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女装と復讐 -街華編-
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『楽してモデルデビューすることの、何が辛いっていうのよ!バカじゃないの!』
彩乃は相変わらず怒鳴り散らかしている。
『辛いっていうんなら、私の方がもっともっと辛い思いをしてるんだから!』
…今年1月の第3土曜日…僕は《詩織は卑怯者》という噂に反論しようと、瀬ヶ池の街の真ん中で叫んで…それを詩織に止められて…初めて詩織と口喧嘩して…初めて詩織を泣かせてしまったあの日…。
あのときは『金魚は瀬ヶ池の街の女の子たちに、好かれなきゃならないんだから…そんな嫌われちゃうようなことは言っちゃダメなの!』って、詩織に止められたんだけど…。
今ならそれを話しても詩織…怒らない?
いや…てゆうか、今だからこそ話さないと…!
『…それで、お姉ちゃんに《あなたは二十歳になるまで《G.F.》デビューはダメだから》って止められてて…やっと去年、デビューが許されて…って、その私の我慢してきた辛さ、あなたは解るっていうの!!?』
『あの…彩乃ちゃんは《G.F.》デビューできて…それを友達やたくさんの人たちに祝ってもらえたの?』
『ちょっと!このバカ金魚!私の今の話、最初から最後まで全く聞いてなかったでしょ!!…なにこの子!もう最っ悪!!』
僕はただ黙って、彩乃の表情をじーっと見て…僕の質問に答えてくれるのを静かに待ってた…。
『…ねぇ、彩乃ちゃん』
『なによ!そ、そりゃあ…いっぱい友達や同級生を集めてお祝いパーティーくらいしたわよ。それが何だっていうのよ!悪いっていいたいの!?』
『詩織は…ね、そういう大切な…幸せな思い出が作れなかったの…無いの…』
僕の落ち着いた語りに、あんなに怒鳴ってた彩乃も少しずつ落ち着いてきた様子。
『そんなの…自分でズルいことしてモデルデビューしたんだから、仕方ないでしょ!自業自得ってやつよ!』
「自業自得ってことくらい…私だって解ってる…」
詩織の小さな呟きは、僕にははっきりと聞こえた。
『…ほんとは詩織だって《G.F.》デビューを果たして、ちゃんと正しい段階を経て専属モデルになりたかったの…』
『じゃあ断ればよかったでしょ。《G.F.》デビューしてからモデルになりたいんですーって。それが嘘だとか作り話とかでもない事実だったとしても、そんなの断れなかった詩織ちゃん自身が悪…』
『彩乃ちゃんは断れるの…?』
僕は彩乃を睨みつけた…!
『…大好きな人から強くお願いされたんだったとしても、はっきりと断れるの?…ねぇ!!』
『はぁ?何言ってんの?当たり前でしょ』
『彩乃ちゃん…だったら、二十歳まで《G.F.》デビューを我慢してたって言ってたけど…それだって断ればよかったんじゃないの?それを姉である鈴ちゃんのせいみたいな言い方してたけど…!それだって我慢なんて言わな…』
『金魚…黙りなさいよ!あなたも私を怒らせたいの…?』
彩乃は体が震えるほど怒ってるのは見て分かったけど…お前より僕の方が腹立ってるんだからな!!
『謝ってよ。詩織に…』
『謝るのはそっちよ!このバカ金魚!』
「金魚…ありがとう…だけど、もういいよ…」
詩織は悲し気に視線を落とし、また小さく呟いた…。
彩乃は相変わらず怒鳴り散らかしている。
『辛いっていうんなら、私の方がもっともっと辛い思いをしてるんだから!』
…今年1月の第3土曜日…僕は《詩織は卑怯者》という噂に反論しようと、瀬ヶ池の街の真ん中で叫んで…それを詩織に止められて…初めて詩織と口喧嘩して…初めて詩織を泣かせてしまったあの日…。
あのときは『金魚は瀬ヶ池の街の女の子たちに、好かれなきゃならないんだから…そんな嫌われちゃうようなことは言っちゃダメなの!』って、詩織に止められたんだけど…。
今ならそれを話しても詩織…怒らない?
いや…てゆうか、今だからこそ話さないと…!
『…それで、お姉ちゃんに《あなたは二十歳になるまで《G.F.》デビューはダメだから》って止められてて…やっと去年、デビューが許されて…って、その私の我慢してきた辛さ、あなたは解るっていうの!!?』
『あの…彩乃ちゃんは《G.F.》デビューできて…それを友達やたくさんの人たちに祝ってもらえたの?』
『ちょっと!このバカ金魚!私の今の話、最初から最後まで全く聞いてなかったでしょ!!…なにこの子!もう最っ悪!!』
僕はただ黙って、彩乃の表情をじーっと見て…僕の質問に答えてくれるのを静かに待ってた…。
『…ねぇ、彩乃ちゃん』
『なによ!そ、そりゃあ…いっぱい友達や同級生を集めてお祝いパーティーくらいしたわよ。それが何だっていうのよ!悪いっていいたいの!?』
『詩織は…ね、そういう大切な…幸せな思い出が作れなかったの…無いの…』
僕の落ち着いた語りに、あんなに怒鳴ってた彩乃も少しずつ落ち着いてきた様子。
『そんなの…自分でズルいことしてモデルデビューしたんだから、仕方ないでしょ!自業自得ってやつよ!』
「自業自得ってことくらい…私だって解ってる…」
詩織の小さな呟きは、僕にははっきりと聞こえた。
『…ほんとは詩織だって《G.F.》デビューを果たして、ちゃんと正しい段階を経て専属モデルになりたかったの…』
『じゃあ断ればよかったでしょ。《G.F.》デビューしてからモデルになりたいんですーって。それが嘘だとか作り話とかでもない事実だったとしても、そんなの断れなかった詩織ちゃん自身が悪…』
『彩乃ちゃんは断れるの…?』
僕は彩乃を睨みつけた…!
『…大好きな人から強くお願いされたんだったとしても、はっきりと断れるの?…ねぇ!!』
『はぁ?何言ってんの?当たり前でしょ』
『彩乃ちゃん…だったら、二十歳まで《G.F.》デビューを我慢してたって言ってたけど…それだって断ればよかったんじゃないの?それを姉である鈴ちゃんのせいみたいな言い方してたけど…!それだって我慢なんて言わな…』
『金魚…黙りなさいよ!あなたも私を怒らせたいの…?』
彩乃は体が震えるほど怒ってるのは見て分かったけど…お前より僕の方が腹立ってるんだからな!!
『謝ってよ。詩織に…』
『謝るのはそっちよ!このバカ金魚!』
「金魚…ありがとう…だけど、もういいよ…」
詩織は悲し気に視線を落とし、また小さく呟いた…。
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