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19:振り出し
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「ディオン! あなたずっとここにいたの!?」
「やぁ、おはようセリス……ふわぁぁ」
アイテムボックススキルの事をどう説明しようかと悩んだ結果、眠れなくなって朝まで厨房にいた。
話すとなるとリカバリーの説明もしなきゃならない。これはユニークスキルだ。
今この瞬間、このスキルを所持しているのは世界で俺ひとり。
全部話してしまった方が、この先楽ではあるんだけど……。
そもそもリカバリーの性能だけだと、俺がいくつものスキルを自由に入れ替えられる理由にはならない。
そこはスキルポイントの話になる訳で……すると転生者って説明も必要になってくるけど、転生者の存在は知られていない。
で、どうするかって振り出しに戻る訳だ。
はぁ……。
「眠ってないの?」
「あ、うん……ちょっと悩んでてね」
「あら。私で良ければ相談に乗るけど」
それが出来ないから徹夜で悩んでいたのに……。
「あ、そうだ。厨房に食堂のテーブルと椅子を運んだんだ。これからはここで食事をとろうと思ってね。あっちの食堂はほら、ストーブが使えないし」
「いい考えね! これならわざわざ二階に食事を運ばなくて済むし。ここから料理で火を使うから、ある程度暖かいものね」
「うん。あと日中の間にマットを天日干しして、三階の掃除にしようと思う。一部屋に全員は狭いだようしね」
「ふふ、確かにね。じゃあ部屋割りはどうするの?」
猫人族と、それ以外──と言うのは恥ずかしい。
だってそれってつまり、俺とセリスが相部屋ってことだし。
今までもそうだったけど、改めて部屋分けするのに俺たちがっていうのはね、うん。
ここは普通に考えて、
「男女で分けよう。一番小さなトートをどうするかだけど、ナナさんに聞いた方がいいだろうね」
「そう……分かったわ。朝食の時に話しましょう。あ、でももう二、三日は上で食事ね。あの子たち、元気そうに見えてやっぱり体力が凄く落ちてるから」
「了解。運ぶのは手伝うよ。さて、今朝はどうしようか。まだ固形物は控えた方がいいよね」
玉葱はコトコト煮込めば柔らかくなる。だから昨夜はオニオンスープにしたのだけど、別の味のほうがいいよね?
「昨日のスープが余ってるから、そこに魚の出汁を加えてあげたら?」
「残っているなら使わなきゃ勿体ないね。じゃあ出汁を取るか」
「イモ菜の葉を細かく刻んで入れましょう。少しだけね」
それは喜ぶな。
魚の骨も塩漬けにしてある。そのまま出汁取りにつかうと塩分過多になるので、いったん水で洗い流して、それからお湯を沸かした鍋へ。お湯は少なめで、出汁が出たら、オニオンスープに加えた。
この時には既にイモ菜の葉も浮かんでおり、パセリを散りばめたように見える。
今度はポタージュスープでもいいかもしれないな。
「わぁ、お野菜も入ってるニャ」
「玉葱だって野菜だぞ、ファンファ」
「そ、そうだったニャ。でもお兄ちゃん、お野菜二つも入ってるんニャよ! それにお魚の匂いもするニャぁ」
「美味しいねぇ、こんなご馳走が食べられるニャんて、ボク天国にいるみたいニャ」
「こらっ、縁起でもないこと言うもんじゃないっ」
とまぁ、猫人族の子供たちは元気だ。
ただそれは心だけで、体の方はまだ元気とは言えない。
起き上がって歩けば、軽い貧血のようにふらつくときもある。
ネネさんはまだマットから起き上がることも出来ない。
食料調達……どうするかなぁ。
「それでね、塔の二階と三階で部屋を分けようと思っているの。さすがに全員で眠るのは無理だから」
「えぇ、それで構わないです。オレと……トートはどうする? 兄ちゃんと一緒でいいか?」
「ヤダ」
トートの一言で、ロロは少しだけ傷ついたようだ。
寂しそうに「オレだけです」と言った。
「じゃあ俺とロロ、それにゴンがこの部屋を使って、女性陣は三階だ」
「だけどネネさんが歩けるようになってからね」
「すみません、お手数をお掛けして」
「気にしないでください。部屋の掃除もあるんで、今すぐって訳にもいきませんから」
それを聞いてロロが「俺がやります!」と声を上げる。するとリリも掃除を手伝うとと言い出す。
いやいや、二人ともまだ本調子じゃないから、今日明日ぐらいまではゆっくりして貰わないと。
だけど……住民が増えた分、更に食料の備蓄を増やさないと。
野菜はなんとかなるだろうけど、タンパク質が必要だ。
「床を掃いて、雑巾がけするだけでいい。それ以上はしなくていいから、ゆっくり、休み休みやるんだよ」
「任せてください!」
「俺とセリスは魚を獲りに行ってくる。冬支度用にね」
「ファンファはトートとお母さんの面倒を見てあげてね」
「はいニャの!」
「トートも、お母さんを助けてあげるんだぞ」
「ニャ!」
子供たちは『仕事』を与えられて嬉しそうだ。
朝食のあとは昼食の用意をして、ストーブに鍋ごと掛けておく。
じゃがいもを三つ入れているので、柔らかくなったら潰して解すように言ってある。
「じゃ、大漁を祈っててね」
