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完)元魔王は勇者
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ちょっとやり過ぎたかもしれない。
というのも、この上は墓地だ。
今のホーリー・バーストで墓地に暮らすアンデットが全て浄化してしまったからだ。
罪なき亡者もいただろう。
僕反省。
あともう少し言うと、大聖堂周辺──もっち言うとこの国全土のアンデッドや彷徨える魂全てを浄化したかもしれない。
なんとなくそんな気がする。
アンデッドはこの国から消滅してしまうと、冒険者の方々にも迷惑をかけてしまうな。
仕方がない。今度アンデッドが生息していた地に出向いて、疑似アンデッドを作ってやろう。
「ル、ルイン……な、なんなのよ今も。規格外なんてものじゃないでしょ……」
「ルイン様は……神のお使い?」
「ん? 僕がかい? いやいや、神なんて、あんなものと一緒にしないで欲しいな」
今のお仕置きで地の底にいる狂気の女神は縮こまってしまったようだ。
それでいい。
念のため封印しておこうか。
「消滅させてやってもいいんだけど、それだと世界の均衡が崩れてしまう……歯がゆいけど、僕の本能がそれを知っているからね」
「ルインの本能?」
「ん。僕は──数百年前に滅ぼされた魔王、なんだ。僕の役目は光と闇のバランスを保つこと。そのために勇者の相手をさせられていたんだ」
「な、なにを言ってるのルイン」
「まぁ気にしないで。今の僕は魔王ではなく、ルイン・アルファートだから」
粛々と女神を封印する魔法陣を作成していく。
僕の血をもって。
時折地面が小さく震えるように揺れるのは、恐怖によるものだろうか?
「さぁ。地の底で眠れ。どうせだから地獄の一歩手前でね。ふふ、ふふふふふふふふ」
異界の門の直前に女神の魂を追いやり、そこで封印っと。
「ひぃっ。女神ロザンヌ様がっ」
「マリアロゼ。僕のスローライフ計画を邪魔したね」
「ひっ。ル、ルイン様……」
「ロザンヌもひとりでは寂しいだろうし、話し相手になってやるといい」
青ざめるマリアロゼの額に、ロザンヌを封印したのと同じ魔法陣を押し当てた。
その瞬間、マリアロゼが倒れる。
魂を抜いて、それだけをロザンヌの下へ届けたからだ。
「さて。じゃあ帰ろうか。ギルドにも報告しなきゃならないが、まずは風呂に入りたいな。ここはかび臭くていけない」
二人の手を掴み、空間転移の魔法を唱えた。
スローライフ計画は着々と進行──していない。
どうしてこうなったのか。
僕は今、オークの群れを相手にしている。
いや、させられている。
「勇者さま! 来ましたぜっ」
「僕は勇者じゃない」
憤然として地を蹴ると、周りの冒険者たちが肩を竦めた。
「あぁ、そういや勇者って呼ばれるのが嫌いでしたっけ?」
「でも仕方ないですよ。ルインさまは光の勇者なんですから」
「ぐぬぬぬ」
ロザンヌの一件以来、何故か僕は勇者と呼ばれるようになった。
幼馴染が聖女。
これがイケナナ。とてもイケナイ。
さらにフィリアが聖女に選ばれる直前に、光の神アポロノスが近々勇者が出現すると信託を下したって言うから余計にイケナイ。
勇者の存在のせいで僕は──私は魔王城に監禁されていたんだ。
その私が今や勇者だと!
くっ
なんたる屈辱。
「さぁさぁ勇者さま。老後のスローライフのために」
「今は目の前のオークどもを倒しましょう」
「ほら、ルイン。行くわよ!」
「老後……老後のためだな……くそっ」
全ては最強のスローライフのために!
なら甘んじて勇者と呼ばれてやろうではないか!
「"神の祝福を我が下に。聖なる光よ我が手に宿れ――聖なる拳"」
僕の最強スローライフ計画を邪魔する奴らは、みんなまとめでぶん殴る!
というのも、この上は墓地だ。
今のホーリー・バーストで墓地に暮らすアンデットが全て浄化してしまったからだ。
罪なき亡者もいただろう。
僕反省。
あともう少し言うと、大聖堂周辺──もっち言うとこの国全土のアンデッドや彷徨える魂全てを浄化したかもしれない。
なんとなくそんな気がする。
アンデッドはこの国から消滅してしまうと、冒険者の方々にも迷惑をかけてしまうな。
仕方がない。今度アンデッドが生息していた地に出向いて、疑似アンデッドを作ってやろう。
「ル、ルイン……な、なんなのよ今も。規格外なんてものじゃないでしょ……」
「ルイン様は……神のお使い?」
「ん? 僕がかい? いやいや、神なんて、あんなものと一緒にしないで欲しいな」
今のお仕置きで地の底にいる狂気の女神は縮こまってしまったようだ。
それでいい。
念のため封印しておこうか。
「消滅させてやってもいいんだけど、それだと世界の均衡が崩れてしまう……歯がゆいけど、僕の本能がそれを知っているからね」
「ルインの本能?」
「ん。僕は──数百年前に滅ぼされた魔王、なんだ。僕の役目は光と闇のバランスを保つこと。そのために勇者の相手をさせられていたんだ」
「な、なにを言ってるのルイン」
「まぁ気にしないで。今の僕は魔王ではなく、ルイン・アルファートだから」
粛々と女神を封印する魔法陣を作成していく。
僕の血をもって。
時折地面が小さく震えるように揺れるのは、恐怖によるものだろうか?
「さぁ。地の底で眠れ。どうせだから地獄の一歩手前でね。ふふ、ふふふふふふふふ」
異界の門の直前に女神の魂を追いやり、そこで封印っと。
「ひぃっ。女神ロザンヌ様がっ」
「マリアロゼ。僕のスローライフ計画を邪魔したね」
「ひっ。ル、ルイン様……」
「ロザンヌもひとりでは寂しいだろうし、話し相手になってやるといい」
青ざめるマリアロゼの額に、ロザンヌを封印したのと同じ魔法陣を押し当てた。
その瞬間、マリアロゼが倒れる。
魂を抜いて、それだけをロザンヌの下へ届けたからだ。
「さて。じゃあ帰ろうか。ギルドにも報告しなきゃならないが、まずは風呂に入りたいな。ここはかび臭くていけない」
二人の手を掴み、空間転移の魔法を唱えた。
スローライフ計画は着々と進行──していない。
どうしてこうなったのか。
僕は今、オークの群れを相手にしている。
いや、させられている。
「勇者さま! 来ましたぜっ」
「僕は勇者じゃない」
憤然として地を蹴ると、周りの冒険者たちが肩を竦めた。
「あぁ、そういや勇者って呼ばれるのが嫌いでしたっけ?」
「でも仕方ないですよ。ルインさまは光の勇者なんですから」
「ぐぬぬぬ」
ロザンヌの一件以来、何故か僕は勇者と呼ばれるようになった。
幼馴染が聖女。
これがイケナナ。とてもイケナイ。
さらにフィリアが聖女に選ばれる直前に、光の神アポロノスが近々勇者が出現すると信託を下したって言うから余計にイケナイ。
勇者の存在のせいで僕は──私は魔王城に監禁されていたんだ。
その私が今や勇者だと!
くっ
なんたる屈辱。
「さぁさぁ勇者さま。老後のスローライフのために」
「今は目の前のオークどもを倒しましょう」
「ほら、ルイン。行くわよ!」
「老後……老後のためだな……くそっ」
全ては最強のスローライフのために!
なら甘んじて勇者と呼ばれてやろうではないか!
「"神の祝福を我が下に。聖なる光よ我が手に宿れ――聖なる拳"」
僕の最強スローライフ計画を邪魔する奴らは、みんなまとめでぶん殴る!
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