328 / 491
女装と復讐 -街華編-
page.312
しおりを挟む
「…ねぇ」
今度は鈴ちゃんが彼女に話し掛けた。
「もしかして…その3時間ものあいだで口にしたのって…飲み物一杯だけじゃないの?」
「はい…あの、メロンフラペチーノ…一杯だけです」
「えぇーっ。じゃあ、お腹ペコちゃんなんじゃない!?」
鈴ちゃんに続いてそう訊いた詩織に、ウンと答えた彼女。
「はい…お腹、空きました…」
「おトイレは?」
鈴ちゃんが…詩織が…また鈴ちゃんが…。次々と立て続けに、彼女に小さな声で質問する2人。
それに答える彼女も大変そう。
「トイレも…1回も行ってないです…ずっと座ってて、お尻もちょっと痛い…」
鈴ちゃんは立ち上がり、彼女の手をぐいっと引いた。
『一緒に行こう。おトイレ。3時間ものあいだ、1回も行ってないのは絶対体に悪いよ』
『えっ、でも…』
『大丈夫よ。鈴ちゃんが一緒に行ってくれるって、言ってくれてるんだから』
二人のやり取りを見てた詩織も、そう一言添えた。
『はい。じゃあ…』
『じゃあ詩織ちゃん、金魚ちゃん。ちょっとおトイレ行ってくるね』
『はーい。いってらっしゃぁい♪』
可愛らしく、2人に小さく手を振る詩織。
そして鈴ちゃんに半ば強引に手を引かれ、トイレへと向かう彼女。
僕らを囲む周りの女の子たちも、徐々にざわつき始めながら、じっとその様子を観ていた。
…席に残った僕らは…。
「よし。それじゃあ金魚、彼女をこのお店から無事に連れ出すための作戦会議…始めましょ」
「うん」
僕と詩織…いつものように視線を交わして見合う。
「ねぇ金魚、金魚と彼女…どっちが歳上だって見て思った?」
「うん。彼女のほうが少しだけ歳上かなって思っ…」
「でしょ!?私もそう思ったの!じゃあ、彼女は金魚の実のお姉ちゃんだって《設定》でいいよね?…」
…トイレから戻ってきた彼女と鈴ちゃんが席に座ってすぐ、僕は彼女に訊いた。
「えぇと…名前、訊いてもいい?」
「あ、はい。《筒井歩美》です」
「えーっ!?鮎美!?」
小声で叫ぶ詩織。
「はい。歩美…あの、変…でしょうか…歩美って…」
「ううん。全然変じゃない!」
…どうやらこの時、詩織は《金魚のお姉ちゃんの名前が"鮎"美なんて…凄い!!まるで小説とか漫画みたいな偶然!!》って思ったらしい…ただの漢字の勘違いなんだけど…。
今度は鈴ちゃんが彼女に話し掛けた。
「もしかして…その3時間ものあいだで口にしたのって…飲み物一杯だけじゃないの?」
「はい…あの、メロンフラペチーノ…一杯だけです」
「えぇーっ。じゃあ、お腹ペコちゃんなんじゃない!?」
鈴ちゃんに続いてそう訊いた詩織に、ウンと答えた彼女。
「はい…お腹、空きました…」
「おトイレは?」
鈴ちゃんが…詩織が…また鈴ちゃんが…。次々と立て続けに、彼女に小さな声で質問する2人。
それに答える彼女も大変そう。
「トイレも…1回も行ってないです…ずっと座ってて、お尻もちょっと痛い…」
鈴ちゃんは立ち上がり、彼女の手をぐいっと引いた。
『一緒に行こう。おトイレ。3時間ものあいだ、1回も行ってないのは絶対体に悪いよ』
『えっ、でも…』
『大丈夫よ。鈴ちゃんが一緒に行ってくれるって、言ってくれてるんだから』
二人のやり取りを見てた詩織も、そう一言添えた。
『はい。じゃあ…』
『じゃあ詩織ちゃん、金魚ちゃん。ちょっとおトイレ行ってくるね』
『はーい。いってらっしゃぁい♪』
可愛らしく、2人に小さく手を振る詩織。
そして鈴ちゃんに半ば強引に手を引かれ、トイレへと向かう彼女。
僕らを囲む周りの女の子たちも、徐々にざわつき始めながら、じっとその様子を観ていた。
…席に残った僕らは…。
「よし。それじゃあ金魚、彼女をこのお店から無事に連れ出すための作戦会議…始めましょ」
「うん」
僕と詩織…いつものように視線を交わして見合う。
「ねぇ金魚、金魚と彼女…どっちが歳上だって見て思った?」
「うん。彼女のほうが少しだけ歳上かなって思っ…」
「でしょ!?私もそう思ったの!じゃあ、彼女は金魚の実のお姉ちゃんだって《設定》でいいよね?…」
…トイレから戻ってきた彼女と鈴ちゃんが席に座ってすぐ、僕は彼女に訊いた。
「えぇと…名前、訊いてもいい?」
「あ、はい。《筒井歩美》です」
「えーっ!?鮎美!?」
小声で叫ぶ詩織。
「はい。歩美…あの、変…でしょうか…歩美って…」
「ううん。全然変じゃない!」
…どうやらこの時、詩織は《金魚のお姉ちゃんの名前が"鮎"美なんて…凄い!!まるで小説とか漫画みたいな偶然!!》って思ったらしい…ただの漢字の勘違いなんだけど…。
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる