49 / 55
第五章 エルフの谷へ
♡6
しおりを挟む「もちろんだ。私もこの旅のメンバーとして、しっかりとサクラ様をお守りする所存だ。
王子ではなく、一人の騎士だと思ってほしい。」
アンドリューの意思も硬いようだし、この国を将来担うに値するか……頑張ってもらいましょう。
そう、ーーアタシガホロボスコトニナラヌヨウ……。
ん?アタシは今何を?
一瞬、意識が黒くなった気がするわ。
疲れてるのかしら?
「じゃあ、これから大所帯になるかもしれないわね。
うーん、馬車をなんとかできないかしらねえ。」
「今のところは大丈夫だと思いますけど。」
「まあ、そこは魔法でどうにかならないか、考えてみるわ。」
よし、とアタシは自分の頬をかるく叩いて気合をいれる。
「そうね!暗くなってちゃ、助かるものも助からないわ。
明るく前向きにいきましょう!」
そう、それがサクラのもっとうだったじゃない?
異世界の空気にのまれたら、サクラの名が廃るってものよ。
「まずは、食事にしましょう!」
とアタシが出したのは、もちろんカツ丼よ!
だって、これからの全てに勝たなきゃいけないもの!
ーーーーーーーーーーーーーー
食事も終わり、見張りを兼ねてユーリとジークンとアンドリューが交代で火の番をするという。
結界があるから大丈夫だと言ったのだけど、これからを考えてアタシの力だけに頼らないでもできるようにって。
結界がある状態で訓練するって言うのよ。特に王子であるアンドリューの。
まあ、そうね。王子様ですもの。火の番や見張りなんてやったことはないでしょうね。
そこはアタシもそうなのだけど。
馬車に戻ると三人で丸まって眠っているマシロとセイヤとコハク。
可愛らしさいっぱいね。
今日は、治療した身体を癒してたくさん眠ってね。
まだ、この子達の詳しい話は聞けていない。
一体、何故?あんなところに放置されていたのか。
何故?足を切りおとされなければならなかったのか?
これが人の手によるものなら、なんて酷いことをするのかしら?
酷い仕打ち……
ーーソンナコトヲスルヤツラタスケズホロボセバイイーー
ズキリと頭が痛む。
なに?
アタシは、今何を考えた?
黒いものが一瞬、胸の中を過ぎた気がする……。
疲れてるのかしら?
「姉様?大丈夫ですか?なんだか、顔が青いです。」
「ん、少し疲れたのかしらね。」
「姉様は、頑張り過ぎですから。こんなに魔法使ったら、普通なら倒れてしまいます。
姉様も眠ってください。」
「そうね……。そうするわ。」
ポムポムとどこから舞い込んでくるのか、ホワホワがたくさん増えてる。
ふふふ、あら?金色のホワホワだわ。初めてみた。白もいるし。
ホワホワにはいろんな色がいるのね?
黒いホワホワはいつもいるのね。
今いるホワホワは、金、白、青。
緑もいるけど、すくないわね。
でも、黒はいつも端でフワフワしていてあまり寄ってこない。
なんだか、路地裏で人嫌いしている黒猫さんみたいねえ。
「ねえ、えりちゃん。」
「なんですか?」
「このホワホワ……精霊たちって何を食べてるの?」
「基本的には、水の精霊なら清い水の気と水属性の魔力を。火なら火の気と火属性の魔力を取り込みます。ですから森は火属性以外の精霊が多いんです。
火は、ほら。」
とエリちゃんが指を指してる焚き火を見ると確かに赤いホワホワがポムポムと踊ってるように見えるわ。
「姉様は、全属性をもっているから精霊達が集まるやすいのかもしれませんね。
リンクス族は山の中にいるし、山には土の精霊だけじゃなくて、水の精霊が多いから……水の加護があるのかも。だから、こんな水のない場所に水の精霊がいたのかもしれません。」
「水がないのに?」
「たぶん、二人を守っていたのかもしれません。」
清い水……がないなら弱ってるんじゃないのかしら?
アタシは、水を思い浮かべる。
アタシの中で清いっていったら……霊峰富士の湧き水かしら?
