤立させる策略を進める。監視の影、届かない贈り物、すり替えられた言葉、そして“白薔薇の香”が事件現場に残る冤罪の罠。
リーシャは微笑を鎧に「今日から、王の隣に立たない」と決めるが、距離を取るほど誤解は確定し、王宮は二人を引き裂いていく。
――つまらない妃とは、いったい誰が作ったのか。真実が露わになった時、失われた“隣”は戻るのか。
僕は君を思うと吐き気がする
月山 歩
恋愛
貧乏侯爵家だった私は、お金持ちの夫が亡くなると、次はその弟をあてがわれた。私は、母の生活の支援もしてもらいたいから、拒否できない。今度こそ、新しい夫に愛されてみたいけど、彼は、私を思うと吐き気がするそうです。再び白い結婚が始まった。
三十年後に届いた白い手紙
RyuChoukan
ファンタジー
三十年前、帝国は一人の少年を裏切り者として処刑した。
彼は最後まで、何も語らなかった。
その罪の真相を知る者は、ただ一人の女性だけだった。
戴冠舞踏会の夜。
公爵令嬢は、一通の白い手紙を手に、皇帝の前に立つ。
それは復讐でも、告発でもない。
三十年間、辺境の郵便局で待ち続けられていた、
「渡されなかった約束」のための手紙だった。
沈黙のまま命を捨てた男と、
三十年、ただ待ち続けた女。
そして、すべてを知った上で扉を開く、次の世代。
これは、
遅れて届いた手紙が、
人生と運命を静かに書き換えていく物語。
「君は有能すぎて可愛げがない」と婚約破棄されたので、一晩で全ての魔法結界を撤去して隣国へ行きます。あ、維持マニュアルは燃やしました。
しょくぱん
恋愛
「君の完璧主義には反吐が出る」――婚約者の第一王子にそう告げられ、国外追放を命じられた聖女エルゼ。彼女は微笑み、一晩で国中の魔法結界を撤去。さらに「素人でも直せる」と嘘を吐かれた維持マニュアルを全て焼却処分した。守護を失いパニックに陥る母国を背に、彼女は隣国の軍事帝国へ。そこでは、彼女の「可愛くない」技術を渇望する皇帝が待っていた。
これが普通なら、獣人と結婚したくないわ~王女様は復讐を始める~
黒鴉そら
ファンタジー
「私には心から愛するテレサがいる。君のような偽りの愛とは違う、魂で繋がった番なのだ。君との婚約は破棄させていただこう!」
自身の成人を祝う誕生パーティーで婚約破棄を申し出た王子と婚約者と番と、それを見ていた第三者である他国の姫のお話。
全然関係ない第三者がおこなっていく復讐?
そこまでざまぁ要素は強くないです。
最後まで書いているので更新をお待ちください。6話で完結の短編です。
王様の恥かきっ娘
青の雀
恋愛
恥かきっ子とは、親が年老いてから子供ができること。
本当は、元気でおめでたいことだけど、照れ隠しで、その年齢まで夫婦の営みがあったことを物語り世間様に向けての恥をいう。
孫と同い年の王女殿下が生まれたことで巻き起こる騒動を書きます
物語は、卒業記念パーティで婚約者から婚約破棄されたところから始まります
これもショートショートで書く予定です。
はじめまして、私の知らない婚約者様
有木珠乃@『ヒロ弟』コミカライズ配信中
ファンタジー
ミルドレッド・カーマイン公爵令嬢は突然、学園の食堂で話しかけられる。
見覚えのない男性。傍らには豊満な体型の女性がいる。
けれどその女性から発せられた男性の名前には、聞き覚えがあった。
ミルドレッドの婚約者であるブルーノ王子であることを。
けれどミルドレッドの反応は薄い。なぜなら彼女は……。
この世界を乙女ゲームだと知った人々による、悪役令嬢とヒロイン、魔女の入れ替え話です。
悪役令嬢を救いたかったはずなのに、どうしてこんなことに?
※他サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる