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女装と復讐 -躍動編-
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僕がずっと訊こうと思っていた、妹の彩乃のアワード受賞のときの、鈴ちゃんの複雑な表情…。
もう訊かなくても今なら解る…気がする。
『…だけど私だってたくさんの人の前に立って、観客の視線を集めて…そんな仕事をしてる立場上、もうこれ以上彩に強く言って聞かせることができないの…。彩だってもう、自分で何でも考えて判断できる立派な大人なんだから…』
こんなにも優しい姉がいるなんて…あ、あと瀬ヶ池で1番可愛くて、凄く綺麗な姉ってのも追加…彩乃、なんて幸せな。
『えっ…もうこんな時間なの?』
鈴ちゃんが自分の左手首に着けた、キラキラ輝く腕時計をチラリと確認。
『金魚ちゃん、詩織ちゃん…ごめんなさい。私、このあと実家に帰ってママを連れて、今度は瀬ヶ池へ…お買い物に連れて行ってあげなきゃならないの。だから…』
『そうなの!?じゃあ急がなきゃね!鈴ちゃん!』
一呼吸置いて、鈴ちゃんが詩織に訊く。
『…詩織ちゃん達は、これからどうするの?私とママが瀬ヶ池に行った頃には、金魚ちゃんもしおりちゃんも、瀬ヶ池いたりする?』
『あの…私たち、明日も朝からバンドの練習があるから、今日は早めに帰…』
『詩織ちゃん達…バンドやってるの!?カッコいいー!』
『あー…あのね、鈴ちゃん…』
僕らは個室を出てお支払いのカウンターへ…。
『鈴ちゃん…ご馳走さまでした…』
『本当に良かったの?鈴ちゃん…?』
詩織が心配そうに、そう言う。
『ううん。私が奢ってあげたことは気にしないで』
…って、鈴ちゃんは優しく言ってくれたけど…やっぱり気にする。
あんな高級な和食料理…絶対安いわけがない。凄く美味しかったし。だから超高いに決まってる。
だからこそ…鈴ちゃん、凄く申し訳ないです…。
『…ただいま』
午後6時18分…今日も無事にアパートに帰宅。
誰も居ないと分かってる僕の部屋…だけど、いつもそう言って玄関を開けて入る。
お昼の料理、本当に美味しかったな…あ、今もまたお腹空いてる…。
じゃあ、えぇと…まずは…。
僕は靴を脱いで足早に冷蔵庫の前まで行き、冷蔵庫の野菜室からニラと玉ねぎ、もやし、ピーマン、ニンニク、しいたけを少しずつ取り出し、その上の冷蔵室からウィンナーも3本取り出して…。
包丁で適当な大きさに刻んでフライパンで炒め、ソースと胡椒を振る。そして朝作ったお味噌汁を温め直して…電気炊飯器からお茶碗へご飯を一杯よそって…今夜の夕ご飯の出来上がり。
夕食を終わらせたあとは…パソコンを立ち上げ、秋良さんが作曲し啓介さんが3回も作詞し直してくれた曲《Disappeared girl.》を再生…って言っても、秋良さんがYouTubeにupしてくれた動画を観るんだけど。
この動画を観るのは、今夜で3夜目…そして再生11回目。
…まずは今夜1回目の再生。1回目はパソコンの前に座って視聴。
演奏する秋良さん達バンドメンバーの前に立って、僕の代わりにマイクを握った春華さんが歌ってくれている。
ただ観るだけじゃなくって、歌詞を覚えるよう集中して視聴する…。
…再生2回目はこたつテーブルに移動して、歌や曲を耳だけで聴く…動画を観てる時間があまり無いから。
僕は、75cm四方のこたつテーブルの上に化粧品を広げ、並べてスタンドミラーを置いて座った。今夜もメイクの練習練習…。
♪ 誰もが探し始めた あの子はこのド派手な街で
