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1章
第──20
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「お、おはよう空……」
「お、おは、おはようございます、そ、空さんっ」
「声が上ずってるわよリシェル」
「シ、シェリルだって顔真っ赤じゃないっ」
「そ、そんなことないもん!」
テントで目覚めた朝。
昨夜はあんなにぐいぐい攻めていた二人も、一転して何故か羞恥心丸出し。
あ、ちなみにぐいぐいっていうのは、ぐいぐいにじり寄って来たっていう意味。
他の意味ではない。
むしろ俺、あの状況でよく理性を飛ばさずにいられたものだ。
絶賛恋人募集中だと聞かされ、そりゃあ当然立候補するでしょう。
今思い出すとそりゃあもう恥ずかしいったらありゃしない。
──黒歴史回想──
「「私(わたし)たち、絶賛恋人募集中なんです!」」
そう言ってぐいぐい迫って来る二人。
顔は真っ赤。
潤んだ瞳で見つめられ、こっちは生唾物だった。
募集中。そう言って俺を見つめるっていうのは、俺、求められちゃってる?
俺、初めて告白されてる?
「俺……二人と出会ってまだそんなに日にちも経ってないけど……」
好きだ。
そう言おうとした。
だけどその時には言えなかった。
「空、わたし、あんたのこと好き」
「あ、シェリルずるい! 私も空さんのことが好きですっ」
「え? え?」
「やぁ~っ、言っちゃったぁ」
「は、恥ずかしいです。凄く恥ずかしいですぅ」
キャーキャーと騒ぎながら俺から離れた二人は、そのままテントの中に潜っていってしまった。
そのテントの中から、
「そ、空っ。へ、返事はいつでもいいんだからねっ」
「わ、私たち、待ってます」
「「キャー」」
自分たちで言って自分たちで恥ずかしくなって騒ぐ。
女子高生ってこんな感じなのかなぁと漠然に思った。
でも二人がせっかく勇気を出して言ってくれたんだ。
俺も応えなきゃな。
二人が引き籠るテントの前に立ち、
「俺も二人のことが好きだ」
そう伝えた。
「「キャーッ」」
テントがばうんばうん跳ね、しばらく二人の歓喜の声が上がっていた。
──回想終了──
その後、シェリルがテントから出てきて食事の支度をしてくれたけど。終始キャーキャーと恥ずかしがって、結局パンと固形スープをお湯に溶かしただけの食事になった。
今朝は少しだけ落ち着いたのか、ハムを焼いてくれた。
まぁ野宿でできる食事なんてこんなものだ。
里に帰ったらいつもの料理が食べられることを期待しよう。
「よし。じゃあ里に帰るか」
「はいっ」
「えぇっ」
元気に返事した二人は、左右にササっと分かれてそれぞれ俺の腕を取る。
むにゅりとした感触が新鮮過ぎて、俺の頭の中が真っ白になる。
あぁ、夢じゃないよなぁ。
こんな可愛い恋人ができるなんて……。
ま、まさか!
終業式が終わって教室に入る瞬間からここまで、実は夢でしたなんてオチじゃないだろうな!
「ど、どうしたのよ空」
「い、いや。夢じゃないよなぁって」
「夢、ですか?」
「そ、そう。実は俺、異世界に召喚なんてされてなくって、学校の机で寝てるとか、そんなオチが待ってたりしないかなってさ」
二人は顔を見合わせ、そして傾げ、次に俺の腕を引っ張った。
引かれて身を屈めると、そこに二人の顔が急接近!?
両頬に柔らかく、そして温かい感触が伝わった。
「ゆ、夢なら覚めなきゃいいのよ」
「そうです。ずっと夢を見ていてください、空さん」
顔真っ赤な二人。
俺……ほっぺにチューされました。
夢でもいい。
そうだ、二度と目覚めなければいいんだ。
「お、おは、おはようございます、そ、空さんっ」
「声が上ずってるわよリシェル」
「シ、シェリルだって顔真っ赤じゃないっ」
「そ、そんなことないもん!」
テントで目覚めた朝。
昨夜はあんなにぐいぐい攻めていた二人も、一転して何故か羞恥心丸出し。
あ、ちなみにぐいぐいっていうのは、ぐいぐいにじり寄って来たっていう意味。
他の意味ではない。
むしろ俺、あの状況でよく理性を飛ばさずにいられたものだ。
絶賛恋人募集中だと聞かされ、そりゃあ当然立候補するでしょう。
今思い出すとそりゃあもう恥ずかしいったらありゃしない。
──黒歴史回想──
「「私(わたし)たち、絶賛恋人募集中なんです!」」
そう言ってぐいぐい迫って来る二人。
顔は真っ赤。
潤んだ瞳で見つめられ、こっちは生唾物だった。
募集中。そう言って俺を見つめるっていうのは、俺、求められちゃってる?
俺、初めて告白されてる?
「俺……二人と出会ってまだそんなに日にちも経ってないけど……」
好きだ。
そう言おうとした。
だけどその時には言えなかった。
「空、わたし、あんたのこと好き」
「あ、シェリルずるい! 私も空さんのことが好きですっ」
「え? え?」
「やぁ~っ、言っちゃったぁ」
「は、恥ずかしいです。凄く恥ずかしいですぅ」
キャーキャーと騒ぎながら俺から離れた二人は、そのままテントの中に潜っていってしまった。
そのテントの中から、
「そ、空っ。へ、返事はいつでもいいんだからねっ」
「わ、私たち、待ってます」
「「キャー」」
自分たちで言って自分たちで恥ずかしくなって騒ぐ。
女子高生ってこんな感じなのかなぁと漠然に思った。
でも二人がせっかく勇気を出して言ってくれたんだ。
俺も応えなきゃな。
二人が引き籠るテントの前に立ち、
「俺も二人のことが好きだ」
そう伝えた。
「「キャーッ」」
テントがばうんばうん跳ね、しばらく二人の歓喜の声が上がっていた。
──回想終了──
その後、シェリルがテントから出てきて食事の支度をしてくれたけど。終始キャーキャーと恥ずかしがって、結局パンと固形スープをお湯に溶かしただけの食事になった。
今朝は少しだけ落ち着いたのか、ハムを焼いてくれた。
まぁ野宿でできる食事なんてこんなものだ。
里に帰ったらいつもの料理が食べられることを期待しよう。
「よし。じゃあ里に帰るか」
「はいっ」
「えぇっ」
元気に返事した二人は、左右にササっと分かれてそれぞれ俺の腕を取る。
むにゅりとした感触が新鮮過ぎて、俺の頭の中が真っ白になる。
あぁ、夢じゃないよなぁ。
こんな可愛い恋人ができるなんて……。
ま、まさか!
終業式が終わって教室に入る瞬間からここまで、実は夢でしたなんてオチじゃないだろうな!
「ど、どうしたのよ空」
「い、いや。夢じゃないよなぁって」
「夢、ですか?」
「そ、そう。実は俺、異世界に召喚なんてされてなくって、学校の机で寝てるとか、そんなオチが待ってたりしないかなってさ」
二人は顔を見合わせ、そして傾げ、次に俺の腕を引っ張った。
引かれて身を屈めると、そこに二人の顔が急接近!?
両頬に柔らかく、そして温かい感触が伝わった。
「ゆ、夢なら覚めなきゃいいのよ」
「そうです。ずっと夢を見ていてください、空さん」
顔真っ赤な二人。
俺……ほっぺにチューされました。
夢でもいい。
そうだ、二度と目覚めなければいいんだ。
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