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女装と復讐 -街華編-
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僕らの着いたテーブル席に、頭には真白い三角巾、紺色のTシャツに白い前掛け…眼鏡を掛けたお姉さんが近づいてきた。
『いらっしゃい。珍しいね。こんな可愛い子たちがこんなおんぼろなラーメン屋に来てくれるなんて』
『あ…はい。えへへ…』
ぎこちない照れ笑いを見せる詩織。
『ご注文、伺ってもいいかな?』
『はい。えぇと、じゃあ…』
ここの旦那さんの一人娘さんだ。もう結婚しているらしくて、最近はほぼ毎日お店を手伝いに来ているみたい。
歩美さんは《刻み葱たっぷり、あっさり醤油ラーメン》を注文。
『私たち3人…実はもうランチを済ませてきちゃいまして…あの、中華スープだけ…なんて、やっぱりダメですよね…』
お姉さんは『うーん…』と考える様子を見せ、そして明るい笑顔で答えてくれた。
『そっか…じゃあいいよ。ネギしょうゆラーメン1つとスープ3つね』
『はーい。お姉さんごめんなさーい』
『ありがとう』
『ありがとうございます!』
注文を承ったお姉さんはにこりと笑って、カウンターへと離れていった…優しい。
その背中を見送っていた詩織…体勢を戻して歩美さんを見る。
『鮎美ちゃん、そろそろ《鮎美ちゃんのこと》とか今まで経緯とか、聞かせてくれる?』
歩美さんはコクリと頷き、先に救われたことへの感謝と礼を述べた。
『…経緯とかをお話しする前に、ひとつ訊いてもいいですか?』
歩美さんはじっと僕らを見る。
『えっ?あ、うん。どうぞ』
歩美さんはもう一度頷いた。
『あの…皆さんは、なぜ私を責めないの…?』
『なぜ…って、逆に…なんで私たちが鮎美ちゃんを責めなきゃならないの?』
『…えっ?』
一瞬驚いた様子を見せた歩美さんは、少し黙って今度はその答えに戸惑ってる様子。
『まっさかぁ…鮎美ちゃんは私たちに責めてほしかった?』
『えっ!?…ぃぇ…』
明るく『責めてほしかった?』なんて訊いた詩織。歩美さんの反応を見て楽しんでるように見えなくもない…?
『きゃははははは。私や金魚に直接、なにか被害があったわけじゃないし…てゆうか、なんとなく気分的にねっ♪別に責めるとかいいや…って』
『…私は元々埼玉県草加市で生まれ育って、今は東京都の品川区内でアパートを借りて、一人暮らしをしています…』
そのあとに続く、彼女の長い長い説明を簡単に縮約すると…。
…彼女《筒井歩美》さんは、僕や詩織よりも2つ歳上の22歳。
『ということは、私の後輩の木橋みかなちゃんと同い歳ね!』
…コホン。
鈴ちゃん。今は説明してる途中ですよ。いやいや…別に謝らなくても…だけど。
それで歩美さんは現在、都内某所にある小さなケーキ屋さんで店頭販売員のパートや臨時のコンビニアルバイトなどで勤めている。
去年の12月中旬のこと。仕事仲間の子から『歩美ちゃんさぁ、最近《金魚》とかって名乗って、藤浦市で遊んでるよね?』って訊かれた。
えっ!?何それ!?…私、全く身に覚えがないんだけど…。
『いらっしゃい。珍しいね。こんな可愛い子たちがこんなおんぼろなラーメン屋に来てくれるなんて』
『あ…はい。えへへ…』
ぎこちない照れ笑いを見せる詩織。
『ご注文、伺ってもいいかな?』
『はい。えぇと、じゃあ…』
ここの旦那さんの一人娘さんだ。もう結婚しているらしくて、最近はほぼ毎日お店を手伝いに来ているみたい。
歩美さんは《刻み葱たっぷり、あっさり醤油ラーメン》を注文。
『私たち3人…実はもうランチを済ませてきちゃいまして…あの、中華スープだけ…なんて、やっぱりダメですよね…』
お姉さんは『うーん…』と考える様子を見せ、そして明るい笑顔で答えてくれた。
『そっか…じゃあいいよ。ネギしょうゆラーメン1つとスープ3つね』
『はーい。お姉さんごめんなさーい』
『ありがとう』
『ありがとうございます!』
注文を承ったお姉さんはにこりと笑って、カウンターへと離れていった…優しい。
その背中を見送っていた詩織…体勢を戻して歩美さんを見る。
『鮎美ちゃん、そろそろ《鮎美ちゃんのこと》とか今まで経緯とか、聞かせてくれる?』
歩美さんはコクリと頷き、先に救われたことへの感謝と礼を述べた。
『…経緯とかをお話しする前に、ひとつ訊いてもいいですか?』
歩美さんはじっと僕らを見る。
『えっ?あ、うん。どうぞ』
歩美さんはもう一度頷いた。
『あの…皆さんは、なぜ私を責めないの…?』
『なぜ…って、逆に…なんで私たちが鮎美ちゃんを責めなきゃならないの?』
『…えっ?』
一瞬驚いた様子を見せた歩美さんは、少し黙って今度はその答えに戸惑ってる様子。
『まっさかぁ…鮎美ちゃんは私たちに責めてほしかった?』
『えっ!?…ぃぇ…』
明るく『責めてほしかった?』なんて訊いた詩織。歩美さんの反応を見て楽しんでるように見えなくもない…?
『きゃははははは。私や金魚に直接、なにか被害があったわけじゃないし…てゆうか、なんとなく気分的にねっ♪別に責めるとかいいや…って』
『…私は元々埼玉県草加市で生まれ育って、今は東京都の品川区内でアパートを借りて、一人暮らしをしています…』
そのあとに続く、彼女の長い長い説明を簡単に縮約すると…。
…彼女《筒井歩美》さんは、僕や詩織よりも2つ歳上の22歳。
『ということは、私の後輩の木橋みかなちゃんと同い歳ね!』
…コホン。
鈴ちゃん。今は説明してる途中ですよ。いやいや…別に謝らなくても…だけど。
それで歩美さんは現在、都内某所にある小さなケーキ屋さんで店頭販売員のパートや臨時のコンビニアルバイトなどで勤めている。
去年の12月中旬のこと。仕事仲間の子から『歩美ちゃんさぁ、最近《金魚》とかって名乗って、藤浦市で遊んでるよね?』って訊かれた。
えっ!?何それ!?…私、全く身に覚えがないんだけど…。
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