チートを望んだ少年と最『恐』の竜。「友達になろう」「え?やですけど……」

滑るさん

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第3章 二人の冒険

第18話 受付へようこそ。

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「おい。起きろ!」

「きゃ!何よいきなり!女の子を乱暴に起こしちゃだめなんだよ!」

「知らんわ、そんなこと。着替えないと、昨日教えたアレ・・に行けないぞ」


アレ………アレ………あれ!?


「わかったから。持ってる金棒を置いて」

「よし、一時間待ってやるから。早く着替えろ」

「着替えるから金棒しまって。着替えにくい」


竜巻事件が起きて、早3日。
魔力の才能がある私は、ヘンリーが『ギルドに入ったらどうだ?』と勧められた。答えはyesと言い、早速ギルドに行こうとしたが、行くには準備が必要だと止められ、昨日は日用品から非常食まで買ってきてくれた。


(お父さんみたい……)


一瞬、そう思ってしまった。







◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇







ヘンリーから借りた服に着替え、家から出て、数十分。
歩くと大きな建物が並んでいた。3日もヘンリーの家に居たからか、賑やかすぎように聞こえる。町中に並ぶ屋台から、香ばしい匂いがただよっている。


「ふぉまえもくぅか?」


いつの間にかに買ったのか、焼き鳥に似た何かを咥えながら、もう一本を渡そうとする。どうやら私の分のようだ。


「………なにそれ?」

「ミノタウルスの串焼きだよ。ここの名物なんだ。喰ってみろ」

「ミノタウルス……斧を持っている牛のモンスターだよね」

「半分合ってるが半分違う。ミノタウロスは牛人だが、ゴブリンとお馴染み雑魚中の雑魚でもある。ほら、モンスター図鑑に載ってる」

「ありがとうと言いたいけど、どこから本出したの?」


折角買ってもらったので、受け取る。食べてみると牛すじに似た味がした。異世界の食べ物でも、食べてみないと分からないものだと気づいた。


(竜くんにも教えよっと)

「着いたぞ。ここがギルドだ」


串焼きを堪能している間に、ギルドに着いたらしく、見上げるとドラゴンのエンブレムが飾ってある目立つ建物だ。
扉からは、武器を持った人達が何人も出入りしている。


「………入るぞ」

「あ!待って……」


入っていくと、周りの雰囲気がガラッと変わり、居酒屋で酒を交わして楽しそうに話すおっさんだらけ。酒の匂いが充満する程、頭がくらくらする。


「大丈夫か?どこか痛むか」

「痛みはないよ。ただ………くらくらするだけ……」

「お前はまだ若い。………暫くは慣れないが、何度も来れば直るさ」


ヘンリーは私の背中を押し、支えられながら行くべき場所へ連れてってくれた。暫くではないが、ちょっと楽になってきた気がする。
連れて来られた場所は、受付前だった。私を見つめながら、ボサボサな焦げ茶色の髪型をしている男性が、明るい声で喋りかける。


「やあやあこんにちは!ボクはここで受付をしているショーカーっつぅんだ。気軽にショーと呼んでくれ」

「あ、瞳です………」


あまりに明るく挨拶してくるので、合わせてしまった。


「ヒトミちゃんか!ポニーな髪型をしてカワイイな!あ~こんな妹が存在していたらなぁ~………」

「おい。ちょっと言いか」

「?ご意見は何ですか?」

「これを冒険者登録したいんだが、出来るか?」

「できますよ。少しお待ち下さい……。リンちゃーん!いつ物やつ持ってきてー」


これ・・扱い、私は物か!そうツッコミたかったが、抑えつつ。ショーさんは職員に呼び掛ける………かと思いきや、奥から出てきたのは首にスカーフを着けているゴブリン・・・・だ。


「ショーさん?その、ゴブリンは………」

「そっか!新人さんには分からないか。ボクはテイマーなんだ、で、この子がテイムモンスターのリンちゃんだよ!ここのマスコットで、よくお手伝いをしてくれるの」


ショーさんが紹介をすると、リンちゃんはこちらに気付き、私に近づくと手を出してきた。


「お、握手なんて珍しいね。ヒトミちゃんの事が好きなのかな」

「好きって、私を?」

「ゴブリンが握手を求めてきた時は、してもいいし、しなくてもいいの。ゴブリンの世界では握手は『求愛行動』なんだよ。あ、リンちゃんは他のゴブリンとちょっと違うから、大丈夫だよ」


求愛行動と知り、手を引っ込めたが『ちょっと違う』と言うので、仕方なく握手をした。ザラザラしてるように思えたが、意外に男性と変わらない。


『ヨロシクな!』

「ゴブリンが喋った!」

「魔物だって喋るさ。まあ、その件は置いといて。リンちゃん、紙ちょうだい」


ゴブリンから紙を受け取ると、ペン立てからペンを取り、私の前に出す。


「ここに名前と性別、役職を書いてください」

「ちょっといいか?その件だが、ここは『フリー』にしてくれ」


役職と言われ、どう言えば伝わるか迷っていると、隣にいたヘンリーが答えてくれた。私は小声で『ありがとう』と話すと、何故か睨まれてしまった。


(ツンデレか!お前は思春期の女子か!)

「では、ここは『フリー』ということで、よろしいですか?」

「あ、はい!お願いします」

『オネガイします!』

「ヒトミちゃんに言ってんだよ?」


ショーさんが注意しても、分からない様子で首を傾げている。あ、可愛いかも……。








ーーーーーーーーーーーーーーーーー
長くなりました。



次回、何とあの人が復活!

(・Д・)〈死んでねぇーじゃん。
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