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女装と復讐 -躍動編-
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願いどおりの男装金魚の歌う姿を見られて、十分ご満悦そうな女子高生たちが、自分たちのスタジオルームへの帰りの際…秋良さんからキツく指摘され、散乱したポテチの空袋やら空のペットボトルを拾い上げ、キッチリと後片付け。
『なぁ、そこのお前。本当に金魚の写真とか動画…友達とかに送信なんかしてな…』
『えっ?…あぁーっ!!』
秋良さんが声を掛けた女子高生の1人が、手に蓋を持ちまだ中身が残っていたゼロカロリーのコーラのペットボトルを、蓋をするため手に取ろうとしたとき…誤ってペットボトルを勢いよく蹴り倒してしまった。
カーペットを濡らし、じわじわと広がっていく溢れ出るコーラ。
『ひゃあぁ!コーラがぁ!』
『ちょっと明美!なにしてんのぉ!!』
『ごっ、ごめーん!!躓いちゃってー!!』
…あの子…今、間違いなく動揺してる…。そしてどうしたらいいのか分からず、スタジオルームの中をウロウロと右往左往。
女子高生たちが騒がしく帰っていったあと…青色のカーペットの一部が、濡れて黒っぽくなっている。
『あーぁ…と。やれやれ。やってくれたなぁ…あの女子高生ら』
秋良さんは苦笑いしてカーペットを睨んでる。それを見てるわっちさんは、わははと笑ってる。
『んじゃあ私、店員さんに事情を話して謝ってくるね』
『あぁ。頼んだ』
春華さんがスタジオルームを出る。
『俺ら全員、通路に出て待ってるから、金魚はここで着替えろよな』
『あ…はい』
『準備ができたら帰るぞ』
『わかりました』
秋良さんたちも、ギターをケースに仕舞ってスタジオルームを出る。
部屋に1人残った僕は、男装衣装を脱ぎ、それをボストンバッグに入れ、今朝着てきた白ワンピを着てブーツを履いた。
『雄二さんが、今夜の晩飯は何が食いたい?ってよ…金魚』
バッグを手に下げ、スタジオルームから通路へと出た僕に、左手にiPhoneを持った秋良さんが話し掛けてきた。
わっちさんとドラムの大柄の人は、もう先にレンタルスタジオを出て帰っていた。
『私、中華がいいなぁ。高級なの♪』
…って言ったのは、謝って戻ってきていた春華さん。
『じゃあ僕も、中華でお願いします』
『わかった。中華な』
秋良さんが雄二さんにリダイヤル。
『あー…もしもし。雄二さん。春華と金魚が中華がいいって。高級な店限定って』
僕は春華さんと見合った。
高級店限定って…雄二さんに甘えて無理を言い過ぎ…今回は反省。
『あー…笹川ビルに5時15分ぐらいに着くように行けばいいんですね。了解です』
日は変わって…今日は4月2日、日曜日。
詩織の《G.F.》撮影日と、金魚の初めての《バンドボーカル練習》から3週間。
あの日から、土曜日はナオさんからの情報を元に、瀬ヶ池や他の藤浦市内の街々で詩織と《鵜鷹目探し》…そして日曜日が《バンドボーカル練習》と、土曜日と日曜日をきっちりと分けて活動している。
『ねぇ金魚…あなた気持ち悪いくらいにメイク技術の上達…早くない?』
美容院のロングソファーに座り、テーブルに金魚専用のメイクボックスを置いて化粧をしている僕。
『えっ?早い?…いぇーい!』
笑顔で詩織にピースして見せる金魚…って僕。
『なぁ、そこのお前。本当に金魚の写真とか動画…友達とかに送信なんかしてな…』
『えっ?…あぁーっ!!』
秋良さんが声を掛けた女子高生の1人が、手に蓋を持ちまだ中身が残っていたゼロカロリーのコーラのペットボトルを、蓋をするため手に取ろうとしたとき…誤ってペットボトルを勢いよく蹴り倒してしまった。
カーペットを濡らし、じわじわと広がっていく溢れ出るコーラ。
『ひゃあぁ!コーラがぁ!』
『ちょっと明美!なにしてんのぉ!!』
『ごっ、ごめーん!!躓いちゃってー!!』
…あの子…今、間違いなく動揺してる…。そしてどうしたらいいのか分からず、スタジオルームの中をウロウロと右往左往。
女子高生たちが騒がしく帰っていったあと…青色のカーペットの一部が、濡れて黒っぽくなっている。
『あーぁ…と。やれやれ。やってくれたなぁ…あの女子高生ら』
秋良さんは苦笑いしてカーペットを睨んでる。それを見てるわっちさんは、わははと笑ってる。
『んじゃあ私、店員さんに事情を話して謝ってくるね』
『あぁ。頼んだ』
春華さんがスタジオルームを出る。
『俺ら全員、通路に出て待ってるから、金魚はここで着替えろよな』
『あ…はい』
『準備ができたら帰るぞ』
『わかりました』
秋良さんたちも、ギターをケースに仕舞ってスタジオルームを出る。
部屋に1人残った僕は、男装衣装を脱ぎ、それをボストンバッグに入れ、今朝着てきた白ワンピを着てブーツを履いた。
『雄二さんが、今夜の晩飯は何が食いたい?ってよ…金魚』
バッグを手に下げ、スタジオルームから通路へと出た僕に、左手にiPhoneを持った秋良さんが話し掛けてきた。
わっちさんとドラムの大柄の人は、もう先にレンタルスタジオを出て帰っていた。
『私、中華がいいなぁ。高級なの♪』
…って言ったのは、謝って戻ってきていた春華さん。
『じゃあ僕も、中華でお願いします』
『わかった。中華な』
秋良さんが雄二さんにリダイヤル。
『あー…もしもし。雄二さん。春華と金魚が中華がいいって。高級な店限定って』
僕は春華さんと見合った。
高級店限定って…雄二さんに甘えて無理を言い過ぎ…今回は反省。
『あー…笹川ビルに5時15分ぐらいに着くように行けばいいんですね。了解です』
日は変わって…今日は4月2日、日曜日。
詩織の《G.F.》撮影日と、金魚の初めての《バンドボーカル練習》から3週間。
あの日から、土曜日はナオさんからの情報を元に、瀬ヶ池や他の藤浦市内の街々で詩織と《鵜鷹目探し》…そして日曜日が《バンドボーカル練習》と、土曜日と日曜日をきっちりと分けて活動している。
『ねぇ金魚…あなた気持ち悪いくらいにメイク技術の上達…早くない?』
美容院のロングソファーに座り、テーブルに金魚専用のメイクボックスを置いて化粧をしている僕。
『えっ?早い?…いぇーい!』
笑顔で詩織にピースして見せる金魚…って僕。
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