32 / 35
第三十二話
しおりを挟む
結論から言うと、余の魔法で家を建てるのは不可能だ。
切ることが出来ても、組み上げたり、釘で打ち付けたりが出来ないのだから。
「そういやそうだな。まぁ全部魔法でどうにかなるんなら、俺ら職人の必要性もなくなるってもんだよな。がっはっはっは」
そう言ってガンドが嬉しそうに作業を続ける。
確かに魔法は便利だが、それで全てが解決する世の中など面白みがない。
困難あってこそ、スローライフが生きるというものだ。
昼食後、今から余は困難に立ち向かうべく森へと入る。
新築祝いパーティーの食材探しという困難に、だ。
「フェミア。マッツリュームの匂いは覚えているか?」
「う!」
「よし、では探すのだ!」
鼻をひくつかせたフェミアが、森の奥へと歩き出す。
余と並んで歩くと、フェミアの小ささがよくわかるな。
180センチには届かない余だが、フェミアの頭は脇の位置にある。
こやつの身長は140センチあるのだろうか。
最初の一つ目を見つけるのに、それほど時間は掛からなかった。
だが残念ながら、鑑定結果はマドクリュームと判明。
「ぐぬぬ。匂いまで同じであったか。次だ、フェミア!」
「うぅぅっ」
マツタケを探しつつ、森を奥へ、もっと奥へと進む。
ローゼたちが戻って来ているので、建築現場から離れても大丈夫だ。
どんどん進んでいき、辺りが鬱蒼をしてきた頃――。
「あぅ」
「マツタケか?」
首を横に振るフェミア。
彼女は前方にゴブリンの集団を発見していた。
奴らはこちらに気づいていない。
手に斧を持ち、静かにじぃっと何かを見つめている。
その視線の先に猪がいた。
なかなか大きな獲物だ。あれを狩って今夜のおかずにでもするつもりなのだろう。
「よし、あれを頂こう」
「ぅあっ」
「今夜は猪マツタケパーティーだ!」
今まさに猪を仕留めようと動き出したゴブリンに向かって――。
「ちょーっと待ったぁっ。その猪、こちらへ渡して貰おうか」
正々堂々と宣言すると、ゴブリンたちは首を傾げてこちらを見た。
『ゲギャ?』
『ゲギャゲギャ』
「猪は俺たちが貰う。いいな?」
『ギャッ。ゲッギャギャー!!』
どうやら交渉決裂なようだ。
いいではないか、猪の一頭や二頭ぐらい。ケチケチすんな。
「ぁ、あう」
「フェミア、お前は猪を――やれるか?」
ジャマダハルを買ってはやったが、未だそれを使ったことは無い。
初の獲物が猪というのは、少し大き過ぎるだろうか。そこはやっぱり兎とか、そういうのが良かったかもしれない。
だがフェミアは思いのほか力強く頷き、背中に背負った籠からジャマダハルを取り出し握った。
「よし、では俺がゴブリンを抑えておく。危なくなったら助けてやるからな、頑張れ」
「あうっ」
地を蹴って猪へと駆け出すフェミア。
そのフェミアを行かせまいと、ゴブリンたちも駆け出す。
「だから猪は俺たちが貰うと言っているだろう"岩壁《ロックウォール》"」
パチンと指を鳴らすと、駆け出すゴブリンの前方の地面から壁がせり上がる。
ゴスっという音と共に何体かが顔から突っ込み、その場に倒れた。
鼻の骨あたりが折れたりしてないだろうか。
まったく、余の話を聞いて理解しておれば痛い思いもしなかっただろうに。
「いいか、よく聞け。俺たちの夢のマイホームが完成するんだ。今夜は新築完成祝いでパーティーを開く」
世話になった集落の人たちも呼んである。
人数が多いほうが盛り上がるからな。
あと料理を作って貰うためだ。余はまともに料理をしたことが無いからな。
「人数が多いということは、だ。食材も大量に必要なのだよ。わかるか?」
『ゲギャッ!』
「おお、わかってくれた――って、何故斧を投げる!」
一体のゴブリンが投げていた斧を手掴みし投げ返す。
避けそこねたゴブリンの顔面に斧が突き刺さってしまった。
えぇっと、これは事故だ。
不慮の事故なのだ。
『ギギャゲーッ!』
『グギャグギャッ!!』
「あぁ、もうっせからしか!! "炎・無限狂乱《フレア・アンリミデット》"」
最初からこうしていればよかった。
炎でゴブリンどもを一掃し、消し炭にしてからフェミアの方を振り向く。
うむ。決着はまだなようだ。
猪の全身に裂傷があるが、フェミアもまた傷だらけだ。
「フェミア、手を貸そうか?」
だがフェミアは首を縦に振ろうとはせず、一度だけ横に振ってジャマダハルを強く握り締めた。
どうやらひとりで仕留めたいらしい。
頑張れフェミア。
今夜のメインディッシュの為に!
