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女装と復讐 -街華編-
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もう少しだけ、歩美さん救出作戦の即興演技は続く…。
金魚の腕をぐいぐい引っ張るのを止めて、詩織も立ち上がった。
『ほらほらぁ、鮎美ちゃんも鈴ちゃんも、早く立って立って!もう行くんだから!』
詩織に急かされ、2人も立ち上がる。
『それで…歩美お姉ちゃん、お昼のランチ何か食べたの?』
『…ううん』
訊いてきた実妹設定の金魚に、首を横に振って答える歩美さん。
『えっ!?…なっ、何も食べてないの!?』
『うん。お腹空いた…』
歩美さんと僕の懸命な演技を、黙って見守っている鈴ちゃんと詩織。
あの…詩織。
周りの女の子たちに演技だとバレてしまうと怖いんで…僕のセリフの一言一言に合わせて、小さくうんうん頷くの…止めてくれないかな…。
ま、まぁいいや…。気にせず僕は演技を続けよう。
『…あっ、ちょっ!』
僕は強引に歩美さんの腕を引っ掴み、スタバのレジカウンターへと、サンダルのヒールをカツカツと響かせながら急いだ。
僕らを囲んでいた女の子たち…未だ全く動く様子もなく、僕らの演技のやり取りを、じっとただ眺めている。
『待ってぇー♪金魚ぉー♪』
『金魚ちゃーん』
僕ら2人のあとを慌てて追ってくる詩織と鈴ちゃん。
歩美さんはメロンフラペチーノの代金を支払うため、バッグから財布を取り出そうとしていた。
『歩美お姉ちゃん!お腹空かせてるんだから、じゃあ私が…』
…はっ!!
《私が○○…って、ランチのこと…を奢ってあげるから!》ってセリフを言う段取りだったんだけど…何を奢るのかまでは、全然打ち合わせてなかった…。
どどど、どうしよう!!
とにかくセリフ!…何か、言わないと…。
『…私が…ラ、ラーメン?…お、奢ってあげるから…!』
詩織と鈴ちゃんの変な表情が《…へ?ラーメン??》って思ったことを物語っていた…。
僕ら3人のさっき食べたランチ、《中華》だったよな…って、つい思い出してたら…なぜか無意識に《ラーメン!》って、口に出ちゃったんだ…。
とにかく無事にお勘定を済ませ、僕らは歩美さんをスタバの外へと連れ出すことに成功。
けれど、スタバを出たそこにも…たくさん集まった別の女の子たちが。
さて…次も僕のセリフ。
『えっと…皆さんに多大な御迷惑をお掛けして、本当にごめんなさい…』
僕は女の子たちの目の前で姿勢よく立ち、足のつま先を揃え、両手を軽く握り合わせて深々と頭を下げた。
僕に続いて、鈴ちゃんも詩織も歩美さんも頭を下げる。
そして僕らは上体を戻し、僕が偽事情を説明。
『みんながずっと《偽物》だって思ってた彼女は…実は私の本当のお姉ちゃん…《池川歩美》でした…』
「えぇーっ!?」
「お姉ちゃん!?」
「…あ、鮎美!?」
歩美さんが金魚の本物の姉だと思って驚き騒ぎだす、集まってた女の子たち。
歩美さんの《金魚とそっくりな顔》と《鮎美》だと名前を勝手に勘違いしてくれたことが功を奏して、女の子たちを十分に全く疑わせることなく、それを容易く信じさせることができた。
金魚の腕をぐいぐい引っ張るのを止めて、詩織も立ち上がった。
『ほらほらぁ、鮎美ちゃんも鈴ちゃんも、早く立って立って!もう行くんだから!』
詩織に急かされ、2人も立ち上がる。
『それで…歩美お姉ちゃん、お昼のランチ何か食べたの?』
『…ううん』
訊いてきた実妹設定の金魚に、首を横に振って答える歩美さん。
『えっ!?…なっ、何も食べてないの!?』
『うん。お腹空いた…』
歩美さんと僕の懸命な演技を、黙って見守っている鈴ちゃんと詩織。
あの…詩織。
周りの女の子たちに演技だとバレてしまうと怖いんで…僕のセリフの一言一言に合わせて、小さくうんうん頷くの…止めてくれないかな…。
ま、まぁいいや…。気にせず僕は演技を続けよう。
『…あっ、ちょっ!』
僕は強引に歩美さんの腕を引っ掴み、スタバのレジカウンターへと、サンダルのヒールをカツカツと響かせながら急いだ。
僕らを囲んでいた女の子たち…未だ全く動く様子もなく、僕らの演技のやり取りを、じっとただ眺めている。
『待ってぇー♪金魚ぉー♪』
『金魚ちゃーん』
僕ら2人のあとを慌てて追ってくる詩織と鈴ちゃん。
歩美さんはメロンフラペチーノの代金を支払うため、バッグから財布を取り出そうとしていた。
『歩美お姉ちゃん!お腹空かせてるんだから、じゃあ私が…』
…はっ!!
《私が○○…って、ランチのこと…を奢ってあげるから!》ってセリフを言う段取りだったんだけど…何を奢るのかまでは、全然打ち合わせてなかった…。
どどど、どうしよう!!
とにかくセリフ!…何か、言わないと…。
『…私が…ラ、ラーメン?…お、奢ってあげるから…!』
詩織と鈴ちゃんの変な表情が《…へ?ラーメン??》って思ったことを物語っていた…。
僕ら3人のさっき食べたランチ、《中華》だったよな…って、つい思い出してたら…なぜか無意識に《ラーメン!》って、口に出ちゃったんだ…。
とにかく無事にお勘定を済ませ、僕らは歩美さんをスタバの外へと連れ出すことに成功。
けれど、スタバを出たそこにも…たくさん集まった別の女の子たちが。
さて…次も僕のセリフ。
『えっと…皆さんに多大な御迷惑をお掛けして、本当にごめんなさい…』
僕は女の子たちの目の前で姿勢よく立ち、足のつま先を揃え、両手を軽く握り合わせて深々と頭を下げた。
僕に続いて、鈴ちゃんも詩織も歩美さんも頭を下げる。
そして僕らは上体を戻し、僕が偽事情を説明。
『みんながずっと《偽物》だって思ってた彼女は…実は私の本当のお姉ちゃん…《池川歩美》でした…』
「えぇーっ!?」
「お姉ちゃん!?」
「…あ、鮎美!?」
歩美さんが金魚の本物の姉だと思って驚き騒ぎだす、集まってた女の子たち。
歩美さんの《金魚とそっくりな顔》と《鮎美》だと名前を勝手に勘違いしてくれたことが功を奏して、女の子たちを十分に全く疑わせることなく、それを容易く信じさせることができた。
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