手の中に水が出てくる。
水色のホワホワたちが濃い青に変わる。
あら、もしかして色が薄いのは弱っていたから?
「すごい、綺麗な水……力が溢れてる。」
「え?」
そうなの?
さ、さすが富士山ね。
うん、もし戻ったらミネラルウォーターは、富士のものだけにしましょう。
「みゅあ?」
「み?」
セイヤとコハクの二人が起きて、水に目を輝かせる。
「ちきゃら、みず!」
「みず!」
と水に飛びつく。
「きゃっ、あらら……。」
びっくりして、水の調整が狂って水浸しになってしまったわ。
「ふふふ、もう。二人とも。」
水を浴びて二人の毛が輝く。
「ふわあ。きもちいかった。」
「サクちゃまの水、しゅごい。」
「なくなった魔力がもどった。」
「もどっちゃ!」
「えっと、サクちゃまは本当に聖女ちゃま?
伝説の救世主さまじゃ、ないのですか?」
セイヤの喋り方が急に成長した?
いえ、もどったのかしら?
それにしても救世主?
アタシが?
疲れてるのに、眠ってる場合じゃないのかしら?
__________________________________
『うおーい。できたら拳ノ介くーん、気づいてくれないかなあ……。
はあ、なんでスマホにしちゃったんだろう……。
いや、だっていきなりだったから!すぐに連絡取れるものって言ったらスマホだろ?
なのに、王城で見たっきりって……いや、調整に手間取った俺も悪いけどさ!それにしたって……。
はあ、……早く気づいてくださーい。』
この声に応えてるものは、未だいない。
______________________________
ども、十夜海です。
すみません。亀の歩みで。
いや、尺取り虫か?
なかなか、更新が……。
感想は読ませていただいております。
返信がなかなかできなく申し訳無なく思ってます。
では読んでいただきありがとうございます。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2巻決定しました!
【書籍版 大ヒット御礼!オリコン18位&続刊決定!】
皆様の熱狂的な応援のおかげで、書籍版『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』が、オリコン週間ライトノベルランキング18位、そしてアルファポリス様の書店売上ランキングでトップ10入りを記録しました!
本当に、本当にありがとうございます!
皆様の応援が、最高の形で「続刊(2巻)」へと繋がりました。
市丸きすけ先生による、素晴らしい書影も必見です!
【作品紹介】
欲望に取りつかれた権力者が企んだ「スキル強奪」のための勇者召喚。
だが、その儀式に巻き込まれたのは、どこにでもいる普通のサラリーマン――白河小次郎、45歳。
彼に与えられたのは、派手な攻撃魔法ではない。
【鑑定】【いんたーねっと?】【異世界売買】【テイマー】…etc.
その一つ一つが、世界の理すら書き換えかねない、規格外の「便利スキル」だった。
欲望者から逃げ切るか、それとも、サラリーマンとして培った「知識」と、チート級のスキルを武器に、反撃の狼煙を上げるか。
気のいいおっさんの、優しくて、ずる賢い、まったり異世界サバイバルが、今、始まる!
【書誌情報】
タイトル: 『45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる』
著者: よっしぃ
イラスト: 市丸きすけ 先生
出版社: アルファポリス
ご購入はこちらから:
Amazon: https://www.amazon.co.jp/dp/4434364235/
楽天ブックス: https://books.rakuten.co.jp/rb/18361791/
【作者より、感謝を込めて】
この日を迎えられたのは、長年にわたり、Webで私の拙い物語を応援し続けてくださった、読者の皆様のおかげです。
そして、この物語を見つけ出し、最高の形で世に送り出してくださる、担当編集者様、イラストレーターの市丸きすけ先生、全ての関係者の皆様に、心からの感謝を。
本当に、ありがとうございます。
【これまでの主な実績】
アルファポリス ファンタジー部門 1位獲得
小説家になろう 異世界転移/転移ジャンル(日間) 5位獲得
アルファポリス 第16回ファンタジー小説大賞 奨励賞受賞
第6回カクヨムWeb小説コンテスト 中間選考通過
復活の大カクヨムチャレンジカップ 9位入賞
ファミ通文庫大賞 一次選考通過
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活
昼寝部
ファンタジー
この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。
しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。
そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。
しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。
そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。
これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる