322 / 380
ラスボス・プロジェクト(センエース補完計画)、第二フェーズ最終段階。
しおりを挟む滅私。
UV1を通して見たゼノリカという全世界の希望。
それが、今のゴートを突き動かしている全て。
――人類の倫理的完成。
……ゴートが望むそれは、ある種、偏っているとも言える観念。
本気な分、性質たちが悪くなることもある、少々、危険な劇薬成分も孕んだ思想。
毒になるか薬になるか、使用方法次第。
(偶像ではない、本物の神帝陛下となって、全ての神々を導き……究極の世界を創造する。全ての者が、ただ、幸福に、個々の『善なる理想』を追い求めるユートピアの建築)
蝉原によって歪んだ地獄の対極。
命の解、その完成を求める意志。
なんの力もないのに、ソレを成そうとすれば、どれだけの強い意志を持ってはじめたとしても、かつて第一アルファを混乱させた歴史的大失態のニノテツを踏むだけ。
なんの下準備も覚悟もなくソレを成そうとすれば、ただただ歪んで腐るだけ。
だが、今のゴートには、力も覚悟も下地もある。
ならば――
(これから俺は、ゼノリカの意思に従いながら、自分が成すべきだと思うことをこなしていく。これは、間違いなくゼノリカの――ひいては、世界のためになる)
盲目的とも言える速度で確信するゴート。
『モラトリアムの折り返し地点』で第一アルファから離れる事ができた究極超神センエースと違い、第一アルファで大人になり、じゃっかん凝り固まった思想を持つようになったゴート(センエース)は、続けて、こんなことを思う。
(だが、俺がやろうとしている事は、まぎれもなく改革・革命。腐っているかどうかは関係なく、組織の上層部というものは、その手の変化を嫌う。それが良いか悪いかの判断はいったん保留にして、変化に対する恐怖から、とりあえずで俺の邪魔してくるのは明白。その面倒を阻止したい)
さきほどの闘いで、ゴートは『UV1の想い』を間違いなく理解した。
ニュータイプでなくとも、他者の気持ちが理解できる瞬間はある。
(UV1は、神帝陛下が『実在した』と信じている訳ではない。だが、信じたがっている。だからこそ、『いたのかもしれない』なんて発言が飛び出す。……大事なのはそこだ。神帝陛下なんて、どこまでいっても、ただの偶像)
神帝陛下センエースに関して、UV1の話を聞いた時、
ゴートは素直に『ありえない』と思った。
そんなアホがいる訳ないだろうと思った。
『んなヒーローが現実にいてたまるか、人間の弱さをナメんな』とすら思った。
(だが、UV1は、『神帝陛下の意思』という『ベクトルそのもの』には傾倒している。どんな絶望を前にしても、世界のために、命をかけて闘う英雄。全ての生命の希望。全てを包み込む光)
本物が実在するかどうかなんてどうでもいいんだ。
最上位の連中にとっては重要な事だが、
中層より下にいる多くの者達にとっては、
神帝陛下が実在しようがしまいが、どうでもいい事。
大事な事はそうじゃない。
そうじゃないんだよ。
(どんな絶望を前にしても勇気を叫べるヒーロー。そうなりたいと、そうありたいと――そう思う人の数が、全ての理不尽を殺す光となり、合理的に完成した世界を創る。すなわち、世界の道標たる、大いなる希望そのもの。それが神帝陛下なんだ)
ゴートの未来は決まった。
最初から目指していた道が強固に舗装される。
(神帝陛下センエース。俺は……それになる。そして、世界のために尽くす)
そして、ラスボスプロジェクト・第二フェーズは最終段階に至る。
センエースでありながら、どこかセンエースらしからぬ思想を持つ者。
第一アルファで歳を重ねた結果、色々な部分が歪んで育った究極の可能性が、
究極のチートという、とんでもないバランスブレイカーで無双しながら、
――順調に、ラスボスへと堕ちていく。
世界の明日はどっちだ?!
UV1を通して見たゼノリカという全世界の希望。
それが、今のゴートを突き動かしている全て。
――人類の倫理的完成。
……ゴートが望むそれは、ある種、偏っているとも言える観念。
本気な分、性質たちが悪くなることもある、少々、危険な劇薬成分も孕んだ思想。
毒になるか薬になるか、使用方法次第。
(偶像ではない、本物の神帝陛下となって、全ての神々を導き……究極の世界を創造する。全ての者が、ただ、幸福に、個々の『善なる理想』を追い求めるユートピアの建築)
蝉原によって歪んだ地獄の対極。
命の解、その完成を求める意志。
なんの力もないのに、ソレを成そうとすれば、どれだけの強い意志を持ってはじめたとしても、かつて第一アルファを混乱させた歴史的大失態のニノテツを踏むだけ。
なんの下準備も覚悟もなくソレを成そうとすれば、ただただ歪んで腐るだけ。
だが、今のゴートには、力も覚悟も下地もある。
ならば――
(これから俺は、ゼノリカの意思に従いながら、自分が成すべきだと思うことをこなしていく。これは、間違いなくゼノリカの――ひいては、世界のためになる)
盲目的とも言える速度で確信するゴート。
『モラトリアムの折り返し地点』で第一アルファから離れる事ができた究極超神センエースと違い、第一アルファで大人になり、じゃっかん凝り固まった思想を持つようになったゴート(センエース)は、続けて、こんなことを思う。
(だが、俺がやろうとしている事は、まぎれもなく改革・革命。腐っているかどうかは関係なく、組織の上層部というものは、その手の変化を嫌う。それが良いか悪いかの判断はいったん保留にして、変化に対する恐怖から、とりあえずで俺の邪魔してくるのは明白。その面倒を阻止したい)
さきほどの闘いで、ゴートは『UV1の想い』を間違いなく理解した。
ニュータイプでなくとも、他者の気持ちが理解できる瞬間はある。
(UV1は、神帝陛下が『実在した』と信じている訳ではない。だが、信じたがっている。だからこそ、『いたのかもしれない』なんて発言が飛び出す。……大事なのはそこだ。神帝陛下なんて、どこまでいっても、ただの偶像)
神帝陛下センエースに関して、UV1の話を聞いた時、
ゴートは素直に『ありえない』と思った。
そんなアホがいる訳ないだろうと思った。
『んなヒーローが現実にいてたまるか、人間の弱さをナメんな』とすら思った。
(だが、UV1は、『神帝陛下の意思』という『ベクトルそのもの』には傾倒している。どんな絶望を前にしても、世界のために、命をかけて闘う英雄。全ての生命の希望。全てを包み込む光)
本物が実在するかどうかなんてどうでもいいんだ。
最上位の連中にとっては重要な事だが、
中層より下にいる多くの者達にとっては、
神帝陛下が実在しようがしまいが、どうでもいい事。
大事な事はそうじゃない。
そうじゃないんだよ。
(どんな絶望を前にしても勇気を叫べるヒーロー。そうなりたいと、そうありたいと――そう思う人の数が、全ての理不尽を殺す光となり、合理的に完成した世界を創る。すなわち、世界の道標たる、大いなる希望そのもの。それが神帝陛下なんだ)
ゴートの未来は決まった。
最初から目指していた道が強固に舗装される。
(神帝陛下センエース。俺は……それになる。そして、世界のために尽くす)
そして、ラスボスプロジェクト・第二フェーズは最終段階に至る。
センエースでありながら、どこかセンエースらしからぬ思想を持つ者。
第一アルファで歳を重ねた結果、色々な部分が歪んで育った究極の可能性が、
究極のチートという、とんでもないバランスブレイカーで無双しながら、
――順調に、ラスボスへと堕ちていく。
世界の明日はどっちだ?!
1
お気に入りに追加
1,559
あなたにおすすめの小説

拾ったメイドゴーレムによって、いつの間にか色々されていた ~何このメイド、ちょっと怖い~
志位斗 茂家波
ファンタジー
ある日、ひょんなことで死亡した僕、シアンは異世界にいつの間にか転生していた。
とは言え、赤子からではなくある程度成長した肉体だったので、のんびり過ごすために自給自足の生活をしていたのだが、そんな生活の最中で、あるメイドゴーレムを拾った。
…‥‥でもね、なんだろうこのメイド、チートすぎるというか、スペックがヤヴァイ。
「これもご主人様のためなのデス」「いや、やり過ぎだからね!?」
これは、そんな大変な毎日を送る羽目になってしまった後悔の話でもある‥‥‥いやまぁ、別に良いんだけどね(諦め)
小説家になろう様でも投稿しています。感想・ご指摘も受け付けますので、どうぞお楽しみに。

異世界に転生したけど、頭打って記憶が・・・え?これってチート?
よっしぃ
ファンタジー
よう!俺の名はルドメロ・ララインサルって言うんだぜ!
こう見えて高名な冒険者・・・・・になりたいんだが、何故か何やっても俺様の思うようにはいかないんだ!
これもみんな小さい時に頭打って、記憶を無くしちまったからだぜ、きっと・・・・
どうやら俺は、転生?って言うので、神によって異世界に送られてきたらしいんだが、俺様にはその記憶がねえんだ。
周りの奴に聞くと、俺と一緒にやってきた連中もいるって話だし、スキルやらステータスたら、アイテムやら、色んなものをポイントと交換して、15の時にその、特別なポイントを取得し、冒険者として成功してるらしい。ポイントって何だ?
俺もあるのか?取得の仕方がわかんねえから、何にもないぜ?あ、そう言えば、消えないナイフとか持ってるが、あれがそうなのか?おい、記憶をなくす前の俺、何取得してたんだ?
それに、俺様いつの間にかペット(フェンリルとドラゴン)2匹がいるんだぜ!
よく分からんが何時の間にやら婚約者ができたんだよな・・・・
え?俺様チート持ちだって?チートって何だ?
@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@
話を進めるうちに、少し内容を変えさせて頂きました。

