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女装と復讐 -躍動編-
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僕は笹川ビルディングへと向かう車の中で…僕はさっきの財布の、ちょっと気になることを訊いてみた。
『…春華さん』
『なぁに?』
『あの…革の財布とチェーンの代金、大基さんに払い忘れてるとか…』
『なんで?だって無料提供が原則なんでしょ?』
えぇっ?…金魚にだけじゃなくて、仲間同士内でも、全てが無料提供!?…うそっ!?
『てゆうか、秋良さんも金魚が好きなんですね…』
『えっ?…どういうこと?』
春華さんの声のトーンが少し変わったように僕は聞こえたから、僕は慌てて今の発言に補足を入れた。
『あ…いえ。金魚って言っても、女装した僕のことじゃなくて、秋良さんの新しい長財布のことです』
『…?』
僕と会話しながらも、春華さんは今も目は真っ直ぐに前を見て運転している。
『秋良くんの新しい長財布?…金魚ちゃん、なにか勘違いしてない?この長財布ね…秋良くんのじゃなくて、金魚ちゃんのだよ?』
………えっ!?
午前11時5分…僕らは《笹川ビルディング》に到着。ビルの地下駐車場に車を停め、エレベーターで撮影スタジオ&《藤浦市商業開発広告製作委員会》の事務所のある3階へ。
それにしても…完全に見た目、女の子の金魚に男物の長財布を提供…って、どういう発想なんだろう…。
《3階です。ドアが開きます》
エレベーターを降りて、あの廊下に立った僕と春華さん。
『あ…あれ!金魚じゃない!?』
『ほんとだ!金魚ちゃんだぁ!』
『本当だぁ!』
…廊下で順番待ちをしている女の子たちを無視し、廊下を進んで暗い撮影室を素通りし、控え室へ…。
まだ時間が早かったのか、樋口絵里佳の姿はなかった。
『しーおりちゃんッ♪』
『詩織。お疲れさま』
『あー。春華さんと金魚…ありがとう。お二人もお疲れさまぁ』
姿勢良く椅子に座り、緩やかな巻き髪が乱れないようにして、詩織も撮影の順番待ちをしている様子。
『ねぇ詩織』
『ん?なに?』
『次で撮影、何回目?』
『次で何回目じゃないよ。1回目だよ』
あ…そうなんだ。
んで、今アンナさんは?…というと…。
撮影待ちの他の素人モデルの女の子たちの、メイクや髪型や服装の乱れを、次から次へとせっせと直してあげている。
もちろん、お金を貰ってやってるわけじゃない。真面目で思い遣りの深いアンナさんの、周囲への優しい心遣いだ。
『小娘、おつかれさん』
『はーい。雄二さんも1回目お疲れさまぁ』
詩織の1回目の撮影を見届け…た時、春華さんが急に慌てだした…?
『もう秋良くんたちのバンド練習、始まってる。私たちも早く行かなきゃ…』
『えっ?そうなんですか?』
…って、僕は春華さんに訊いた。
『うん。だって私ね、ボーカル担当だもん』
『…春華さん』
『なぁに?』
『あの…革の財布とチェーンの代金、大基さんに払い忘れてるとか…』
『なんで?だって無料提供が原則なんでしょ?』
えぇっ?…金魚にだけじゃなくて、仲間同士内でも、全てが無料提供!?…うそっ!?
『てゆうか、秋良さんも金魚が好きなんですね…』
『えっ?…どういうこと?』
春華さんの声のトーンが少し変わったように僕は聞こえたから、僕は慌てて今の発言に補足を入れた。
『あ…いえ。金魚って言っても、女装した僕のことじゃなくて、秋良さんの新しい長財布のことです』
『…?』
僕と会話しながらも、春華さんは今も目は真っ直ぐに前を見て運転している。
『秋良くんの新しい長財布?…金魚ちゃん、なにか勘違いしてない?この長財布ね…秋良くんのじゃなくて、金魚ちゃんのだよ?』
………えっ!?
午前11時5分…僕らは《笹川ビルディング》に到着。ビルの地下駐車場に車を停め、エレベーターで撮影スタジオ&《藤浦市商業開発広告製作委員会》の事務所のある3階へ。
それにしても…完全に見た目、女の子の金魚に男物の長財布を提供…って、どういう発想なんだろう…。
《3階です。ドアが開きます》
エレベーターを降りて、あの廊下に立った僕と春華さん。
『あ…あれ!金魚じゃない!?』
『ほんとだ!金魚ちゃんだぁ!』
『本当だぁ!』
…廊下で順番待ちをしている女の子たちを無視し、廊下を進んで暗い撮影室を素通りし、控え室へ…。
まだ時間が早かったのか、樋口絵里佳の姿はなかった。
『しーおりちゃんッ♪』
『詩織。お疲れさま』
『あー。春華さんと金魚…ありがとう。お二人もお疲れさまぁ』
姿勢良く椅子に座り、緩やかな巻き髪が乱れないようにして、詩織も撮影の順番待ちをしている様子。
『ねぇ詩織』
『ん?なに?』
『次で撮影、何回目?』
『次で何回目じゃないよ。1回目だよ』
あ…そうなんだ。
んで、今アンナさんは?…というと…。
撮影待ちの他の素人モデルの女の子たちの、メイクや髪型や服装の乱れを、次から次へとせっせと直してあげている。
もちろん、お金を貰ってやってるわけじゃない。真面目で思い遣りの深いアンナさんの、周囲への優しい心遣いだ。
『小娘、おつかれさん』
『はーい。雄二さんも1回目お疲れさまぁ』
詩織の1回目の撮影を見届け…た時、春華さんが急に慌てだした…?
『もう秋良くんたちのバンド練習、始まってる。私たちも早く行かなきゃ…』
『えっ?そうなんですか?』
…って、僕は春華さんに訊いた。
『うん。だって私ね、ボーカル担当だもん』
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