チートを望んだ少年と最『恐』の竜。「友達になろう」「え?やですけど……」

滑るさん

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第4章 王都

第48話 ボス(幹部)②

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闇は魔物を作り、世界を作る。

光が神と人間を作り、知識が産まれる。

魔物が産まれ、人間は後から冒険者ができる。

結局、何が産まれても、戦わなくてはいけない。

共存を考える者もいるが、反対する者が圧倒的に多い。


人は、戦うことを、辞めない……。




サボ・イングラム
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





竜亮達は唖然として空気中に造られた霧は、だんだんと形態を留めていく。

人型になったそれは頭にデカい角を4本生やし、背には蝙蝠のような翼も4本。下半身には長く細い尻尾が揺れる。

その怪物は、魔物と人間の間。


ーーー魔人


霧と共に生まれた魔人は、アンデッド系のモンスターを召喚し、魔物を遣えて現れた。
その一方、竜亮とは別に。離れた場所にいるヘンリー達もその光景を見届けていた。


「ふむ。魔人か……。これはなかなかしぶとい奴が産まれたな。ヘンリー」

「アレが魔人?細っぽいし、力が有るとは思えない」

「魔人の生態は載ってはいないのか。その本は」

「載ってない。魔物の生態の図鑑は万能ではない。まず、魔人はモンスターに入るか?明らかに人とは違うものの………」

「ヘンリーの言いたい事は一律ある。が、人間側から見たらモンスターには見えなくもないが、ちゃんとモンスターの部類に入っている。魔物と人間の遺伝子で造られたか。もしくは無理矢理だな。今産まれた魔人は、モンスターの傷口から漏れ出た瘴気しょうきを元にああなった。魔人は言った通り………魔物に属するのだ」

「ちっ。モンスターのくせに小賢しい真似するな!アンデッドも増えたし、また暴れようか。J」

「承知した」

(アンデッドをある程度片付けたら、リューの所へ……。もし、あの魔人に鉢合わせしていたら大丈夫だろうか)


頭の片隅で竜亮の心配し、アンデッドの弱点である頭を弾き飛ばす。頭を失ったアンデッドは肩から徐々に塵となり、消えていった。
骨も脆くボロボロと崩れていく。

そういえば、あのポポとかいう男の子はどこにいったのだ?
目を離した隙にいなくなっては困る……。守る約束も破ってしまうことになる。
我はポポの場所を探るべく、オーラを感じようとしたが。


(……?気配を、探れない。隠蔽スキルを持っていたか)





ーーーーー





化け物はゆっくりと地に足を付け、腕の感触や手を開き確認しているようだ。
産まれたばかりで力の調整かどうかわからないが、化け物の不審な動きをしないかドキドキしている。
人間に近いモンスターと戦うのは、これが初めてかもしれない。何処が弱点とかも曖昧だ。


(背後にピピとひーちゃんもいる。雑魚はいいとして、ボスなら注意深く攻撃しないと)


その化け物はキョロキョロと周りを見渡し、何か探していた。初めて見る環境には戸惑った様子もなく、黄色い眼が動く。
そして、目が合った。


「………!」




瞬時に竜の勘が『あぶない』と感じた。
思った数秒後に化け物は動き、俺目掛けて鋭い爪を向ける。
剣はしまってある今は、拳で受け止めるしかなかった。


「お、っも……!くぅ」


化け物は明らかに好奇心だけで挑んでいる。
好奇心だけで動くのはいい。幸いひーちゃん達は化け物に当たるようにと、己に強化魔法をかけている所か。


『ベギャガギガベギャガァ!』


鳴き声なのか笑っているのか、不気味な声を発する化け物。空中に黒い魔法陣を何個も召喚し、そこから大量の骨が降ってくる。
危険性がなさそうな骨でも、なるべく警戒しながら骨を……。


ボフンッ


「!!なんだこれ。げほッ」


触れた瞬間に骨は煙になり、視界が悪くなった。
まるで骨型のスモークグレネードのようだ。
むせながらも今度は触れぬよう、化け物に近づき殴りかかる。
化け物は俺の攻撃をキャッチボールを受けとるように掴んだ。
化け物は、鋭い歯が見えるくらいにニヤケる。


「まずっ……。うわぁぁ!」


化け物は片手で軽く振り回し、硬い木目掛けて投げつけられた。
背中に激痛が走った。


「竜くん!?」


人間をオモチャの様に見つめるその瞳は、遊びたくて仕方がない子供のように思えた。
ひーちゃんは心配して駆けつけたが、それが不味かった。
化け物の目線は俺よりひーちゃんに付けてしまったからだ。
近づいてくる化け物に、俺は剣を握りしめ化け物の手を切り裂いた。


『ギャガががぁぁ!?ベギャギギィ……』


苦痛の叫びをあげる化け物は、手を切断されたことに驚いている様子だが、油断はまだ出来ない。
何故斬られたのかわからないらしく首を傾げている。
ひーちゃんは俺に癒しの魔法をかけてくれたので、少し身体が軽くなった。


「助かったよひーちゃん。アイツに魔法とか通じるよな?」

「さっきの魔物とは明らかに違うから。いけるよ」

「ピピはひーちゃんのサポートしてくれ。化け物が近づかないようにな?」

「……………うん。わかったおにーちゃん」


ピピは詠唱を唱える。空気上にある水分を凍らせ、鋭く尖った氷は化け物に向けて放つ。
腕に気を取られていた化け物は、鋭く尖った氷に気付かずヒットする。
よし、と声が漏れるが、ピピはそうでもなかった。


「………………おにーちゃん。あの魔物。ピピの魔法効いてない」

「効いてない?この化け物。………霧の中に魔法の効かないモンスターのやつも含まれているせいかも」

「そ、それって私達なんも出来ないじゃん!防がれちゃったら何も……」

「いや。もしかしたら、ひーちゃんなら可能かも。今は強化魔法が掛かっているし。ほら、魔力があれだから」

「あ、忘れてた」


自分の魔力は覚えておこうよ。俺だって羨ましいくらいなんだからさ。
天然なのかそれともバカなのか。


「……やってみるね。ーーーー」


詠唱をするということは、其ほどの魔法を放つつもりかと。
集まってくるエネルギーはひーちゃんの掌に集まり、黄色い球体が出来る。
それが横に長く伸びて、伸びた先が曲がり一つの物が出来た。
死神がよく持つイメージがあるかまだった。
黄色い色から黒く変色し、完全に死神のそれになった。


「ふぅっ、初めて使ったけど、上手くいってよかった」

「………魔法で、武器作れるんだ。すごい……!」


目を丸くしてひーちゃんの魔法を絶賛している。
それをするのは構わないが、今は動こうとしない化け物は、更に倒されたモンスターから出る霧を取り込んで細かった身体が、大きくなり筋肉が浮かび上がっている。
筋力の高いモンスターを取り込んだのか?


「竜くんとピピ。私のそばに居てよ。危ない・・・から」


どこから自信が出てくるのか、もう勝ちが決まったように微笑んで言った。何かを思い付いた顔つきで。
鎌を持っているからちょっと殺気立ててる様に竜の本能が感じてしまった。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



次回、鎌、大活躍
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