おいしいはなし〜あたしが聖女♡なの〜

十夜海

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第五章 エルフの谷へ

♡6

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「もちろんだ。私もこの旅のメンバーとして、しっかりとサクラ様をお守りする所存だ。
王子ではなく、一人の騎士だと思ってほしい。」

アンドリューの意思も硬いようだし、この国を将来担うに値するか……頑張ってもらいましょう。

そう、ーーアタシガホロボスコトニナラヌヨウ……。

ん?アタシは今何を?
一瞬、意識が黒くなった気がするわ。
疲れてるのかしら?

「じゃあ、これから大所帯になるかもしれないわね。
うーん、馬車をなんとかできないかしらねえ。」
「今のところは大丈夫だと思いますけど。」
「まあ、そこは魔法でどうにかならないか、考えてみるわ。」

よし、とアタシは自分の頬をかるく叩いて気合をいれる。

「そうね!暗くなってちゃ、助かるものも助からないわ。
明るく前向きにいきましょう!」

そう、それがサクラのもっとうだったじゃない?
異世界の空気にのまれたら、サクラの名が廃るってものよ。

「まずは、食事にしましょう!」

とアタシが出したのは、もちろんカツ丼よ!
だって、これからの全てに勝たなきゃいけないもの!





ーーーーーーーーーーーーーー

食事も終わり、見張りを兼ねてユーリとジークンとアンドリューが交代で火の番をするという。
結界があるから大丈夫だと言ったのだけど、これからを考えてアタシの力だけに頼らないでもできるようにって。
結界がある状態で訓練するって言うのよ。特に王子であるアンドリューの。
まあ、そうね。王子様ですもの。火の番や見張りなんてやったことはないでしょうね。
そこはアタシもそうなのだけど。

馬車に戻ると三人で丸まって眠っているマシロとセイヤとコハク。
可愛らしさいっぱいね。
今日は、治療した身体を癒してたくさん眠ってね。
まだ、この子達の詳しい話は聞けていない。
一体、何故?あんなところに放置されていたのか。
何故?足を切りおとされなければならなかったのか?

これが人の手によるものなら、なんて酷いことをするのかしら?
酷い仕打ち……

ーーソンナコトヲスルヤツラタスケズホロボセバイイーー

ズキリと頭が痛む。
なに?
アタシは、今何を考えた?
黒いものが一瞬、胸の中を過ぎた気がする……。
疲れてるのかしら?

「姉様?大丈夫ですか?なんだか、顔が青いです。」
「ん、少し疲れたのかしらね。」
「姉様は、頑張り過ぎですから。こんなに魔法使ったら、普通なら倒れてしまいます。
姉様も眠ってください。」
「そうね……。そうするわ。」

ポムポムとどこから舞い込んでくるのか、ホワホワがたくさん増えてる。
ふふふ、あら?金色のホワホワだわ。初めてみた。白もいるし。
ホワホワ精霊にはいろんな色がいるのね?
黒いホワホワはいつもいるのね。
今いるホワホワは、金、白、青。
緑もいるけど、すくないわね。
でも、黒はいつも端でフワフワしていてあまり寄ってこない。
なんだか、路地裏で人嫌いしている黒猫さんみたいねえ。

「ねえ、えりちゃん。」
「なんですか?」
「このホワホワ……精霊たちって何を食べてるの?」
「基本的には、水の精霊なら清い水の気と水属性の魔力を。火なら火の気と火属性の魔力を取り込みます。ですから森は火属性以外の精霊が多いんです。
火は、ほら。」

とエリちゃんが指を指してる焚き火を見ると確かに赤いホワホワがポムポムと踊ってるように見えるわ。

「姉様は、全属性をもっているから精霊達が集まるやすいのかもしれませんね。
リンクス族は山の中にいるし、山には土の精霊だけじゃなくて、水の精霊が多いから……水の加護があるのかも。だから、こんな水のない場所に水の精霊がいたのかもしれません。」
「水がないのに?」
「たぶん、二人を守っていたのかもしれません。」

清い水……がないなら弱ってるんじゃないのかしら?
アタシは、水を思い浮かべる。
アタシの中で清いっていったら……霊峰富士の湧き水かしら?
手の中に水が出てくる。
水色のホワホワたちが濃い青に変わる。
あら、もしかして色が薄いのは弱っていたから?

「すごい、綺麗な水……力が溢れてる。」
「え?」

そうなの?
さ、さすが富士山ね。
うん、もし戻ったらミネラルウォーターは、富士のものだけにしましょう。

「みゅあ?」
「み?」

セイヤとコハクの二人が起きて、水に目を輝かせる。

「ちきゃら、みず!」
「みず!」

と水に飛びつく。

「きゃっ、あらら……。」

びっくりして、水の調整が狂って水浸しになってしまったわ。

「ふふふ、もう。二人とも。」

水を浴びて二人の毛が輝く。

「ふわあ。きもちいかった。」
「サクちゃまの水、しゅごい。」
「なくなった魔力がもどった。」
「もどっちゃ!」
「えっと、サクちゃまは本当にちゃま?
伝説の救世主さまじゃ、ないのですか?」

セイヤの喋り方が急に成長した?
いえ、もどったのかしら?

それにしても救世主?
アタシが?
疲れてるのに、眠ってる場合じゃないのかしら?










__________________________________


『うおーい。できたら拳ノ介けんのすけくーん、気づいてくれないかなあ……。
はあ、なんでスマホにしちゃったんだろう……。
いや、だっていきなりだったから!すぐに連絡取れるものって言ったらスマホだろ?
なのに、王城で見たっきりって……いや、調整に手間取った俺も悪いけどさ!それにしたって……。
はあ、……早く気づいてくださーい。』

この声に応えてるものは、未だいない。







______________________________


ども、十夜海です。
すみません。亀の歩みで。
いや、尺取り虫か?
なかなか、更新が……。
感想は読ませていただいております。
返信がなかなかできなく申し訳無なく思ってます。
では読んでいただきありがとうございます。
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