『グゲ……グゲギャ……』
ん?
どうやら"炎・無限狂乱《フレア・アンリミデット》"から生還したゴブリンがいるようだ。
黒く焦げた物体が、這いつくばって森の奥へと向かおうとしている。
猪を諦めるというのであれば見逃してやろう。
それよりも今はフェミアだ。
猪の突進攻撃はなかなかに強力で、あれを食らってはひとたまりもない。
その上長い牙を持っている。あれに突き刺されたら痛かろう。
痛いで済むのは余がいるからだ。いなければ出血多量で命の危険だってある。
「フェミア。何かあったらすぐに治療をしてやるからな。安心しろ」
「う」
短く応えたフェミアが身を屈め、両手のジャマダハルだらりと下ろし――そして跳んだ!
おぉ、なかなか凄いジャンプ力ではないか。
飛んだまま身をよじって回転する。
ジャマダハルに切り刻まれながら、それでもなお猪が反撃に転じる。
着地の瞬間、態勢を崩したフェミアに対してその牙を突き上げる猪。
マズい!? ――が、フェミアの予感していたようだ。
ギリギリのところで牙を躱すと、下から上へジャマダハルを振り上げる。
『プギャアアアァァァァァッ』
木霊する猪の断末魔。
これで勝負あったな。
「フェミア。強くなったなぁ」
力なく、されど嬉しそうに微笑むフェミア。
お前の成長を見れて、お父さんも嬉しいぞ。
気分はこんな感じ。
ふらふらと余の元へと歩きだすフェミアであったが、次の瞬間――。
余が見守る中、彼女の体が大きく弾んだ。
『プゴオオオォオォォォォッ』
「あぅ――」
木の葉のように舞うフェミアの体は、弧を描き飛んでくる。
「フェミアーっ!」
余は焦った。
なんたる失態だ。
余が……この魔王ディオルネシアが、モンスターごときの生死すら判別出来なかったとは。
余のせいでフェミアが……フェミアが!
彼女の体が地面に叩きつけられるよりも早く、その小さな体を胸に抱く。
息は……ある!
だが背骨も肋骨も折れ、肺や内臓を傷つけけているようだ。
このままではフェミアの命が危うい。
余は全ての力を解放し、その一端をフェミアへと注ぐ。
「今助けてやる。待っていろ、フェミア」
"再生《ケール》"で折れた骨を元の状態へと戻し、"治癒《ヒール》"で傷口を塞ぐ。
消えようとする命の炎を再び燃え上がらせるため、"蘇生《リザレクション》"を唱えた。
再び"再生"を――そして"治癒"を――そして"蘇生"。
何度か繰り返し、その都度呼びかける。
「フェミア」
返事をしろ。
「フェミア」
なんでもいい、返事をしてくれ。
「フェミアッ」
余が間違いであった。
こんな小さな体でモンスターと戦わせようなどと思った余が……。
そうだ。
余は魔王ディオルネシア。
余によっては雑魚であっても、他の者にとってはそうでないことを忘れてはいけぬのだ。
すまないフェミア。すまないっ。
彼女の小さな体をぎゅっと抱きしめ、余の魔力を注ぎ込む。
こうなったら余の生命力を分け与えてでも生き返らせて――。
「かふっ」
「フェミア!?」
小さく息を吹き返したフェミアに目をやると、僅かに瞳を開いた彼女が。
「あ……うぅ?」
「フェミア。聞こえるか? 俺の声が聞こえるか!?」
小さく頷く。だがその瞳はどこか不思議な物でも見るような、そんな色が伺えた。
余の顔がわからぬのだろうか。もしや猪に追突されたショックで、記憶障害にでも!?
「う……ぁ」
フェミアの細い指が余の顔を撫で、髪をかき上げる。
指に絡んだ余の髪を物珍しそうに見つめ……ん?
余の髪が……ロン毛に?
「おっと、いかんいかん。力を解放するにあたって、どうやら肉体も前世のそれに戻ったようだ」
「ぅお?」
「フェミアよ。これは俺とお前の二人だけの秘密だぞ?」
そう告げ、余はその力を再び鎮める。
そうすることで髪は縮み、博多っ子のそれへと戻った。
ふぅ。まさか力の開放によって、姿が変貌するとは。
フェミアに視線を戻すと、驚いたように口をパクパクさせていた。
「フェミア。俺には変身能力があるが、内緒だぞ?」
もう一度彼女にそう伝えると、はっと我に返ったフェミアが頷く。
「よし。では帰るとするか」
右手でフェミアを抱きかかえ、左手で何故か息をしていない猪を担ぎ歩き出す。
ファミアは落ちぬよう、余にしっかりしがみ付き顔を摺り寄せてくる。
「ぁ……あぁ、ぃあ……おぅ」
「ん?」
「あいあ……おぅ」
何かを言おうとしているようだが、喋ろうという意思はあるようだな。
「落ちないよう、しっかり掴まっていろ」
フェミアが頷き余の肩に腕を回す。
そうして森を抜けると、出迎えた面々が驚き、頭を抱えた。
「みんな揃って頭痛か?」
切ることが出来ても、組み上げたり、釘で打ち付けたりが出来ないのだから。
「そういやそうだな。まぁ全部魔法でどうにかなるんなら、俺ら職人の必要性もなくなるってもんだよな。がっはっはっは」
そう言ってガンドが嬉しそうに作業を続ける。
確かに魔法は便利だが、それで全てが解決する世の中など面白みがない。
困難あってこそ、スローライフが生きるというものだ。
昼食後、今から余は困難に立ち向かうべく森へと入る。
新築祝いパーティーの食材探しという困難に、だ。
「フェミア。マッツリュームの匂いは覚えているか?」
「う!」
「よし、では探すのだ!」
鼻をひくつかせたフェミアが、森の奥へと歩き出す。
余と並んで歩くと、フェミアの小ささがよくわかるな。
180センチには届かない余だが、フェミアの頭は脇の位置にある。
こやつの身長は140センチあるのだろうか。
最初の一つ目を見つけるのに、それほど時間は掛からなかった。
だが残念ながら、鑑定結果はマドクリュームと判明。
「ぐぬぬ。匂いまで同じであったか。次だ、フェミア!」
「うぅぅっ」
マツタケを探しつつ、森を奥へ、もっと奥へと進む。
ローゼたちが戻って来ているので、建築現場から離れても大丈夫だ。
どんどん進んでいき、辺りが鬱蒼をしてきた頃――。
「あぅ」
「マツタケか?」
首を横に振るフェミア。
彼女は前方にゴブリンの集団を発見していた。
奴らはこちらに気づいていない。
手に斧を持ち、静かにじぃっと何かを見つめている。
その視線の先に猪がいた。
なかなか大きな獲物だ。あれを狩って今夜のおかずにでもするつもりなのだろう。
「よし、あれを頂こう」
「ぅあっ」
「今夜は猪マツタケパーティーだ!」
今まさに猪を仕留めようと動き出したゴブリンに向かって――。
「ちょーっと待ったぁっ。その猪、こちらへ渡して貰おうか」
正々堂々と宣言すると、ゴブリンたちは首を傾げてこちらを見た。
『ゲギャ?』
『ゲギャゲギャ』
「猪は俺たちが貰う。いいな?」
『ギャッ。ゲッギャギャー!!』
どうやら交渉決裂なようだ。
いいではないか、猪の一頭や二頭ぐらい。ケチケチすんな。
「ぁ、あう」
「フェミア、お前は猪を――やれるか?」
ジャマダハルを買ってはやったが、未だそれを使ったことは無い。
初の獲物が猪というのは、少し大き過ぎるだろうか。そこはやっぱり兎とか、そういうのが良かったかもしれない。
だがフェミアは思いのほか力強く頷き、背中に背負った籠からジャマダハルを取り出し握った。
「よし、では俺がゴブリンを抑えておく。危なくなったら助けてやるからな、頑張れ」
「あうっ」
地を蹴って猪へと駆け出すフェミア。
そのフェミアを行かせまいと、ゴブリンたちも駆け出す。
「だから猪は俺たちが貰うと言っているだろう"岩壁《ロックウォール》"」
パチンと指を鳴らすと、駆け出すゴブリンの前方の地面から壁がせり上がる。
ゴスっという音と共に何体かが顔から突っ込み、その場に倒れた。
鼻の骨あたりが折れたりしてないだろうか。
まったく、余の話を聞いて理解しておれば痛い思いもしなかっただろうに。
「いいか、よく聞け。俺たちの夢のマイホームが完成するんだ。今夜は新築完成祝いでパーティーを開く」
世話になった集落の人たちも呼んである。
人数が多いほうが盛り上がるからな。
あと料理を作って貰うためだ。余はまともに料理をしたことが無いからな。
「人数が多いということは、だ。食材も大量に必要なのだよ。わかるか?」
『ゲギャッ!』
「おお、わかってくれた――って、何故斧を投げる!」
一体のゴブリンが投げていた斧を手掴みし投げ返す。
避けそこねたゴブリンの顔面に斧が突き刺さってしまった。
えぇっと、これは事故だ。
不慮の事故なのだ。
『ギギャゲーッ!』
『グギャグギャッ!!』
「あぁ、もうっせからしか!! "炎・無限狂乱《フレア・アンリミデット》"」
最初からこうしていればよかった。
炎でゴブリンどもを一掃し、消し炭にしてからフェミアの方を振り向く。
うむ。決着はまだなようだ。
猪の全身に裂傷があるが、フェミアもまた傷だらけだ。
「フェミア、手を貸そうか?」
だがフェミアは首を縦に振ろうとはせず、一度だけ横に振ってジャマダハルを強く握り締めた。
どうやらひとりで仕留めたいらしい。
頑張れフェミア。
今夜のメインディッシュの為に!
『グゲ……グゲギャ……』
ん?
どうやら"炎・無限狂乱《フレア・アンリミデット》"から生還したゴブリンがいるようだ。
黒く焦げた物体が、這いつくばって森の奥へと向かおうとしている。
猪を諦めるというのであれば見逃してやろう。
それよりも今はフェミアだ。
猪の突進攻撃はなかなかに強力で、あれを食らってはひとたまりもない。
その上長い牙を持っている。あれに突き刺されたら痛かろう。
痛いで済むのは余がいるからだ。いなければ出血多量で命の危険だってある。
「フェミア。何かあったらすぐに治療をしてやるからな。安心しろ」
「う」
短く応えたフェミアが身を屈め、両手のジャマダハルだらりと下ろし――そして跳んだ!