夢幻の錬金術師 ~【異空間収納】【錬金術】【鑑定】【スキル剥奪&付与】を兼ね備えたチートスキル【錬金工房】で最強の錬金術師として成り上がる~
青山 有
ファンタジー
女神の助手として異世界に召喚された厨二病少年・神薙拓光。
彼が手にしたユニークスキルは【錬金工房】。
ただでさえ、魔法があり魔物がはびこる危険な世界。そこを生産職の助手と巡るのかと、女神も頭を抱えたのだが……。
彼の持つ【錬金工房】は、レアスキルである【異空間収納】【錬金術】【鑑定】の上位互換機能を合わせ持ってるだけでなく、スキルの【剥奪】【付与】まで行えるという、女神の想像を遥かに超えたチートスキルだった。
これは一人の少年が異世界で伝説の錬金術師として成り上がっていく物語。
※カクヨムにも投稿しています
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

爺さんの異世界建国記 〜荒廃した異世界を農業で立て直していきます。いきなりの土作りはうまくいかない。
秋田ノ介
ファンタジー
88歳の爺さんが、異世界に転生して農業の知識を駆使して建国をする話。
異世界では、戦乱が絶えず、土地が荒廃し、人心は乱れ、国家が崩壊している。そんな世界を司る女神から、世界を救うように懇願される。爺は、耳が遠いせいで、村長になって村人が飢えないようにしてほしいと頼まれたと勘違いする。
その願いを叶えるために、農業で村人の飢えをなくすことを目標にして、生活していく。それが、次第に輪が広がり世界の人々に希望を与え始める。戦争で成人男性が極端に少ない世界で、13歳のロッシュという若者に転生した爺の周りには、ハーレムが出来上がっていく。徐々にその地に、流浪をしている者たちや様々な種族の者たちが様々な思惑で集まり、国家が出来上がっていく。
飢えを乗り越えた『村』は、王国から狙われることとなる。強大な軍事力を誇る王国に対して、ロッシュは知恵と知識、そして魔法や仲間たちと協力して、その脅威を乗り越えていくオリジナル戦記。
完結済み。全400話、150万字程度程度になります。元は他のサイトで掲載していたものを加筆修正して、掲載します。一日、少なくとも二話は更新します。

クラスで異世界召喚する前にスキルの検証に30年貰ってもいいですか?
ばふぉりん
ファンタジー
中学三年のある朝、突然教室が光だし、光が収まるとそこには女神様が!
「貴方達は異世界へと勇者召喚されましたが、そのままでは忍びないのでなんとか召喚に割り込みをかけあちらの世界にあった身体へ変換させると共にスキルを与えます。更に何か願いを叶えてあげましょう。これも召喚を止められなかった詫びとします」
「それでは女神様、どんなスキルかわからないまま行くのは不安なので検証期間を30年頂いてもよろしいですか?」
これはスキルを使いこなせないまま召喚された者と、使いこなし過ぎた者の異世界物語である。
<前作ラストで書いた(本当に描きたかったこと)をやってみようと思ったセルフスピンオフです!うまく行くかどうかはホント不安でしかありませんが、表現方法とか教えて頂けると幸いです>
注)本作品は横書きで書いており、顔文字も所々で顔を出してきますので、横読み?推奨です。
(読者様から縦書きだと顔文字が!という指摘を頂きましたので、注意書をと。ただ、表現たとして顔文字を出しているで、顔を出してた時には一通り読み終わった後で横書きで見て頂けると嬉しいです)
転生したら脳筋魔法使い男爵の子供だった。見渡す限り荒野の領地でスローライフを目指します。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作。面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
辺境も辺境、水一滴手に入れるのも大変なマクネイア男爵家生まれた待望の男子には、誰にも言えない秘密があった。それは前世の記憶がある事だった。姉四人に続いてようやく生まれた嫡男フェルディナンドは、この世界の常識だった『魔法の才能は遺伝しない』を覆す存在だった。だが、五〇年戦争で大活躍したマクネイア男爵インマヌエルは、敵対していた旧教徒から怨敵扱いされ、味方だった新教徒達からも畏れられ、炎竜が砂漠にしてしまったと言う伝説がある地に押し込められたいた。そんな父親達を救うべく、前世の知識と魔法を駆使するのだった。

魔晶石ハンター ~ 転生チート少女の数奇な職業活動の軌跡
サクラ近衛将監
ファンタジー
女神様のミスで事故死したOLの大滝留美は、地球世界での転生が難しいために、神々の伝手により異世界アスレオールに転生し、シルヴィ・デルトンとして生を受けるが、前世の記憶は11歳の成人の儀まで封印され、その儀式の最中に前世の記憶ととともに職業を神から告げられた。
シルヴィの与えられた職業は魔晶石採掘師と魔晶石加工師の二つだったが、シルヴィはその職業を知らなかった。
シルヴィの将来や如何に?
毎週木曜日午後10時に投稿予定です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる