女装と復讐は街の華

筆鼬

文字の大きさ
318 / 491
女装と復讐 -街華編-

page.302

しおりを挟む
そして今までアンナさんの隣に座り、黙って聞いていたナオさんも会話に参加しはじめた。


『へぇ…。私てっきり、信吾くんってアンナの身内の子なのかな?って思ってたけど…そういうことだったのね』


僕がアンナさんの身内…それは今年の元旦、初めて僕がナオさんと、アンナさんのマンションで顔を合わせたとき、曖昧にそう僕が答えたからだ。


『私も一言、アドバイスしてもいい?』

『うん。なに?ナオ』


ナオさんからのアドバイス…どんな、何に対してのアドバイスだろう…?


『もし彩乃ちゃんに、その《復讐》ってのを考えてるのなら私、今しかない!って思う。今この機会を逃したら、もうしばらくは…この機会は訪れないんじゃないかな?って…』


ナオさんが語っている最中、アンナさんが急に横をふと見た。
一旦語り終えたナオさんもそれに気付き、アンナさんと同じ方を見…あっ!

僕も2人に続いて見た…のは、1回目の撮影を済ませた詩織が、こっちへと戻ってくる姿だった。


『みんな集まって、なに話してるの?』


詩織は僕の隣にさっと座った。


『…って訊こうかなって思ったんだけどね…もう聞こえちゃった。ナオさんが《復讐するなら今しかない!》って教えてくれたの…』


詩織が落ち着いて、僕ら3人の顔を見た。


『…私ね、さっきの私たちを責め立てる彩乃ちゃんを見ててね、なんだか慌ててるなぁ…って、何に気が焦ってるのかなぁ?って思いながら見てたの』

『私もそれを見てて感じたわ。だから…』

『やっぱり!?でしょ!ナオさん!』

『うん。だから私、復讐するなら今しかない!って言ったのよ』


詩織とナオさんが、お互いを確認し合うかのように見合う。
そして、詩織のテンションが急に高くなったのも見てて解る。


『だけど彩乃ちゃん、何にそんなに焦ってるの?やっぱり《瀬ヶ池で1番の女の子》っていうのを、私たちに奪われそうになってるって感じてるから?』

『それもあるかもしれないけど、私はそれが1番の理由なんじゃないって思うわ。詩織』

『えっ?じゃあ何?』


アンナさんが続けて語る。


『…彼女はそれ以上に、大きく不安を感じてることがあるんだけど…詩織、それが何だか判る?』

『えっと…あの、だから私に訊かれても…ちょっと判んにゃい…』


…僕もちょっと判ら…にゃい?って何!?


『私は直接、あなた達のさっきの言い争いを見てたわけじゃないけと…詩織、彩乃ちゃんになにか牽制されてたでしょ?』


『あ、待ってね。うぅんと…あっ!!』


詩織は何かに気付いた様子。


『…鈴ちゃん?』


『うふふふふ』


























しおりを挟む
感想 224

あなたにおすすめの小説

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-

ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。 1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。 わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。 だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。 これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。 希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。 ※アルファポリス限定投稿

処理中です...