148 / 491
女装と復讐 -躍動編-
page.132
しおりを挟む
有り得ない…白色のレクサス、超高級個人タクシー《おばタク》は、美容院の駐車場から車道へ慎重に出て、瀬ヶ池を目指して走り出した…。
あぁ…凄く不安だ…。
…なんてことは全然なかった。
《おばタク》はめちゃくちゃ安全運転。
逆に軽自動車や原付バイクに追い越されてるぐらい。
車内は静かだし…座り心地も最高ね。気持ち良い…。
…なぁんて言ってた詩織が、岡本さんに話し掛けた。
『あの…岡本さん』
『詩織ちゃん。同じ苗字なんだし、岡本さんなんて堅い呼び方は止めて。もっと気軽に。私のことは "岡ちゃん" って呼んで』
えっ?…僕と詩織は互いの顔を見た。
『きゃはは。じゃあ…えっと…岡ちゃん』
『うん。何かしら?』
詩織は恥ずかしそうに笑った。
『えへへっ。もしかしたら…このタクシーに買い換えてから初めて乗せるお客って…私たちだったりしない?』
『うぅん。もう何人かは乗せてるわよ。先日は藤浦銀行の頭取の島根さんと女性秘書を載せたし…藤浦の不動産王と呼ばれる "佐々木天清" 会長でしょ。梶川建設の会長婦人に…リンちゃんでしょ。それに…』
『待って!リンちゃんって…あの伊藤鈴ちゃん!?』
詩織が後部座席から、勢いよく前へ身を乗り出す。
『えぇ、そうよ。鈴ちゃん。今年のお正月は海外では過ごさず、実家で過ごすってね』
『あの…去年の年末の《G.F.アワード》…あの時も!?』
『あー、うん。私が送迎したわ。鈴ちゃんを。もっとも、あの時は古いクラウンのほうだったけどね』
詩織と僕は…また見合った。
いつも以上に詩織の瞳が、キラキラキラキラと輝いている。
『あ、そうそう。そういえば…帰りのこのタクシーの中で鈴ちゃんがね、会場に集まった女の子たちの中に…なーんか不思議ーな子がいたんだ…ってハイテンションで言ってたわ』
『不思議!?…ねぇ、岡ちゃん!どんなふうに!?』
『ちょっと…詩織。車ん中で暴れると危ないって…』
…全く聞こえてないのか…僕の注意に返事なし…。
『鈴ちゃん…何って言ってたかしら…。とにかく、藤浦市では見たことないぐらい凄く可愛くて…あ!そうそう。普通の女の子っぽくない雰囲気だったって、鈴ちゃん言ってたわ』
…普通の女の子っぽくない?
それはやっぱり僕…金魚のことだろうか…?
金魚は《普通っぽくない》どころか…本当は《女の子ですらない》し。
『ほら!ぜったい金魚のことだよ!たぶん!!』
…って、詩織も言ってるし。
『あ…その子って…もしかして、私のことかも…?』
僕はそう、岡も…コホン。
岡ちゃんに訊いてみた…。
あぁ…凄く不安だ…。
…なんてことは全然なかった。
《おばタク》はめちゃくちゃ安全運転。
逆に軽自動車や原付バイクに追い越されてるぐらい。
車内は静かだし…座り心地も最高ね。気持ち良い…。
…なぁんて言ってた詩織が、岡本さんに話し掛けた。
『あの…岡本さん』
『詩織ちゃん。同じ苗字なんだし、岡本さんなんて堅い呼び方は止めて。もっと気軽に。私のことは "岡ちゃん" って呼んで』
えっ?…僕と詩織は互いの顔を見た。
『きゃはは。じゃあ…えっと…岡ちゃん』
『うん。何かしら?』
詩織は恥ずかしそうに笑った。
『えへへっ。もしかしたら…このタクシーに買い換えてから初めて乗せるお客って…私たちだったりしない?』
『うぅん。もう何人かは乗せてるわよ。先日は藤浦銀行の頭取の島根さんと女性秘書を載せたし…藤浦の不動産王と呼ばれる "佐々木天清" 会長でしょ。梶川建設の会長婦人に…リンちゃんでしょ。それに…』
『待って!リンちゃんって…あの伊藤鈴ちゃん!?』
詩織が後部座席から、勢いよく前へ身を乗り出す。
『えぇ、そうよ。鈴ちゃん。今年のお正月は海外では過ごさず、実家で過ごすってね』
『あの…去年の年末の《G.F.アワード》…あの時も!?』
『あー、うん。私が送迎したわ。鈴ちゃんを。もっとも、あの時は古いクラウンのほうだったけどね』
詩織と僕は…また見合った。
いつも以上に詩織の瞳が、キラキラキラキラと輝いている。
『あ、そうそう。そういえば…帰りのこのタクシーの中で鈴ちゃんがね、会場に集まった女の子たちの中に…なーんか不思議ーな子がいたんだ…ってハイテンションで言ってたわ』
『不思議!?…ねぇ、岡ちゃん!どんなふうに!?』
『ちょっと…詩織。車ん中で暴れると危ないって…』
…全く聞こえてないのか…僕の注意に返事なし…。
『鈴ちゃん…何って言ってたかしら…。とにかく、藤浦市では見たことないぐらい凄く可愛くて…あ!そうそう。普通の女の子っぽくない雰囲気だったって、鈴ちゃん言ってたわ』
…普通の女の子っぽくない?
それはやっぱり僕…金魚のことだろうか…?
金魚は《普通っぽくない》どころか…本当は《女の子ですらない》し。
『ほら!ぜったい金魚のことだよ!たぶん!!』
…って、詩織も言ってるし。
『あ…その子って…もしかして、私のことかも…?』
僕はそう、岡も…コホン。
岡ちゃんに訊いてみた…。
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる