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(野菜狂信者は)何とか肉食できんのか?
グリルのお土産・金属の相場添え
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何とかジョニーさんに言われた分のアンドゥイユは作れたが、ベーコンと平行してやるのは流石に疲れた。
しかもスタッファーはまだ使えそうだが酷使したせいでミンサーが逝ってしまったからな……次は鉄より頑丈な金属で作ろう。
まあ一仕事が終わって何時もなら多少はのんびりする所だが期限がギリギリだからすぐに渡さねばならん。
こういう時に限って自分で行く羽目になるんだよな……距離は近いからいいけど。
「……オーケー、最高の出来だ」
「……ふぅ」
作るのも大分慣れたが流石に出来を見て貰う時は緊張する。
でも合格は貰えた様で安心したぜ。
「しかし本当にいい出来だぜ、ボーイはアンドゥイユ作りの才能がある様だな」
「出来れば売れ筋のベーコンを褒めて欲しいんだが」
「ハハハ、ボーイのベーコンを褒めるにはまだ修行が足りないな」
ちくしょう、だがジョニーさんは他の誰よりもダニエルさんのベーコンを食っている……満足させるにはまだ掛かりそうだな。
「おっと、先に言っておかなきゃな……例の式だが作るのはベーコン・エクスプロージョンのアンチョビソースだ」
「魚をソースに使うのか?」
珍しいな……ジョニーさんは肉と魚を1つの料理にするのには抵抗があるとか言ってたのに。
クラムチャウダーにはベーコンを入れてたろって?
ベーコンは調味料だからいいんだ。
「カーニズのガールとペスカタ生まれの領主の結婚を祝うならこれがベストだろう」
まあアンチョビソースは豚の挽肉のみで作るハンバーグによく合うからな、それをベーコン・エクスプロージョンに使うんだから不味い訳がない。
って中に詰めるソーセージはやっぱり俺が作るんだろうなぁ……必要ならやるけど。
「安心しろ、ソーセージは俺が用意してやる」
「マジか、助かるけどいいのか?」
「ま、ボーイには式までにビーフのベーコンを100は用意して貰わなきゃならんからな……それぐらいはやってやるさ」
そんなに使うのか!?
……マレスのお陰でサーマの買取の量が減ってるから用意できなくはないけど、来月の取り分は減りそうだな。
禁酒中でそんなに使う事がないからいいけど。
よし、帰宅。
ウシのベーコンは2日あれば用意できるから問題ないが当日は物凄く忙しくなりそうだな。
出発は3日後……となれば今日だけはのんびりしつつキャリと遊んでやろう、てかする。
「お、やっと来たっすねウメオっち!」
「……何で街長になったグリルがここに居るんだ?」
「前街長の結婚式に呼ばれたからに決まってるっすよ、ついでに当日までお世話になるっす」
出発までの3日間ずっと居座るつもりかお前は……
飯を出すぐらいなら構わんが寝泊まりまでするのは遠慮しろ。
「あ、頼まれてたコメ酒とは別にウメオっちが好きなラズのワイン、それとイチゴっちにバナの実を持って来たっすけど」
「夕飯と朝飯にリクエストはあるか?」
掌返しは自覚しているがラズベリーのワインがあるなら仕方ない。
あれはこのグリルが治めてる街でなきゃ作ってないんだ。
「夕飯はまたアバラのお肉で朝はあのベラバーガーっていうのをお願いするっす!」
こいつは本当にベラバーガーを気に入ったらしいな……
ミンサーが壊れてるんだが仕方ない、間に合わせでまた鉄屑を金属加工して……式とジョニーさんとの一杯が終わったらまた魔鉄を買い取って作るか。
いや待てよ、確かこの世界だと包丁はミスリルとやらで作るんだよな?
それなら歯こぼれしたか折れた包丁でも集めて作ってみるのもいいかもしれん。
……問題は値段だが、俺の所持金で買えるだろうか?
「……マリア、この世界の包丁って幾らぐらいするんだ?」
「1本で300バラン、折れたり歯こぼれしたので100バランぐらい……因みにお鍋の新品は3000バランで中古は2500バラン」
ミスリルは中古の魔鉄より安いんだな……なら決まりだ。
しかし鍋はオリハルコンで作ってるとは聞いたが高いな。
手持ちのコンロとフライパンで足りてるし、煮込みやスープは教会の備品の鍋を使わせて貰えるから買い取る予定はないが。
その内新品の一つも買おうかとは思っていたが、やけに高いし止めておこう。
「この世界でプロポーズする時は鍋と包丁をセットで差し出すんがお決まりやからなぁ……需要はあるけどそう買い換える物やないさかい、せやから高いんやろ」
そんな決まりがあったのか……
とはいえタープは料理が出来んからされても困るだろうが。
てかタープが今まで婚姻を拒否してたのはそれが理由だったりするんだろうか?
