おいしいはなし〜あたしが聖女♡なの〜

十夜海

文字の大きさ
47 / 55
第五章 エルフの谷へ

♡4

しおりを挟む


馬車にとりあえず、二人を運んだ。

黒い子の足はかなりひどい。
どうしたらこんなっ!
ヒール?ハイヒール?キュア?
もう、わからないから日本語でいいかしら?

「元に戻って!」

足の色が戻り、元に戻った。
結界は、すでにイメージがあるからなのか、無詠唱でも発動できるみたい。
日本語でも詠唱になるのは楽だわね。

「姉様、すごい。」
「い、ちゃ、ない。」
「あとは、体の方には癒しでいいわね。ん、もう大丈夫かしら?
後は、ご飯ね。」

たぶん、長く食べてないわよね?
なら、と私はタマゴ粥を出したの。これなら、栄養もあるし消化もいいわ。

「はい、あーん。」
「あ?ん?」

アタシは、木のスプーン(金物じゃ熱いでしょ?)に粥をよそってから、ふーふーして食べさせてみたの。

「んぐ、ん、ん、ん、にゃー!」

目がキラキラ。
美味しかったみたい。よかったわ。
アタシはご飯をあげるのをエリちゃんに代わってもらって、もう一人の縞の子を見ることにしたわ。
エネルギーって、移せないかしら?
体の機能は治しても、このままじゃ体が弱るわ。
なんで点滴でもあればいいのに!
私は寝かせていた縞の子を抱き直し、自分からエネルギーを移すイメージをする。
ふわりと何かがアタシから浮かんで行った気するわ。
縞の子の頰が少しだけ、艶がでた?
その子が、ゆっくりと目を開ける。
アタシと目があったとたん、泣き出してしまった。

「に、に、にぃ、ど、どきょ、ぅ?」
「あ、ああ、大丈夫よ。お兄ちゃんはいるわよ?」
「こ、ここ、いる、よ。」
「にぃぃ。ひっ。く……。」

黒い子が頭を撫でると安心したみたいで、泣き止む。

「お、れ、いい、おとうと、あげるの。」
「え?ああ。大丈夫よ。それはあなたがしっかり食べてちょうだい。この子にもちゃんと、ね?あるでしょう?」
「あ、い。」
「さ、食べましょう。」
「んま!」
「そうよ。はい、あーん。」

と言ったら一緒にマシロも口が開いてしまった。

「ふふ、マシロには、これをあげるわね。」

とシャケのおにぎりを渡した。

「ありがと。サクちゃま。」

ムグムグと食べては、にぱぁっと笑う。
マシロは本当に天使ね。
あら?水色のホワホワが増えてるわ。アタシの周りを水色のホワホワが飛んでいた。

「ちぃー!」
「おいしい?よかったわ。二人にはお名前ある?」
「にゃまえ?なに?」

水分を取ったからか、少しだけ掠れていた声が戻ったみたいね。
でも、『名前』の存在さえ知らないなんて。

「まちろっていうの。」

マシロが自分を指して、名前を言った。

「ん、アレ?ちょれ?くじゅ?」

そう、呼ばれていたっていうの?
なんて、酷い!

「その言葉は名前じゃないわね。アタシがつけてもいい?」
「ん。」
「そうねえ……。」

水色と青を点滅するように黒い子にホワホワがまとわりついてるわ。

「ん、決めたわ。青い精霊に好かれて夜のように綺麗な髪と瞳。
うん、青夜せいやにしましょう。」
「せい、や。俺のな、まえ。」
「弟くんは、綺麗な琥珀色の瞳ねえ。琥珀コハクがいいわね。」
「にぃ、た。せ、いや?こ、は。く、なま、え?」
「そうよ?マシロもアタシがつけたの。」
「いっしょね!」
「「ん!」」

ご飯でお腹がぽんぽこになったら、二人ともおネムになったみたい。
話を聞くのは後にしましょう。

「サクちゃま。」
「なあに?」
「まちろ、せいやとこはくが、おきるのまってる。」
「そう。お兄ちゃんね。」
「ん、まちろ、お兄ちゃん。」

マシロは、たぶん心配なのね。
目が覚めてマシロがいたら安心すると思うし。

「はい、じゃあ。良い子のマシロにプレゼントよ。」

と渡したのは、絵本とお菓子。
マシロに字をおしえるつもりで絵本を創造していたの。

「きれい!ありあと!」
「はい。なんかあったら呼んでね?」
「はーい。」

アタシは、自分の服を一枚バラして、あの子たちの服を創造したわ。
一から創造できるんだけど、この世界の生地じゃなくなるのよ。
だから、創造で複製して数枚作ったわ。
マシロの服を参考にね。



「とりあえずは、他には骨しかなかったぜ。たぶん、大人のかな。」
「そう……。」
「姉様、あの子たちの奴隷紋は黒でした。」
「逃げてきたか、捨てられたか。か?」
「たぶん。種族はたぶんですがリンクス族です。」

リンクス……山猫系?

「リンクス族は、保護地区にいるんじゃないのか?」
「たぶん、密猟とか?」

密猟!
もう、亜人と呼ばれ、獣人と呼ばれる森の人は、なんでこう酷い扱いなの!


アタシ、本気で滅ぼすほうがいいんじゃないかしらって、思うのよ。


しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました! 【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】 皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました! 本当に、本当にありがとうございます! 皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。 市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です! 【作品紹介】 欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。 だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。 彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。 【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc. その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。 欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。 気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる! 【書誌情報】 タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』 著者: よっしぃ イラスト: 市丸きすけ 先生 出版社: アルファポリス ご購入はこちらから: Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/ 楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/ 【作者より、感謝を込めて】 この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。 そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。 本当に、ありがとうございます。 【これまでの主な実績】 アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得 小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得 アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞 第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過 復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞 ファミ通文庫大賞 一次選考通過

断罪後のモブ令息、誰にも気づかれずに出奔する

まる
ファンタジー
断罪後のモブ令息が誰にも気づかれないよう出奔して幸せを探す話

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。

沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。 すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。 だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。 イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。 変わり果てた現実を前に、 夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。 深い後悔と悲しみに苛まれながら、 失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。 しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。 贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。 そして、母の心を知っていく子供たち。 イネスが求める愛とは、 そして、幸せとは――。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。 毎日19時に更新予定です。

処理中です...