303 / 491
女装と復讐 -街華編-
page.287
しおりを挟む
…先週の土曜日、僕が久々に瀬ヶ池へと出掛けたら、その新井早瀬駅構内で、あの有名な池川金魚ちゃんを目撃。
しばらく野次馬して観てたら、宮学の学生を探してる様子…?
だから僕が手を挙げたら、その金魚ちゃんに『これを樋口絵里佳ちゃんっていう女の子に渡してほしいの』と頼まれたんだ…。
…と、その場凌ぎのでっち上げ話を樋口にしても、今のでっち上げ話でなんとか信じてくれた樋口。
手紙は手書きだけど、その筆跡からは絶対にバレない自信があった。だって本物の女の子の字…詩織が僕に代わって書いてくれたからだ。
手紙を読み終えた樋口。封筒の中に、まだ何か残ってるのに気付き、それを取り出す。
『あ…写真…』
両手で手を振り、笑顔で写るその金魚の全身写真の裏には、ピンクのマジックで《大切なお友達 - 絵里佳ちゃんへ☆》と詩織の字で書いてある。
それを見て一瞬、にこりと小さく笑顔を見せ…掛けた樋口。
『はぁ?なに私の顔をジロジロ見てんだよ…岩塚ぁ!』
『えぇっ!?…いや、あの…ごめん。なさい…』
僕は話題をすり替えるかのように、慌てて樋口に訊いた。
『あの…手紙には…なんて書いてあっ…』
樋口は手紙と写真を封筒に丁寧にそっと戻し、一度胸に抱いてから、自分の鞄の中へ入れた。
『…バカ岩塚なんかには…教えない!!』
『…。』
くるりと背を向け、樋口は軽く駆けて正門を潜り去っていった…。
ほんとはもちろん、手紙の内容は樋口に訊かなくても分かってる。
だって書いたのは詩織だけど、考えたのは僕だから。
【…絵里佳ちゃん、彩乃ちゃんなんかに負けないで。また早瀬ヶ池に戻ってきて。そしたらまた一緒に瀬ヶ池の街を歩こう。約束だよ。私待ってるから。頑張って…】
そして最後に書き添えた、金魚のPCメールアドレス。
今回、樋口に渡すために《akahime_kurosukekun@…》と、金魚専用メールアドレス取得のために、わざわざ新しいアカウントまで作成したこの気合いの入れよう。
あとは今後メールを通じて、樋口の現在の心情状況の把握や確認を。
そして《私は独りじゃないんだ。金魚と詩織っていう頼れる友達がいる。もう彩乃なんて怖くない!》と勇気づける…樋口を精神面から強くさせるって作戦。
樋口…頼む。僕らが何の心配もなく、彩乃に復讐を果たせるかどうかは、樋口の《もう彩乃にビビらない!》強さにも掛かってるんだから。
僕がアパートに帰宅すると、僕のパソコンにもう樋口からメールが届いてた。
【…このアドレスの金魚姫さまは本物ですか?だったら証拠に左手に、しゃもじを持った写真を1枚添付して返信ください…】
…さっそく樋口に疑われてるし…。
しばらく野次馬して観てたら、宮学の学生を探してる様子…?
だから僕が手を挙げたら、その金魚ちゃんに『これを樋口絵里佳ちゃんっていう女の子に渡してほしいの』と頼まれたんだ…。
…と、その場凌ぎのでっち上げ話を樋口にしても、今のでっち上げ話でなんとか信じてくれた樋口。
手紙は手書きだけど、その筆跡からは絶対にバレない自信があった。だって本物の女の子の字…詩織が僕に代わって書いてくれたからだ。
手紙を読み終えた樋口。封筒の中に、まだ何か残ってるのに気付き、それを取り出す。
『あ…写真…』
両手で手を振り、笑顔で写るその金魚の全身写真の裏には、ピンクのマジックで《大切なお友達 - 絵里佳ちゃんへ☆》と詩織の字で書いてある。
それを見て一瞬、にこりと小さく笑顔を見せ…掛けた樋口。
『はぁ?なに私の顔をジロジロ見てんだよ…岩塚ぁ!』
『えぇっ!?…いや、あの…ごめん。なさい…』
僕は話題をすり替えるかのように、慌てて樋口に訊いた。
『あの…手紙には…なんて書いてあっ…』
樋口は手紙と写真を封筒に丁寧にそっと戻し、一度胸に抱いてから、自分の鞄の中へ入れた。
『…バカ岩塚なんかには…教えない!!』
『…。』
くるりと背を向け、樋口は軽く駆けて正門を潜り去っていった…。
ほんとはもちろん、手紙の内容は樋口に訊かなくても分かってる。
だって書いたのは詩織だけど、考えたのは僕だから。
【…絵里佳ちゃん、彩乃ちゃんなんかに負けないで。また早瀬ヶ池に戻ってきて。そしたらまた一緒に瀬ヶ池の街を歩こう。約束だよ。私待ってるから。頑張って…】
そして最後に書き添えた、金魚のPCメールアドレス。
今回、樋口に渡すために《akahime_kurosukekun@…》と、金魚専用メールアドレス取得のために、わざわざ新しいアカウントまで作成したこの気合いの入れよう。
あとは今後メールを通じて、樋口の現在の心情状況の把握や確認を。
そして《私は独りじゃないんだ。金魚と詩織っていう頼れる友達がいる。もう彩乃なんて怖くない!》と勇気づける…樋口を精神面から強くさせるって作戦。
樋口…頼む。僕らが何の心配もなく、彩乃に復讐を果たせるかどうかは、樋口の《もう彩乃にビビらない!》強さにも掛かってるんだから。
僕がアパートに帰宅すると、僕のパソコンにもう樋口からメールが届いてた。
【…このアドレスの金魚姫さまは本物ですか?だったら証拠に左手に、しゃもじを持った写真を1枚添付して返信ください…】
…さっそく樋口に疑われてるし…。
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる