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女装と復讐 -発起編-
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『なに言ってんのよ。お兄ちゃん。そんなこと気にしなくてもいいのに。だから泣かなくてもいいのよ』
菊江のおっさんは、見た目こそ…あれだけど、根は凄くいい人だ。
詩織が『私、菊江さん大っ好きー♪』って言うのも理解できる。
『僕は今、改めて皆さんを見て…本当に幸せなんだなぁって思いました…。この瀬ヶ池には僕の味方なんて…一人もいないって思ってたのに…』
…こんなに嬉しい幸せを僕に与えてくれたのは、間違いなく菊江のおっさん。
あの日の駅前通りでは僕…おっさんから超全力疾走で逃げたんだけど…。
でもあの日…もし、あのラーメン屋に行かずに、あのままアパートへ帰っていたら…。
あの時、菊江のおっさんに全力で捕まってなかったら…。
『…信吾。お前はもう俺たちの《大切な仲間》なんだ。だからお前は、もう一人なんかじゃないからな』
『はい…秋良さん』
『そして、あなたは私が信頼するパートナーだからね』
詩織は僕と秋良さんの間に来て、狭い隙間に無理やりお尻を突っ込んで、割り込んできて座った。
『ほーら。せっかくアンナさんのしてくれた最高のメイクが壊れちゃいそうだよ。だから、もう泣かないのー金魚』
そう言って僕の肩をぎゅっと抱いて、詩織は優しく僕の体を譲ってくれた。
『僕…詩織にも今まで…何の感謝の一言も…』
『やめてよー。私たちパートナーだよ。そんな気遣いは要らないんだってばー』
詩織は僕の頭を、ぽんぽんと軽く叩いた。
『ねぇ金魚、ちょっとこっち見なさい』
『…?』
僕はふと泣き止み、顔を上げて詩織の顔を見た。
『…うん。なに?』
『やっぱりあなたは卑怯よ』
『えっ?なんで!?』
今の詩織の表情は、凄く真顔に見えた。
『あなたは…笑ってても、泣いてても…歩く後ろ姿も…横顔も。いちいち一つ一つが本当に可愛いの。だからあなたは卑怯です』
『…あの、何言ってんの…詩織』
僕と詩織は一瞬の間をもって、お互い声を抑えられないまま大爆笑した。
『きゃはははは…ねぇ金魚。どうせ復讐するのなら、復讐っていう暗いイメージを吹っ飛ばして、復讐をおもいっきり楽しもうよ』
詩織のこの時の笑顔…凄くキラキラしてた。綺麗だった。
『うん。僕、絶対に瀬ヶ池で有名になる。絶対一番有名になるから』
『そうだよ!ここにいるみんなの為にも、絶対に瀬ヶ池で一番有名な女の子にならなきゃダメだよ!』
…なんて語ってた詩織。
一瞬…変な表情を見せた。
『…ん?金魚が一番なら…じゃあ私は二番になぁーろおっと』
僕は詩織の、その言葉を断固否定した。
『僕が一番なら詩織も一番だよ。僕らは同じパートナーなんだから』
詩織の瞳がもっとキラキラと輝いた。
そして僕の肩を更に強く抱きしめた。
『そうだね…うん。ありがとう…』
何となくなんだけど、僕と詩織との絆が深まった…ような気がした。
菊江のおっさんは、見た目こそ…あれだけど、根は凄くいい人だ。
詩織が『私、菊江さん大っ好きー♪』って言うのも理解できる。
『僕は今、改めて皆さんを見て…本当に幸せなんだなぁって思いました…。この瀬ヶ池には僕の味方なんて…一人もいないって思ってたのに…』
…こんなに嬉しい幸せを僕に与えてくれたのは、間違いなく菊江のおっさん。
あの日の駅前通りでは僕…おっさんから超全力疾走で逃げたんだけど…。
でもあの日…もし、あのラーメン屋に行かずに、あのままアパートへ帰っていたら…。
あの時、菊江のおっさんに全力で捕まってなかったら…。
『…信吾。お前はもう俺たちの《大切な仲間》なんだ。だからお前は、もう一人なんかじゃないからな』
『はい…秋良さん』
『そして、あなたは私が信頼するパートナーだからね』
詩織は僕と秋良さんの間に来て、狭い隙間に無理やりお尻を突っ込んで、割り込んできて座った。
『ほーら。せっかくアンナさんのしてくれた最高のメイクが壊れちゃいそうだよ。だから、もう泣かないのー金魚』
そう言って僕の肩をぎゅっと抱いて、詩織は優しく僕の体を譲ってくれた。
『僕…詩織にも今まで…何の感謝の一言も…』
『やめてよー。私たちパートナーだよ。そんな気遣いは要らないんだってばー』
詩織は僕の頭を、ぽんぽんと軽く叩いた。
『ねぇ金魚、ちょっとこっち見なさい』
『…?』
僕はふと泣き止み、顔を上げて詩織の顔を見た。
『…うん。なに?』
『やっぱりあなたは卑怯よ』
『えっ?なんで!?』
今の詩織の表情は、凄く真顔に見えた。
『あなたは…笑ってても、泣いてても…歩く後ろ姿も…横顔も。いちいち一つ一つが本当に可愛いの。だからあなたは卑怯です』
『…あの、何言ってんの…詩織』
僕と詩織は一瞬の間をもって、お互い声を抑えられないまま大爆笑した。
『きゃはははは…ねぇ金魚。どうせ復讐するのなら、復讐っていう暗いイメージを吹っ飛ばして、復讐をおもいっきり楽しもうよ』
詩織のこの時の笑顔…凄くキラキラしてた。綺麗だった。
『うん。僕、絶対に瀬ヶ池で有名になる。絶対一番有名になるから』
『そうだよ!ここにいるみんなの為にも、絶対に瀬ヶ池で一番有名な女の子にならなきゃダメだよ!』
…なんて語ってた詩織。
一瞬…変な表情を見せた。
『…ん?金魚が一番なら…じゃあ私は二番になぁーろおっと』
僕は詩織の、その言葉を断固否定した。
『僕が一番なら詩織も一番だよ。僕らは同じパートナーなんだから』
詩織の瞳がもっとキラキラと輝いた。
そして僕の肩を更に強く抱きしめた。
『そうだね…うん。ありがとう…』
何となくなんだけど、僕と詩織との絆が深まった…ような気がした。
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