「発掘したばかりのオリハルコンは10キロで800バランだから、充分にありえる話」
……本当にこの世界は実用性と美味いか不味いかが重視されてるな。
そりゃ指輪やドレスじゃ腹は膨れんだろうし、この世界を創ったトゥール様自神がアレだけど。
「今更だがお前達は綺麗なドレスや指輪に興味はないのか?」
「そんなんあっても扱いに困るし着てたら肩こるやんか、それなら美味い物の方がええわ」
「指輪は身に付ける物ではなく高値で売る物、異論は認めない」
まあ、予想通りだったわ。
仮に興味があってもそんなの買える甲斐性はないからいいんだけどな。
「それよりウメオの作るベーコンのが何倍も欲しいわ」
「同感、ウメオがくれるなら何よりベーコンがいい」
本当に俺の周りには食いしん坊しか居ないなぁ……
さて、夕飯はスペアリブとベーコンをたっぷり食える物を作るとするか。
しかもスタッファーはまだ使えそうだが酷使したせいでミンサーが逝ってしまったからな……次は鉄より頑丈な金属で作ろう。
まあ一仕事が終わって何時もなら多少はのんびりする所だが期限がギリギリだからすぐに渡さねばならん。
こういう時に限って自分で行く羽目になるんだよな……距離は近いからいいけど。
「……オーケー、最高の出来だ」
「……ふぅ」
作るのも大分慣れたが流石に出来を見て貰う時は緊張する。
でも合格は貰えた様で安心したぜ。
「しかし本当にいい出来だぜ、ボーイはアンドゥイユ作りの才能がある様だな」
「出来れば売れ筋のベーコンを褒めて欲しいんだが」
「ハハハ、ボーイのベーコンを褒めるにはまだ修行が足りないな」
ちくしょう、だがジョニーさんは他の誰よりもダニエルさんのベーコンを食っている……満足させるにはまだ掛かりそうだな。
「おっと、先に言っておかなきゃな……例の式だが作るのはベーコン・エクスプロージョンのアンチョビソースだ」
「魚をソースに使うのか?」
珍しいな……ジョニーさんは肉と魚を1つの料理にするのには抵抗があるとか言ってたのに。
クラムチャウダーにはベーコンを入れてたろって?
ベーコンは調味料だからいいんだ。
「カーニズのガールとペスカタ生まれの領主の結婚を祝うならこれがベストだろう」
まあアンチョビソースは豚の挽肉のみで作るハンバーグによく合うからな、それをベーコン・エクスプロージョンに使うんだから不味い訳がない。
って中に詰めるソーセージはやっぱり俺が作るんだろうなぁ……必要ならやるけど。
「安心しろ、ソーセージは俺が用意してやる」
「マジか、助かるけどいいのか?」
「ま、ボーイには式までにビーフのベーコンを100は用意して貰わなきゃならんからな……それぐらいはやってやるさ」
そんなに使うのか!?
……マレスのお陰でサーマの買取の量が減ってるから用意できなくはないけど、来月の取り分は減りそうだな。
禁酒中でそんなに使う事がないからいいけど。
よし、帰宅。
ウシのベーコンは2日あれば用意できるから問題ないが当日は物凄く忙しくなりそうだな。
出発は3日後……となれば今日だけはのんびりしつつキャリと遊んでやろう、てかする。
「お、やっと来たっすねウメオっち!」
「……何で街長になったグリルがここに居るんだ?」
「前街長の結婚式に呼ばれたからに決まってるっすよ、ついでに当日までお世話になるっす」
出発までの3日間ずっと居座るつもりかお前は……
飯を出すぐらいなら構わんが寝泊まりまでするのは遠慮しろ。
「あ、頼まれてたコメ酒とは別にウメオっちが好きなラズのワイン、それとイチゴっちにバナの実を持って来たっすけど」
「夕飯と朝飯にリクエストはあるか?」
掌返しは自覚しているがラズベリーのワインがあるなら仕方ない。
あれはこのグリルが治めてる街でなきゃ作ってないんだ。
「夕飯はまたアバラのお肉で朝はあのベラバーガーっていうのをお願いするっす!」
こいつは本当にベラバーガーを気に入ったらしいな……
ミンサーが壊れてるんだが仕方ない、間に合わせでまた鉄屑を金属加工して……式とジョニーさんとの一杯が終わったらまた魔鉄を買い取って作るか。
いや待てよ、確かこの世界だと包丁はミスリルとやらで作るんだよな?
それなら歯こぼれしたか折れた包丁でも集めて作ってみるのもいいかもしれん。
……問題は値段だが、俺の所持金で買えるだろうか?
「……マリア、この世界の包丁って幾らぐらいするんだ?」
「1本で300バラン、折れたり歯こぼれしたので100バランぐらい……因みにお鍋の新品は3000バランで中古は2500バラン」
ミスリルは中古の魔鉄より安いんだな……なら決まりだ。
しかし鍋はオリハルコンで作ってるとは聞いたが高いな。
手持ちのコンロとフライパンで足りてるし、煮込みやスープは教会の備品の鍋を使わせて貰えるから買い取る予定はないが。
その内新品の一つも買おうかとは思っていたが、やけに高いし止めておこう。
「この世界でプロポーズする時は鍋と包丁をセットで差し出すんがお決まりやからなぁ……需要はあるけどそう買い換える物やないさかい、せやから高いんやろ」
そんな決まりがあったのか……
とはいえタープは料理が出来んからされても困るだろうが。
てかタープが今まで婚姻を拒否してたのはそれが理由だったりするんだろうか?
「発掘したばかりのオリハルコンは10キロで800バランだから、充分にありえる話」
……本当にこの世界は実用性と美味いか不味いかが重視されてるな。
そりゃ指輪やドレスじゃ腹は膨れんだろうし、この世界を創ったトゥール様自神がアレだけど。
「今更だがお前達は綺麗なドレスや指輪に興味はないのか?」
「そんなんあっても扱いに困るし着てたら肩こるやんか、それなら美味い物の方がええわ」
「指輪は身に付ける物ではなく高値で売る物、異論は認めない」
まあ、予想通りだったわ。
仮に興味があってもそんなの買える甲斐性はないからいいんだけどな。
「それよりウメオの作るベーコンのが何倍も欲しいわ」
「同感、ウメオがくれるなら何よりベーコンがいい」
本当に俺の周りには食いしん坊しか居ないなぁ……
さて、夕飯はスペアリブとベーコンをたっぷり食える物を作るとするか。
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