車両故障は不可抗力

ぽやしみ仙人

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「――私のお腹には彼、実籾との子どもがいます。これから大事な時期を迎えるというのに、実籾身延はメリットがない憂さ晴らしみたいなことはしません! それが実籾の無実を証明する理由です」

 四街道の――彼女の発言は。
 会議室全体を揺らすくらいの勢いで震撼させた。
 誰しもが唖然と、驚きに満ちた表情を浮かべ――俺と四街道との顔を交互に見てくる。
 それは列記とした嘘だ。そんな事実もないし、彼女とそういう行為を致した記憶もない。

「さらに実籾が無実であるという決定的証拠もあります」

 そう混乱に乗じて彼女が追い討ちを掛ける。
 彼女の言葉とともに、画面には複数の車両故障報告書と実籾の勤務実績表――出務表が写し出された。
 どの報告書にも見覚えがないというのに、何故だが俺の名前や判子が押されている。日付や時間を見れば俺が公休であったり、出勤前や退勤後だったりしている。

「これは実際は別の運転士が故障を引いてしまったものですが、書面上では実籾身延が乗務員だったということにされています。それも一枚、二枚ではなく十枚単位です」

「…………」

「――これを見てもまだ実籾が意図的に壊したと言えますか?」

 四街道は勝ち誇ったような笑みを浮かべて、そんなことを口にするのだった。
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