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女装と復讐 -街華編-
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今は午後0時25分…ぐらい。たぶん。
僕の乗った電車はアパートから最寄りの駅《JR上呼賀駅》に着き、その駅から歩いて約15分…自分のアパートへと帰宅した。
玄関に入り…靴を大雑把に脱ぎ…廊下をドタドタと歩いて部屋へと入り…ベッドに腰掛ける。
…頭ん中がモヤモヤ…いや、それは無理…。
だって僕は《復讐を果たす為》に可愛らしく女装してるのであって、忠彦くんのように《海外で性転換手術を受けて、本物の女の子になりたい》なんて全然思ってないし、それに《女装が趣味》ってわけでもない。同性愛者でもない。
そういや…詩織が《金魚と啓介くんのボーイズラヴが今…♪》とか冗談?を言ってたけど…案外と詩織、何かを直感してたとか…?
いやいや…無理無理。
あ、そうそう。秋良さんはこうも言ってた。
《啓介だって勿論、金魚がお前…男だってのは重々承知してる。あいつは間違ったことはしねーよ…》
…なんか…啓介さんの心境を考えると…凄く自責の念に襲われて辛くなる…。
《…あいつは表情には出さねーけど、自分の感情の中だけで闘ってる。想いを完全に押し殺して縛り付け、閉じ込めようとしてんだ…》
…誰にでも優しかったけど…金魚には誰よりも、より一層優しかった啓介さん…。
《…多分、啓介はな…自分の心ん中にいる金魚を、そっと抱き締めてさえいられれば、それで満足…一生彼女とかできない独り身でも構わない…って、そう思ってるだろうよ。あいつはそういう奴だ…》
…それじゃ駄目なんです…啓介さん。
啓介さんを、どうにかこの心の呪縛から解放させて、救ってあげたい…。
誰か、本当に大切にできるひとを見付けて、啓介さんに幸せになってほしい。
啓介さんは本当に人柄の優しい人だし、僕は何度も何度もお世話になってるし。だから…だけど…。
僕は咄嗟に、慌ててテーブルにメイク道具を広げ、小さなスタンドミラーを覗き込んでメイクを始めた…。
…25分後。
僕は洗面台へと急ぎ、電気を着けて、スタンドミラーでは入りきらない金魚のメイク顔の全てを、鏡に映してじっと見た。
僕は、この何とも言えない困った金魚の表情が堪らなく好きだった…。
『なぁ金魚…何してんだよ。鏡の中から出てこいって。お前はもう、僕だけのものじゃないんだから…』
…なんて…本当に鏡の中から出てきたところで、彼女は本物の女の子じゃなくて…ただ女装している《男の金魚》が2人に増えるだけ…なんだろうけど。
この2本のどこかに…女装ではない本物の女の子の金魚がいてくれたら…。
…そして、運命的に?または偶然に?…啓介さんと出逢って、啓介さんのことを好きになってくれたら…。
本当に心からそれを願いたい…でも無理なんだろうけど。
僕の乗った電車はアパートから最寄りの駅《JR上呼賀駅》に着き、その駅から歩いて約15分…自分のアパートへと帰宅した。
玄関に入り…靴を大雑把に脱ぎ…廊下をドタドタと歩いて部屋へと入り…ベッドに腰掛ける。
…頭ん中がモヤモヤ…いや、それは無理…。
だって僕は《復讐を果たす為》に可愛らしく女装してるのであって、忠彦くんのように《海外で性転換手術を受けて、本物の女の子になりたい》なんて全然思ってないし、それに《女装が趣味》ってわけでもない。同性愛者でもない。
そういや…詩織が《金魚と啓介くんのボーイズラヴが今…♪》とか冗談?を言ってたけど…案外と詩織、何かを直感してたとか…?
いやいや…無理無理。
あ、そうそう。秋良さんはこうも言ってた。
《啓介だって勿論、金魚がお前…男だってのは重々承知してる。あいつは間違ったことはしねーよ…》
…なんか…啓介さんの心境を考えると…凄く自責の念に襲われて辛くなる…。
《…あいつは表情には出さねーけど、自分の感情の中だけで闘ってる。想いを完全に押し殺して縛り付け、閉じ込めようとしてんだ…》
…誰にでも優しかったけど…金魚には誰よりも、より一層優しかった啓介さん…。
《…多分、啓介はな…自分の心ん中にいる金魚を、そっと抱き締めてさえいられれば、それで満足…一生彼女とかできない独り身でも構わない…って、そう思ってるだろうよ。あいつはそういう奴だ…》
…それじゃ駄目なんです…啓介さん。
啓介さんを、どうにかこの心の呪縛から解放させて、救ってあげたい…。
誰か、本当に大切にできるひとを見付けて、啓介さんに幸せになってほしい。
啓介さんは本当に人柄の優しい人だし、僕は何度も何度もお世話になってるし。だから…だけど…。
僕は咄嗟に、慌ててテーブルにメイク道具を広げ、小さなスタンドミラーを覗き込んでメイクを始めた…。
…25分後。
僕は洗面台へと急ぎ、電気を着けて、スタンドミラーでは入りきらない金魚のメイク顔の全てを、鏡に映してじっと見た。
僕は、この何とも言えない困った金魚の表情が堪らなく好きだった…。
『なぁ金魚…何してんだよ。鏡の中から出てこいって。お前はもう、僕だけのものじゃないんだから…』
…なんて…本当に鏡の中から出てきたところで、彼女は本物の女の子じゃなくて…ただ女装している《男の金魚》が2人に増えるだけ…なんだろうけど。
この2本のどこかに…女装ではない本物の女の子の金魚がいてくれたら…。
…そして、運命的に?または偶然に?…啓介さんと出逢って、啓介さんのことを好きになってくれたら…。
本当に心からそれを願いたい…でも無理なんだろうけど。
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