女装と復讐は街の華

筆鼬

文字の大きさ
178 / 491
女装と復讐 -躍動編-

page.162

しおりを挟む
岡ちゃんは鈴ちゃんと一言二言お礼を交わし、電話を終えた。


『岡ちゃん、お電話ありがとーう♪』
『ありがとう』


岡ちゃんはニコッと笑った。


『詩織ちゃん、金魚ちゃん。最後に鈴ちゃんが言ってたわよ』

『言ってた…って!?』
『えっ、なんて?』


岡ちゃんは僕らに、更に優し気な笑顔を見せてくれながら言った。


『鈴ちゃんね、《2人ともなの。だから私からも…2人のことを岡ちゃん、宜しくね!》って』


私の…大切なお友達…。

僕は詩織と視線を交わした。
詩織はこぼれ落ちそうなくらい嬉しそうな笑顔だったけど、僕の絵がだって詩織に決して負けてなかったはず。


『じゃあ…もうたくさんの女の子たちが、金魚ちゃんと詩織ちゃんの2人が《おばタク》から出てくるのをずーっと待ってるみたいだから…そろそろドアを開けるわね。ちょっと待ってて』


すでに《おばタク》の左側は、瀬ヶ池の女の子たちであふれていた。
いつものように後部座席のドアを開けてくれる岡ちゃん。


『岡ちゃん、ありがとう』


先に詩織が出る。外のざわつく声が車内に勢いよく飛び込んでくる。


『ありがとう。岡ちゃん…よいしょ』


そして次に金魚ぼく。岡ちゃんに左掌を預け、ゆっくりと立ち上がるように外に出た。


「きゃあ!…ちょ…見て!!」
「あ…髪切ってる!!」
「わぁ!髪短く切ったんだぁ!可愛いー!」
「でもいい…この髪型凄くお洒落だしかわいい…」
「あー。金魚の今日の髪型、なんかいいねー」


…金魚…かよ。
本人に丸聞こえなんだからさぁ…《ちゃん》ぐらい付け…まぁいいや。


僕は僕らを取り囲む女の子たちの前に立ち、冷めたぐらい落ち着いて周りを見回した。


『きゃははは。やっぱり女の子たちの視線や注目を集めるって…ほんと気持ちいいねー』


僕は黙って、凄く上機嫌そうな詩織をまた見た。


『金魚…あなたがこの瀬ヶ池の《女の子たちの嬢傑 ヒロイン》となれる条件は…もう全て揃ってたりするのかもね』

『…揃ってる?』

『だって《並外れた可愛さ》《ファッションスタイル》《十分な知名度》《話題性》そして…《現役有名アイドルとお友達ー♪》』


『まぁ…鈴ちゃんの件に関しては、ただのラッキーだっただけ…だけどねー』なんて詩織。


『やっぱり…まだ揃ってない』

『えっ?…まだ何か足りなかった?』


僕は詩織に、冷静に頷いて見せる。


『…《G.F.》デビュー…』

『あっ!』


僕はもう一度、周りの女の子たちを見渡した…そして一言吠える。


『ねぇ…そんなにこの髪型って…いい?』


「えっ?」
「えっ!?」
























しおりを挟む
感想 224

あなたにおすすめの小説

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-

ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。 1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。 わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。 だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。 これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。 希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。 ※アルファポリス限定投稿

処理中です...