「頑張ってください!」
子供たちの応援があったからか、この日の釣果は、これまでで一番になった。
「やぁ、おはようセリス……ふわぁぁ」
アイテムボックススキルの事をどう説明しようかと悩んだ結果、眠れなくなって朝まで厨房にいた。
話すとなるとリカバリーの説明もしなきゃならない。これはユニークスキルだ。
今この瞬間、このスキルを所持しているのは世界で俺ひとり。
全部話してしまった方が、この先楽ではあるんだけど……。
そもそもリカバリーの性能だけだと、俺がいくつものスキルを自由に入れ替えられる理由にはならない。
そこはスキルポイントの話になる訳で……すると転生者って説明も必要になってくるけど、転生者の存在は知られていない。
で、どうするかって振り出しに戻る訳だ。
はぁ……。
「眠ってないの?」
「あ、うん……ちょっと悩んでてね」
「あら。私で良ければ相談に乗るけど」
それが出来ないから徹夜で悩んでいたのに……。
「あ、そうだ。厨房に食堂のテーブルと椅子を運んだんだ。これからはここで食事をとろうと思ってね。あっちの食堂はほら、ストーブが使えないし」
「いい考えね! これならわざわざ二階に食事を運ばなくて済むし。ここから料理で火を使うから、ある程度暖かいものね」
「うん。あと日中の間にマットを天日干しして、三階の掃除にしようと思う。一部屋に全員は狭いだようしね」
「ふふ、確かにね。じゃあ部屋割りはどうするの?」
猫人族と、それ以外──と言うのは恥ずかしい。
だってそれってつまり、俺とセリスが相部屋ってことだし。
今までもそうだったけど、改めて部屋分けするのに俺たちがっていうのはね、うん。
ここは普通に考えて、
「男女で分けよう。一番小さなトートをどうするかだけど、ナナさんに聞いた方がいいだろうね」
「そう……分かったわ。朝食の時に話しましょう。あ、でももう二、三日は上で食事ね。あの子たち、元気そうに見えてやっぱり体力が凄く落ちてるから」
「了解。運ぶのは手伝うよ。さて、今朝はどうしようか。まだ固形物は控えた方がいいよね」
玉葱はコトコト煮込めば柔らかくなる。だから昨夜はオニオンスープにしたのだけど、別の味のほうがいいよね?
「昨日のスープが余ってるから、そこに魚の出汁を加えてあげたら?」
「残っているなら使わなきゃ勿体ないね。じゃあ出汁を取るか」
「イモ菜の葉を細かく刻んで入れましょう。少しだけね」
それは喜ぶな。
魚の骨も塩漬けにしてある。そのまま出汁取りにつかうと塩分過多になるので、いったん水で洗い流して、それからお湯を沸かした鍋へ。お湯は少なめで、出汁が出たら、オニオンスープに加えた。
この時には既にイモ菜の葉も浮かんでおり、パセリを散りばめたように見える。
今度はポタージュスープでもいいかもしれないな。
「わぁ、お野菜も入ってるニャ」
「玉葱だって野菜だぞ、ファンファ」
「そ、そうだったニャ。でもお兄ちゃん、お野菜二つも入ってるんニャよ! それにお魚の匂いもするニャぁ」
「美味しいねぇ、こんなご馳走が食べられるニャんて、ボク天国にいるみたいニャ」
「こらっ、縁起でもないこと言うもんじゃないっ」
とまぁ、猫人族の子供たちは元気だ。
ただそれは心だけで、体の方はまだ元気とは言えない。
起き上がって歩けば、軽い貧血のようにふらつくときもある。
ネネさんはまだマットから起き上がることも出来ない。
食料調達……どうするかなぁ。
「それでね、塔の二階と三階で部屋を分けようと思っているの。さすがに全員で眠るのは無理だから」
「えぇ、それで構わないです。オレと……トートはどうする? 兄ちゃんと一緒でいいか?」
「ヤダ」
トートの一言で、ロロは少しだけ傷ついたようだ。
寂しそうに「オレだけです」と言った。
「じゃあ俺とロロ、それにゴンがこの部屋を使って、女性陣は三階だ」
「だけどネネさんが歩けるようになってからね」
「すみません、お手数をお掛けして」
「気にしないでください。部屋の掃除もあるんで、今すぐって訳にもいきませんから」
それを聞いてロロが「俺がやります!」と声を上げる。するとリリも掃除を手伝うとと言い出す。
いやいや、二人ともまだ本調子じゃないから、今日明日ぐらいまではゆっくりして貰わないと。
だけど……住民が増えた分、更に食料の備蓄を増やさないと。
野菜はなんとかなるだろうけど、タンパク質が必要だ。
「床を掃いて、雑巾がけするだけでいい。それ以上はしなくていいから、ゆっくり、休み休みやるんだよ」
「任せてください!」
「俺とセリスは魚を獲りに行ってくる。冬支度用にね」
「ファンファはトートとお母さんの面倒を見てあげてね」
「はいニャの!」
「トートも、お母さんを助けてあげるんだぞ」
「ニャ!」
子供たちは『仕事』を与えられて嬉しそうだ。
朝食のあとは昼食の用意をして、ストーブに鍋ごと掛けておく。
じゃがいもを三つ入れているので、柔らかくなったら潰して解すように言ってある。
「じゃ、大漁を祈っててね」
「頑張ってください!」
子供たちの応援があったからか、この日の釣果は、これまでで一番になった。
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