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第二章 あれれ?王都でドキ?はやすぎない?
ゴジュウサン やや☆
しおりを挟むえーと。
よしまて、落ち着こう。
「兄様、お水が飲みたいです。」
唐突な俺の言葉に、それでも兄は優しく微笑んですぐにサイドテーブルの水差しから水を汲んでくれた。
水の入ったコップを体力が落ちて震える手で受け取ると、その手ごと兄が支えてくれてゆっくりと水を飲んだ。
ふうっと息を吐くと、ようやく『脳内』が落ち着いた。
そう、自分を取り戻したのだ。
わやくちゃになって、脳味噌がボンっとなるところだった。
俺の名前は福良春樹で20歳だった。
生前の仕事では声優で、希望んだ役ではなけども、BLの『受』の声ばかりやっていた。
死ぬ前の最後の仕事が今いる世界。
乙女ゲーム『マジカルマジカルラブリープリンセス☆』のモブとも言える『ハノエル・アドレイド』という役をやっていた。
ハノエルは、悪役令嬢リオーラの弟で姉の計略を知り……姉を助けたいがため、主人公である花浦幸(仮)を助ける又は、身代わりになる、BL受け的な不憫すぎる少年だ。
その上、腐女子たちに呪われてるのか、祝福されてるのかわからないが、モブであるはずのハノエルにはかなりのエロいムービーやスチルショットが存在する。
なぜ、そんな設定のモブを作ったかは不明。たぶん、このゲーム最大の解けない謎だ。絶対にあの名探偵な子供にすら解けないだろう。
そんな乙女ゲーム、俺的にはハノエル不憫ゲームのハノエルに転生してしまった。
で、まあ、あれこれ……本当にアレやコレやありまして、そのフラグをギリギリでへし折りつつ、現在は大好きな神石先輩声(かっこいい!)の兄、カレイドとラブラブ婚約者となっております。
そう、腐の呪いだけは解けず、BL受けに突入しかけていますが、いいのです。
だって、『好きになった人が、たまたま男だっただけ♡』なんですから!
これはゆずれません。
で、そう!思い出しました。
俺は確かに、兄と図書室に行った。
そこにあった『天使と魔王』という話を読んだ!
うん、思い出したよ。
春樹としての精神がはっきりしたらね!
内容は、天使と魔王になる前の天使とのあはは、うふふな話があって、天使を手に入れようとした人の手で……片方の天使が死ぬことになり残った天使が魔王と化しました。って話だよね。
うん、思い出したよ。
何というか、アダムとイブの話的な……古事記とでもいう感じの話になるかな?
国ができたわけとか、ねえ?
そんな感じに感じるけれども。
魔王が何故現れたか?
って感じだよね?
まあね、地球だって魔王ルシフェルは、元天使というし。
で す が!
ハノエルくんの背中の羽はなんですかね?
俺には天使だった記憶はナッシングなのですが。
ちょっと見、小さな羽の天使ですよ。
これで弓矢をもったらマジでキューピットさんよ?
だっておなかぽんぽこ(ではないが)のお子様体型だもん。
「落ち着いた?」
「うん。……羽だね。」
「そう、翼なんだ。」
いや、翼というほど立派には見えません。白でもなく、黒でもなく七色だし。
「羽って。生えるものなのです?」
おれがこの世界の常識で、知らないことがあってもおかしくない。
もしかしたらば、羽型の出来物かもしれない。
それなら手術で……魔法で治るかな?
「いや、普通では考えられないんだが……この世界の聖伝書という、書物があって、こんな一説がある。史実ともされてる文なんだが。
『人の世に愛を与えし天使と人の世に正しさを導く天使がいた。
されど愛を与えし天使は、現れし魔王に穢されし運命。』と。だから、天使に見立てられた者がいたのかもしれない。それは天使のような優しさを持っていたものじゃないか?と言われていたが、もしかしたら天使のような見た目だったのかも……翼とかね。」
んー?
天使みたいな翼人がいたのかもってこと?つまり、先祖返り的なことじゃないかな?ってこと?
大丈夫、悪いことじゃないよ~。って、安心せたくてそんな話をしてくれたのかな?
いや、それ全然安心できないです?
でもさ、なんで魔王がいきなり現れたの?
その上、なんで魔王が悪者なの?かな?
そもそも、『魔王』ってなんだろうね?
ズキリ胸の奥が痛んだ。
違うと胸の痛みが言ってる。
悪いのは彼じゃないって。……彼って誰さ。
まあ、話を知るのもいいかもしれない。先の本につながっているかもしれない。読んでないことになっている『天使と魔王』の本に。
「その本も読んでみたい。」
「も?たぶん、図書館にあると思うけど。」
「じゃあ、行きたい。」
「だめです。」
「なんで?」
「ハノエル、君は意識を失うほどの痛みで今まで眠っていたんだよ?その上、その翼だ。
まずは、診察をして。それからだな。でないと、また、当分ベッドの上だよ。」
「はあい。」
「じゃ、翼に触るよ?」
「うん。」
とアズリアが羽に手を触れた瞬間。
「ぎぃう!いた、痛い!」
アズリアは、すぐに手を離してくれた。
なんだろう、痛い。
少し触れただけで痛いなんて、生活できないじゃん。
「ハル、大丈夫?」
「ん、痛い。」
「まだ、痛い?」
「も、大丈夫。」
「触れないのか、診ることもできないんじゃ、どうしようか。」
「私が触れて見ていい?」
「う……。」
できたら触られたくない。
だって、マジで痛かったし。
何というか……タンスの角に思いっきり小指を打ちつけた痛み以上に痛いんです。
つい、涙目で兄を見てしまう。
「うっ、可愛い。」
と言って手で鼻を覆う兄をやや変態さんぽく感じるのは、俺の気の迷いですか?
「少しだけだから。」
ああ、役の時にもそんなことを言われたなあ。
『少しだけ、先っちょだけ(R18指定)。』って。
「うぅ、わかりました。」
兄様のお願いなので我慢します。
……本音を言えば、兄でも美少女でも痛いから嫌です。
兄がそおっと羽に触れてきた。
「あんっ。」
ひゃあー、変な声でたあ!
なんだ、痛くない。
「ハル?痛くないの?」
「…たくない、です。でも、へん。」
なんか、ムズムズするー。
気持ちいいような……。
もっと触って欲しいような、だめなような。
「ちょっとだけ、我慢して。」
羽を撫であげるように触れてくるとムズムズが、強くなり……体の芯が熱くなってきた。
う、コレ嫌だ。だめだ。
「はあ、だめぇ。さ、わっ、ちゃ、あ、ひゃう、だ、だめぇ、あ、ぁぁ。」
これ、別の意味で兄が触っちゃあかんやつ!
「ハル、気持ちいいの?」
「ん、ふ、やぁ、ふっ……。」
だめ、もう、気持ち良くなる。
え?
あ、やばい勃っちゃったよ……ポークビッツが……。
ん、もう……。
兄の胸にスリスリと頬を擦り付けて、自分で自分が止められない。
だめ。
兄がすき。
頭が沸騰する。頭の中がショートしそう。
兄がほしい。
兄様、にいさま、にーちゃまぁ!
「に、にーちゃぁっ、ちゅーちてぇ、ん。」
にーちゃまからのちゅーをねだる。
「あ、ハル?待って。わかったから。」
にーちゃまがチューしてくれない。
「ちてくれない。うりゅ、ちて……ひぅ、ううぅ………。」
にーちゃまがチューしてくれない。
かなしい。
きらいなの?
ハルのこときらいなの?
ボロボロと涙が鼻水が盛大に流れてでる。
でも、とまらない。
だって、にーちゃまがチューしてくれない。
ジンジンしゅるの。
言ったらしてくれる?
『してほしいなら、裸になって足を開いて、イラやしくおねだりしたら、考えてやるよ?』
そうだ、そんなことも言われた。
したら、してくれるかな?
にーちゃまもしてくれる?
しなくちゃ、言わなくちゃ。
「にーちゃまぁ、ハルくんをにーちゃまのチンチンでめちゃめちゃにちて?」
いえた?
ハルくん、良い子にいえたよ?
「……やばい。カレイド。その翼は、たぶん性感帯の強いものだと思った方がいい。」
誰かが遠くで意味がわからないこと言ってたけど、ハルくんには関係ないの……ただ、にいちゃまとエッチしたいの。
ハルくんはにーちゃまが好きなの。
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