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第4章 王都
第50話 ボス(幹部)④
しおりを挟む通信機からリューの声が途絶えたのを気に、そこらの魔物を倒し終え、加戦しに向かう。
場所は微かに残されたオーラか通信機から聴こえた音を頼りにするしかない。魔人が見えたのならその場所に居ることは理解している。
いなくなったポポをどうするか移動しながら考える。
オーラで感じられないなら竜特有の聴覚を最大限に集中させ、探るしかない。本当にポポは何処いった?
「ポポの姿を確認したのは何時だ、ヘンリー」
「ん、それがどうした。………まさかいなくなったのか」
「そのまさかだ。目を離した隙にな」
「危険な戦場で迷子とか洒落にならない!しかも広い中でどう探せばいいんだ。あのガキはまだ子供だろ。しかも参加不可能なDランクなら、尚更だ……」
「それが………何度も試みようとしたがな。我の勘が反応しないのだ。反応しないということは、ポポは隠蔽スキルを持っていたかもしれんな」
「まず、お前の勘は信じられるか分からないが、探せないなら……待てよ。ここにガキがいないとしたら、もしかして目的が有っていなくなったという事になるのか……?」
ヘンリーの言葉に頷く。そう解釈すれば納得するかもしれないが、なら何処に向かったというんだ?
「あ……。解ったかもしれん。ポポがいなくなった事も」
「なんだ。言ってみろ」
我は可能性があるかどうか解らないが、我の考えを教えた。
「……………確かに離れる理由がそれなら、賭けるしかないか?もし、お前の考えが当たらなかったらどうしてくれる」
「その時はその時だろう。我の本気でパパっと見つけてやる」
「なら今すぐ小僧の場所まで案内しろ。場所は把握しているんだろ?」
「うむ!
Jのテンションの差にヘンリーは『こいつ絶対ポジティブか空元気じゃないのか?』と考えたが、今はそれどころではない。
竜亮達の居場所に向かうJの背中を追う。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「そっちに行った!ひーちゃん」
「了解!」
俺の返事に答えて無詠唱で魔法を唱える。
刃の様な衝撃波の風魔法を魔人に目掛けて飛んでいく。
しかし、魔人は魔法をまともに受けても声を荒げてひーちゃんとは違い、魔人の周りに魔法陣が展開させた。
「小賢しい!風とはこういうことをするものだ、人間」
衝撃波を避けながら前線に攻めていく。
避けきれない衝撃波は剣と竜の力をプラスして弾く。
魔法陣から次々と衝撃波と黒い炎が俺達に襲いかかる。
前よりも力が増している魔人に、どう対抗すればいいか策を練りながら戦わなければいけないのが痛い。
俺は別に頭が良い訳ではないし、ゲームだと遠くで主人公を操作するタイプだからどういう対処法か大体は解ったりする。
しかし、VRか間近で感じる事だと考える隙が見つからないのも、難点だ。
「これだけじゃぁ物足りねぇ!もっと楽しませろよ人間。そら、そらぁぁ!」
「うわぁぁ!」
対処しきれない魔法が当たりそうになると、透明な水色の壁が俺と魔法の間に出現した。
そのお陰で、魔法と爆風も受けずに済んだ。
「……………大丈夫?」
「おう。ピピさっきの魔法ありがとな。助かったよ」
役目を終えた壁は溶けるように消えていった。
魔法で防いだ事が気に食わなかったのか、魔人は舌打ちを打ちながらも魔法陣を解こうとしない。
魔法で防げたなら、何個も魔法陣を作った事で威力が分散されている、か。
「ピピは頭が良い方か、どうなんだ」
「……………解こうと思えば。問題が難しくなければ、出来なくもない」
「よし。今からピピには魔人の弱点を探ってもらうよ。俺は頭が良い訳でもない。ただ不自然な行動とか仕草をしたらお願いしたいんだ」
「……………やってみる」
魔法で封じる事が出来るなら、護ってる間に何か見つかるかもしれない。だからピピに頼んだ。
ひーちゃんも指示するべきか………。
いや、ここは敢えてピピに頼んだ。
だから任せた。
「よし。魔人、どんと来い」
「………成る程。これでは駄目か」
「?」
魔人の主な攻撃パターンに慣れてきた
魔人はぶつぶつとしながら鋭い目付きがさらに怖くなった。
そのぶつぶつと呟いている言葉は何を言っているのか聞こえない。
「女から消せばいいのか」
「なっ」
悟った。悟ってしまった。
魔人は遠くから支援しているひーちゃん達から潰そうとしている。
まずい。竜の力が強くても足は速くない。
魔人は新たな魔法陣を出し、その中に腕を突っ込む。
「ひーちゃん!!気を付けろっ!」
「え」
後ろを振り向けば、ひーちゃんの目の前に魔法陣から魔人の腕が………。
例え、無詠唱が使えたとしても反射的に撃つとピピが巻き込まれてしまう。
ど、どうする。どうする、どうする……………どうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするどうするドウスルドウスルドウスル!!
間に合え。間に合ってくれ。
ドシュっ
「な……どこ、から」
魔人は驚くのもしょうがない。魔法陣から出た腕に、一本の槍が深く突き刺さっているのだから。
魔人は槍が飛んできた方向に目を向け、新たな魔法陣で衝撃波を飛ばす。
何本もの木や茂みを消し飛ぶ。その方向には、ここにいない筈の人物が魔人を睨み付けていた。
「……お前」
「おねーちゃん達に手を出すな。魔人」
今にもボウガンの引き金を引こうとしているポポの姿があった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ポポ、お前そこにいたのかよ。
次回、ポポ
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