おぉ、なかなか凄いジャンプ力ではないか。
飛んだまま身をよじって回転する。
ジャマダハルに切り刻まれながら、それでもなお猪が反撃に転じる。
着地の瞬間、態勢を崩したフェミアに対してその牙を突き上げる猪。
マズい!? ――が、フェミアの予感していたようだ。
ギリギリのところで牙を躱すと、下から上へジャマダハルを振り上げる。
『プギャアアアァァァァァッ』
木霊する猪の断末魔。
これで勝負あったな。
「フェミア。強くなったなぁ」
力なく、されど嬉しそうに微笑むフェミア。
お前の成長を見れて、お父さんも嬉しいぞ。
気分はこんな感じ。
ふらふらと余の元へと歩きだすフェミアであったが、次の瞬間――。
余が見守る中、彼女の体が大きく弾んだ。
『プゴオオオォオォォォォッ』
「あぅ――」
木の葉のように舞うフェミアの体は、弧を描き飛んでくる。
「フェミアーっ!」
余は焦った。
なんたる失態だ。
余が……この魔王ディオルネシアが、モンスターごときの生死すら判別出来なかったとは。
余のせいでフェミアが……フェミアが!
彼女の体が地面に叩きつけられるよりも早く、その小さな体を胸に抱く。
息は……ある!
だが背骨も肋骨も折れ、肺や内臓を傷つけけているようだ。
このままではフェミアの命が危うい。
余は全ての力を解放し、その一端をフェミアへと注ぐ。
「今助けてやる。待っていろ、フェミア」
"再生《ケール》"で折れた骨を元の状態へと戻し、"治癒《ヒール》"で傷口を塞ぐ。
消えようとする命の炎を再び燃え上がらせるため、"蘇生《リザレクション》"を唱えた。
再び"再生"を――そして"治癒"を――そして"蘇生"。
何度か繰り返し、その都度呼びかける。
「フェミア」
返事をしろ。
「フェミア」
なんでもいい、返事をしてくれ。
「フェミアッ」
余が間違いであった。
こんな小さな体でモンスターと戦わせようなどと思った余が……。
そうだ。
余は魔王ディオルネシア。
余によっては雑魚であっても、他の者にとってはそうでないことを忘れてはいけぬのだ。
すまないフェミア。すまないっ。
彼女の小さな体をぎゅっと抱きしめ、余の魔力を注ぎ込む。
こうなったら余の生命力を分け与えてでも生き返らせて――。
「かふっ」
「フェミア!?」
小さく息を吹き返したフェミアに目をやると、僅かに瞳を開いた彼女が。
「あ……うぅ?」
「フェミア。聞こえるか? 俺の声が聞こえるか!?」
小さく頷く。だがその瞳はどこか不思議な物でも見るような、そんな色が伺えた。
余の顔がわからぬのだろうか。もしや猪に追突されたショックで、記憶障害にでも!?
「う……ぁ」
フェミアの細い指が余の顔を撫で、髪をかき上げる。
指に絡んだ余の髪を物珍しそうに見つめ……ん?
余の髪が……ロン毛に?
「おっと、いかんいかん。力を解放するにあたって、どうやら肉体も前世のそれに戻ったようだ」
「ぅお?」
「フェミアよ。これは俺とお前の二人だけの秘密だぞ?」
そう告げ、余はその力を再び鎮める。
そうすることで髪は縮み、博多っ子のそれへと戻った。
ふぅ。まさか力の開放によって、姿が変貌するとは。
フェミアに視線を戻すと、驚いたように口をパクパクさせていた。
「フェミア。俺には変身能力があるが、内緒だぞ?」
もう一度彼女にそう伝えると、はっと我に返ったフェミアが頷く。
「よし。では帰るとするか」
右手でフェミアを抱きかかえ、左手で何故か息をしていない猪を担ぎ歩き出す。
ファミアは落ちぬよう、余にしっかりしがみ付き顔を摺り寄せてくる。
「ぁ……あぁ、ぃあ……おぅ」
「ん?」
「あいあ……おぅ」
何かを言おうとしているようだが、喋ろうという意思はあるようだな。
「落ちないよう、しっかり掴まっていろ」
フェミアが頷き余の肩に腕を回す。
そうして森を抜けると、出迎えた面々が驚き、頭を抱えた。
「みんな揃って頭痛か?」
1
あなたにおすすめの小説
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
【完結】スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします
ランド犬
ファンタジー
異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは
――〈ホームセンター〉
壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。
気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。
拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。
死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。
命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。
自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる