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女装と復讐 -躍動編-
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春華さんは右を向き、振り向かず歩き出した。それを確認して、僕も歩き出す。
『あっ、金魚ちゃん待って!』
『?』
ふと、もう一度振り返ってみたら、春華さんが駆け寄ってきて…。
『ごめんね。忘れてたぁ…はいッ。財布とチェーンね』
さっき大基さんのお店から貰ってきた、あの長財布を手渡された。
僕は春華さんに礼を一言言い、ボストンバッグのファスナーを少し開けて、それを中へと押し込む。
…えぇ…ちょっと。トイレってどこ?…って。全然見付からなー…あ。あったー!
早速、僕は見付けたトイレ…女性用側に迷わず駆け込んだ。
『…ねぇ、てゆうかさぁ…私、新しいバンド探そうかなぁ』
『そんな慌てずにさ、もう少し様子見てあげたらどうなの?』
『うーん…だって演奏がさ、無駄に荒っぽいんだもん』
見たこともない、ちょっと派手めな女の子が2人、大きな鏡壁のある洗面所の前で立ち話をしている。
『ちょ、ちょっと!!見てよほら!…金魚ちゃんじゃない!?』
『えっ!あ…マジでいるし!』
ここも無視無視…。
僕は冷静に、勢いよく個室に入ってガチャリとドアを施錠。
『でしょ!本物の金魚ちゃん!』
『さて…と』
僕は清掃ばっちりピッカピカの、閉めたままの便座の蓋の上にボストンバッグをどさっと置き、バッグのファスナーを引っ張って全開にした。
着替えって、今日はどんな新しいワンピースなんだろ…いや?Tシャツとミニスカートとかかな?なんて……えっ?
バッグから一番初めに出てきたのは…黒のめちゃくちゃ細いジーパン?…これは完全に男物…。
よく見ると、ローウエストの極細ジーパンの裾は…ブーツカットにデザインされている。そしてこのジーパンのお尻の左のポケットには、秋良さんが個人事務所を経営している《Posi-Stylish/Japan》の商号が、金色のミシン糸で斜めに刺繍されていた。
…なるほど。そういうことか。ようやく理解できた。
つまり、秋良さんは金魚に《男装》しろ…と。
次に出てきた、旅行用の折り畳みハンガー…なるほどなるほど。まず、今着てるワンピースを脱がなきゃ着替えられないもんな。
『よいしょ。よいしょ…』
僕は着ていた白のワンピースを脱ぎ、ハンガーを使って壁にワンピースを掛けた。
…この個室の外に女の子が2人居たけど…大丈夫だろうか?今覗かれたら…金魚が男だったってことがバレてしまう。できるだけ急いで着替えようっと。
そもそも…女子トイレの個室を他の女子に上から?覗かれるとか…どんなシチュエーションだよ…。そんな《覗かれる》なんて心配、普通に考えれば要らなかったかも。
僕は黒の極細ブーツカットジーパンを穿いて…んっ?
ジーパンの左ポケットの中に、半分に折られた大きなメモ用紙が入っていた。そのメモを開いて内容を確認する。
《…これをお前が読んでるってことは、今お前は俺がデザインした黒デニムのスキニー系ブーツカットパンツを穿き終えた頃だろ?俺には解んだよ。にっははは。あと、中に入ってる黒灰色のヘビ皮柄ベルトを通すのも忘れんなよ。それが終わったら、次のメモの続きを読め…》
…ふむふむ。
『あっ、金魚ちゃん待って!』
『?』
ふと、もう一度振り返ってみたら、春華さんが駆け寄ってきて…。
『ごめんね。忘れてたぁ…はいッ。財布とチェーンね』
さっき大基さんのお店から貰ってきた、あの長財布を手渡された。
僕は春華さんに礼を一言言い、ボストンバッグのファスナーを少し開けて、それを中へと押し込む。
…えぇ…ちょっと。トイレってどこ?…って。全然見付からなー…あ。あったー!
早速、僕は見付けたトイレ…女性用側に迷わず駆け込んだ。
『…ねぇ、てゆうかさぁ…私、新しいバンド探そうかなぁ』
『そんな慌てずにさ、もう少し様子見てあげたらどうなの?』
『うーん…だって演奏がさ、無駄に荒っぽいんだもん』
見たこともない、ちょっと派手めな女の子が2人、大きな鏡壁のある洗面所の前で立ち話をしている。
『ちょ、ちょっと!!見てよほら!…金魚ちゃんじゃない!?』
『えっ!あ…マジでいるし!』
ここも無視無視…。
僕は冷静に、勢いよく個室に入ってガチャリとドアを施錠。
『でしょ!本物の金魚ちゃん!』
『さて…と』
僕は清掃ばっちりピッカピカの、閉めたままの便座の蓋の上にボストンバッグをどさっと置き、バッグのファスナーを引っ張って全開にした。
着替えって、今日はどんな新しいワンピースなんだろ…いや?Tシャツとミニスカートとかかな?なんて……えっ?
バッグから一番初めに出てきたのは…黒のめちゃくちゃ細いジーパン?…これは完全に男物…。
よく見ると、ローウエストの極細ジーパンの裾は…ブーツカットにデザインされている。そしてこのジーパンのお尻の左のポケットには、秋良さんが個人事務所を経営している《Posi-Stylish/Japan》の商号が、金色のミシン糸で斜めに刺繍されていた。
…なるほど。そういうことか。ようやく理解できた。
つまり、秋良さんは金魚に《男装》しろ…と。
次に出てきた、旅行用の折り畳みハンガー…なるほどなるほど。まず、今着てるワンピースを脱がなきゃ着替えられないもんな。
『よいしょ。よいしょ…』
僕は着ていた白のワンピースを脱ぎ、ハンガーを使って壁にワンピースを掛けた。
…この個室の外に女の子が2人居たけど…大丈夫だろうか?今覗かれたら…金魚が男だったってことがバレてしまう。できるだけ急いで着替えようっと。
そもそも…女子トイレの個室を他の女子に上から?覗かれるとか…どんなシチュエーションだよ…。そんな《覗かれる》なんて心配、普通に考えれば要らなかったかも。
僕は黒の極細ブーツカットジーパンを穿いて…んっ?
ジーパンの左ポケットの中に、半分に折られた大きなメモ用紙が入っていた。そのメモを開いて内容を確認する。
《…これをお前が読んでるってことは、今お前は俺がデザインした黒デニムのスキニー系ブーツカットパンツを穿き終えた頃だろ?俺には解んだよ。にっははは。あと、中に入ってる黒灰色のヘビ皮柄ベルトを通すのも忘れんなよ。それが終わったら、次のメモの続きを読め…》
…ふむふむ。
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