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第4章 王都
第54話 若者に疲労はきつい。(体育系ではない)
しおりを挟むガラガラガラガラ
あれから、魔人を討伐してから一時間が立った。
向かいの馬車が到着し、沢山の冒険者や素材になる魔物の遺体が運ばれていく。
冒険者は身を乗り出すように乱暴に座り込み、俺達もJ達と合流して空きの馬車に乗り、王都に向かっている。
「リューよ。我達がいない間に随分苦労をかけたな。こちらも急いで向かってはいたが魔物が思った以上に多過ぎて、足止めさせられてな………。すまんかった」
「いいよ。何とか倒す事もできたし。Jが悪い訳じゃないのは皆知ってるから」
「それもそうだが…」
「Jさん!今はちょっと休んでいようよ。皆疲れているんだし、宿泊場所で打ち上げでもしよう?」
ひーちゃんもそう言っているのも分かる。俺も動きまくって魔人と対面したり魔物とまともに戦うのは大変だった。
魔人もあんなに自我が芽生え、対策法が見つからないと思ったが弱点を見付ける事ができたのは奇跡的だった。
もし弱点を見付けられず、まだ戦闘が続いていたなら酷い結果になっていたかもしれなかった。
皆は所々疲れた顔色をしているが、緊張が抜けたのか、ポポとピピはひーちゃんに寄り添って眠っている。
俺達よりも子供なのに、彼処まで立ち向かうのは余程の覚悟がない限りできないもの。今日一番勇気があったのはポポとピピだったかもしれない。
ボウガンで魔人にダメージを当てた事は本当に助かった。ピピは最後まで冷静に弱点を知り、様々なバフでサポートまでしてくれた。
ポポの頭を優しく、起こさないように撫でるとJはニヤニヤしている。
「………なんだよ」
「いや。お前達が並んでると親子に見えてな。疲れてるのか、和んでしまってな」
「お疲れさーん」
「なんだ。聞いてくれたっていいではないか」
「俺も疲れてるんだよ。あんま聞く耳ない」
だってな。Jは気づいてるのか分からないが、まだ俺を睨み付けているヘンリーさんがいるんだよ。Jさん。気づいて。
これ何回目かだよ………。
過保護すぎだっつーの。と思っていると王都に無事着いた。
魔人は遺体を崩さぬように数人係で運ばれ、その後に王宮に持っていくという。
依頼の報酬として、参加した冒険者に何万近くのお金を受け取り。解散した。そりゃあれだけの魔物とボスである魔人に挑んだのだ。
お金は個人用に皆に分けられてある。
ポポとピピは他の町に移動するのと、ランクを上げる為経験値稼ぎをしてくるという訳で明日からいなくなるそうだ。
『おにーさんにギャフンと言われるようなコーになってやる!』と一足先に宿泊場所に向かって行った。
「元気がいいな…」
「竜くんもまだ若いよ?」
「そういう意味じゃなくて。寝たと思ったらすぐはしゃぐ程の体力があったってことだよ。俺も疲れてるけどひーちゃんも人のことは言えないだろ」
「パーティー出来る体力は流石にねぇ。明日筋肉痛になったらどうしよう」
筋肉痛…。
突然ウォーキングや筋トレをして使ってない筋肉を使いすぎると痙攣を起こす。
悲鳴をあげているという表現はあるが、強ち間違ってはいない。
筋肉痛の時の運動はハードが高い…。(筋肉痛のまま運動を続ければ筋肉は活性化して脂肪や筋肉がつくのだが)
泊まっていた宿泊に戻るが、夜食する余裕がなかった。
「魔人討伐まで体力の消耗が激しかったのだろう。まだ、慣れていないお前達にはパーティーをするより休息がいいんじゃないか?」
「………珍しいな。ヘンリーからそんな言葉を」
「話すより身体を休めろ。お前達はまだ若いから、その疲労に慣れる必要がある。明日からは王都を見て回りたい」
ヘンリーは疲れている俺達を気遣っているのか、直ぐ様自分の部屋に戻っていく。
Jに何かあったのか聞いてみるが『あいつの考えに乗ってやれ。我は気になる事があるが、間違ってはいないだろう』と今は疲労回復に専念した方がいいと。
「分かった。今日はありがとな、J。明日お礼にどっか奢るよ」
「それは楽しみだな。またあそこに連れてってくれよ。財布も忘れんでないぞ?」
「分かってるって。お休み」
「お休みなさい、Jさん」
二人は自分の部屋を戻ったのを見計らって、J、ジェネラル・ヴィルヘルムは魔人の事が気になっていた。
魔人を生み出す方法が何かに似ている。あれはそうだ、我を倒そうとした冒険者の中にいた。ドラゴンを倒すには聖剣と強力な魔法を放って倒すと人間の歴史書に示されている事が多い。
その魔法の中に禁句とされている魔術か………黒魔術の類に入るもの。
(遺体から魔人が復活する事………モンスターは生け贄だったのか?モンスターの数が多い事も魔人を生み出す事を考えられると………)
これは、かなりの生け贄を捧げる儀式。もしくは召喚ということだろうか………?
「やはり、利用されていたのか?魔王殺しと云われた我を?大事な友を?仲間を…?」
自分達を利用した、生け贄作りと魔人誕生を手伝わされた自分にイライラが止まらなかった。
気づけなかった自分が、ドラゴンであることを隠しモンスターを倒す事にてこずったこと。
遅れて来てみれば、想像以上の強敵に傷だらけで、ボロボロになった友の姿。
自分もモンスターなら其処らのモンスターを焼き尽くし、塵一つ残さぬものの、ヘンリーや他の冒険者に被害が出てしまうので、しなかった。………できなかった。
「………ふんっ。そんな奴がいるとしたら、生きている事を示す必要があるようだなぁ。傷つけた事を後悔させてやるぞっ!!」
怒り、殺気に満ちた部屋はモンスターが入れば、消滅してしまいそうな程。ドラゴンの殺気は凄まじかった。
………久々の疲労で寝ているヘンリーを除いては。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
遂に、令和かぁ………。履歴書とか間違って平成って書きそう。
次回、新章突入!!
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