一番可愛いって有名さ 知らない人なんて居ないくらい
微笑んで天使のように あの声は歌のように…♪
もう訊かなくても今なら解る…気がする。
『…だけど私だってたくさんの人の前に立って、観客の視線を集めて…そんな仕事をしてる立場上、もうこれ以上彩に強く言って聞かせることができないの…。彩だってもう、自分で何でも考えて判断できる立派な大人なんだから…』
こんなにも優しい姉がいるなんて…あ、あと瀬ヶ池で1番可愛くて、凄く綺麗な姉ってのも追加…彩乃、なんて幸せな。
『えっ…もうこんな時間なの?』
鈴ちゃんが自分の左手首に着けた、キラキラ輝く腕時計をチラリと確認。
『金魚ちゃん、詩織ちゃん…ごめんなさい。私、このあと実家に帰ってママを連れて、今度は瀬ヶ池へ…お買い物に連れて行ってあげなきゃならないの。だから…』
『そうなの!?じゃあ急がなきゃね!鈴ちゃん!』
一呼吸置いて、鈴ちゃんが詩織に訊く。
『…詩織ちゃん達は、これからどうするの?私とママが瀬ヶ池に行った頃には、金魚ちゃんもしおりちゃんも、瀬ヶ池いたりする?』
『あの…私たち、明日も朝からバンドの練習があるから、今日は早めに帰…』
『詩織ちゃん達…バンドやってるの!?カッコいいー!』
『あー…あのね、鈴ちゃん…』
僕らは個室を出てお支払いのカウンターへ…。
『鈴ちゃん…ご馳走さまでした…』
『本当に良かったの?鈴ちゃん…?』
詩織が心配そうに、そう言う。
『ううん。私が奢ってあげたことは気にしないで』
…って、鈴ちゃんは優しく言ってくれたけど…やっぱり気にする。
あんな高級な和食料理…絶対安いわけがない。凄く美味しかったし。だから超高いに決まってる。
だからこそ…鈴ちゃん、凄く申し訳ないです…。
『…ただいま』
午後6時18分…今日も無事にアパートに帰宅。
誰も居ないと分かってる僕の部屋…だけど、いつもそう言って玄関を開けて入る。
お昼の料理、本当に美味しかったな…あ、今もまたお腹空いてる…。
じゃあ、えぇと…まずは…。
僕は靴を脱いで足早に冷蔵庫の前まで行き、冷蔵庫の野菜室からニラと玉ねぎ、もやし、ピーマン、ニンニク、しいたけを少しずつ取り出し、その上の冷蔵室からウィンナーも3本取り出して…。
包丁で適当な大きさに刻んでフライパンで炒め、ソースと胡椒を振る。そして朝作ったお味噌汁を温め直して…電気炊飯器からお茶碗へご飯を一杯よそって…今夜の夕ご飯の出来上がり。
夕食を終わらせたあとは…パソコンを立ち上げ、秋良さんが作曲し啓介さんが3回も作詞し直してくれた曲《Disappeared girl.》を再生…って言っても、秋良さんがYouTubeにupしてくれた動画を観るんだけど。
この動画を観るのは、今夜で3夜目…そして再生11回目。
…まずは今夜1回目の再生。1回目はパソコンの前に座って視聴。
演奏する秋良さん達バンドメンバーの前に立って、僕の代わりにマイクを握った春華さんが歌ってくれている。
ただ観るだけじゃなくって、歌詞を覚えるよう集中して視聴する…。
…再生2回目はこたつテーブルに移動して、歌や曲を耳だけで聴く…動画を観てる時間があまり無いから。
僕は、75cm四方のこたつテーブルの上に化粧品を広げ、並べてスタンドミラーを置いて座った。今夜もメイクの練習練習…。
♪ 誰もが探し始めた あの子はこのド派手な街で
一番可愛いって有名さ 知らない人なんて居ないくらい
微笑んで天使のように あの声は歌のように…♪
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