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第五章 ゲームカウントダウン?それとも開始とか?ヤバイんですが(泣)
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「兄様ばっかり、またハルを堪能して、ずるいですわ。私、今日は大変でしたのに……。」
食事のために食堂に行くと姉がボソリとつぶやいた。
「え!
大変って、何があったの!」
思わず声をあげてしまった。
「何か……って、いろいろよー。」
ふうっと息を吐く姉が、ポツリポツリと話していった。
かなりお疲れだったようです。
それというのも一つ授業が終わるごとにサーチスとルドガレスが教室に飛び込んできては、文句を言って帰るらしい。
『ハルくーん。あれ?ハルくんは?』と聞いてくる。
誰一人答えないと、
『おい、女。ハルはどこだ?』
とルドガレスが側にいる女の子の胸ぐらを掴むらしい。
それをマッケンくんが、
『君たちは、女性に対して何をしてるの?みてわからない?ハルはいないでしょう?』
と言って追い出すんだけど。
同じような会話が毎時間繰り返されるらしい。
もう、本当にクラス中が辟易するほど。
昼休みにいないとわかると、食事をしているそばで延々と嫌みやらを言い続けるんだとか……。
それは……。
『ハルをどこに隠したの?』
『ハルを閉じ込めてるの?』
『ハルを独占してるの?』
『ハルは僕を好きなのに!』
『僕とハルの仲を引き裂く気?』
『どーして、ハルがいないの!』
『ハルは僕と結ばれるべきなんだ!』
『ハルは僕のものなのに!』
……誰がお前のものやねん。
最初は、お疲れ様な姉に同情の目を向けていたのですが……途中から兄から冷気が漏れ始めました。
「なぜ、ハルを呼び捨てにするんだろうねえ?」
ピキピキって、グラスの中が凍った。
パリンっとグラスが割れてしまいまたよ……。
「に、兄様……?」
「あ、ああ、すまない。ついね。」
笑ってるけど、笑ってないよね?
「ふふ、一度、彼にはハルが一体誰のものか分からせたほうがいいだろうか?」
「ふふ、そうですわね。あなた?あなたもそう思いますわよね?」
「え、あ、ああ。二人、ともな、少し落ち着きなさい?」
兄と母はそっくりな笑みを浮かべて父を見ていた。
アレは怖い!
父様の顔が心なしか青いし。
隣の姉様も怯えて………いませんでした。
二人と同じ微笑を浮かべて父を見ていたよ……。
「そうでございます。旦那様。やはり、ハル坊っちゃまが誰の若奥様になられるのかハッキリとわからせた方がよございます。
……私自ら参りましょうか?」
「セバス……。
うん、よし、わかった。そうだね、花浦男爵家とキレイナ侯爵家には苦情申し立ておこう。
それで改善されないようなら……そうだね、彼は巫女に認定されたのだったね?」
「はい、そうでございます。」
「なら、教会に……責任を取らせよう。大丈夫、二度とハルたちの前に現れないようにするよ?
……彼らが態度を改めないのなら…ね?」
ニヤリと笑った父様と冷たい微笑の兄たちと……。
後ろに控えるセバスと……。
……コレをショットに収めたら……『悪役一家の密談』というタイトルが付きそうなスチルになりそうです……。
セシウス様とルイくんの顔も青ざめているけど……それ以上は顔に出さないって、プロだからかな。
ちなみにハノエルは若干引いてます。
だって、怖いもの!
食事のために食堂に行くと姉がボソリとつぶやいた。
「え!
大変って、何があったの!」
思わず声をあげてしまった。
「何か……って、いろいろよー。」
ふうっと息を吐く姉が、ポツリポツリと話していった。
かなりお疲れだったようです。
それというのも一つ授業が終わるごとにサーチスとルドガレスが教室に飛び込んできては、文句を言って帰るらしい。
『ハルくーん。あれ?ハルくんは?』と聞いてくる。
誰一人答えないと、
『おい、女。ハルはどこだ?』
とルドガレスが側にいる女の子の胸ぐらを掴むらしい。
それをマッケンくんが、
『君たちは、女性に対して何をしてるの?みてわからない?ハルはいないでしょう?』
と言って追い出すんだけど。
同じような会話が毎時間繰り返されるらしい。
もう、本当にクラス中が辟易するほど。
昼休みにいないとわかると、食事をしているそばで延々と嫌みやらを言い続けるんだとか……。
それは……。
『ハルをどこに隠したの?』
『ハルを閉じ込めてるの?』
『ハルを独占してるの?』
『ハルは僕を好きなのに!』
『僕とハルの仲を引き裂く気?』
『どーして、ハルがいないの!』
『ハルは僕と結ばれるべきなんだ!』
『ハルは僕のものなのに!』
……誰がお前のものやねん。
最初は、お疲れ様な姉に同情の目を向けていたのですが……途中から兄から冷気が漏れ始めました。
「なぜ、ハルを呼び捨てにするんだろうねえ?」
ピキピキって、グラスの中が凍った。
パリンっとグラスが割れてしまいまたよ……。
「に、兄様……?」
「あ、ああ、すまない。ついね。」
笑ってるけど、笑ってないよね?
「ふふ、一度、彼にはハルが一体誰のものか分からせたほうがいいだろうか?」
「ふふ、そうですわね。あなた?あなたもそう思いますわよね?」
「え、あ、ああ。二人、ともな、少し落ち着きなさい?」
兄と母はそっくりな笑みを浮かべて父を見ていた。
アレは怖い!
父様の顔が心なしか青いし。
隣の姉様も怯えて………いませんでした。
二人と同じ微笑を浮かべて父を見ていたよ……。
「そうでございます。旦那様。やはり、ハル坊っちゃまが誰の若奥様になられるのかハッキリとわからせた方がよございます。
……私自ら参りましょうか?」
「セバス……。
うん、よし、わかった。そうだね、花浦男爵家とキレイナ侯爵家には苦情申し立ておこう。
それで改善されないようなら……そうだね、彼は巫女に認定されたのだったね?」
「はい、そうでございます。」
「なら、教会に……責任を取らせよう。大丈夫、二度とハルたちの前に現れないようにするよ?
……彼らが態度を改めないのなら…ね?」
ニヤリと笑った父様と冷たい微笑の兄たちと……。
後ろに控えるセバスと……。
……コレをショットに収めたら……『悪役一家の密談』というタイトルが付きそうなスチルになりそうです……。
セシウス様とルイくんの顔も青ざめているけど……それ以上は顔に出さないって、プロだからかな。
ちなみにハノエルは若干引いてます。
だって、怖いもの!
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