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女装と復讐 -街華編-
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僕はダンボール箱を抱えたまま、扉に耳を当てて中の様子を聴く…。
「おぉー。お前ら、しばらく振りじゃねーか!」
この声は…秋良さんだ。
「きゃははは。秋良くんお久しぶりぶりー♪」
「つかお前ら…今日連れてきた、ここで働きたいっていう《アユミ》って子は?どうした?」
秋良さん…完全に歩美さんを、本当に本物の金魚だと思ってるみたい…。
「あ…えっと、まだ外で待ってる」
「はぁ!?お前ら何してんだよ!客人を外で待たせるとか失礼だろ!」
「そ、そうだよね…今呼んでくるから。ちょっと待ってて…」
…トントンと軽快に歩く足音がする。どうやら春華さんか詩織が、こっちへ来…。
「おい、ちょっと待てよ春華…。なんかお前ら、おかしくねぇか…?」
おっ?…秋良さん、やっぱり気付いた…?
「…春華も詩織も、お前らさっきからニヤニヤ笑ってるし…金魚もいつもと様子が違って、なんか借りてきた猫みたいに大人しいしよ…」
…ん?あれ?しばらく待っても、そのあとの会話が何も聞こえてこない…?
なんて思っていたら…扉が静かに半分開いた。そして顔を覗かせたのは…春華さん。
『ごめんね、金魚ちゃんお待たせ。中に入って!』
『はい』
扉を開けて入ると、やや狭い玄関の先に5mほどの廊下。左右は白い壁で、右手側の壁に白色の木目調のドアが2つ…トイレとバスルームかな…?たぶん。
廊下の先にはドアは無く、そのまま広い事務室が奥まで見通せている。
僕は一旦ダンボールを足元に置いて靴を脱ぎ、またダンボールを抱き抱えて春華さんのあとに続き、廊下を進んで事務室に入りながら…大きな声で元気よく…。
『こんにちはー。どうも。初めましてー!』
ここで、にこやか笑顔の《偽物》筒井歩美を投入。
そして僕は、その瞬間をしっかりと見た。
ふと何気なく、ゆっくりと僕を見た秋良さんと啓介さん。
みるみるうちに目はカッと見開き円くなって、口は大きく開いて驚いてる表情に…。
それが、まるでスローモーションのように。
『あぁーっ!?えぇ!?ど、ど…えぇぇーっ!?…』
『えっ!?これ…どういうこと!?金魚が2人!?はぁ!?』
詩織も春華さんも僕も、声高らかに大笑い。
歩美さんは、やや控えめに笑ってた。
『…んじゃ、再確認するけどな…こっちが金魚で…こっちが本物の筒井歩美ちゃん…だっけか?』
『はい。筒井歩美です。宜しくお願いします』
秋良さんと啓介さんが、また僕と歩美さんの顔を見比べてる。
更に秋良さんは『そうか…この髪の長さの違いに気付けば良かったのか…くそぉ』って、見抜けなかったことを本気で悔しがってた。
『いやぁ…金魚とここまでそっくりな子だとか、あのときの電話では聞いてなかったからよ…先に言っとけって。マジでビビっ…』
『きゃははは。あえてあの電話では言わなかったんだよ~♪』
秋良さんが冷ややかに詩織を睨む…けど、そんなのお構いなしに、にこにこと楽しそうに笑ってる詩織。
『詩織…お前な、その悪戯好きな性格…そろそろ』
『…ねー♪素敵でしょ?えぇ?可愛い?秋良くん。私のせ・い・か・く♪きゃはははは♪』
『…。』
大した接客室の無いこの事務所。適当にオフィスチェアをガラガラと引っ張り寄せ集めて、全員が座った。
「おぉー。お前ら、しばらく振りじゃねーか!」
この声は…秋良さんだ。
「きゃははは。秋良くんお久しぶりぶりー♪」
「つかお前ら…今日連れてきた、ここで働きたいっていう《アユミ》って子は?どうした?」
秋良さん…完全に歩美さんを、本当に本物の金魚だと思ってるみたい…。
「あ…えっと、まだ外で待ってる」
「はぁ!?お前ら何してんだよ!客人を外で待たせるとか失礼だろ!」
「そ、そうだよね…今呼んでくるから。ちょっと待ってて…」
…トントンと軽快に歩く足音がする。どうやら春華さんか詩織が、こっちへ来…。
「おい、ちょっと待てよ春華…。なんかお前ら、おかしくねぇか…?」
おっ?…秋良さん、やっぱり気付いた…?
「…春華も詩織も、お前らさっきからニヤニヤ笑ってるし…金魚もいつもと様子が違って、なんか借りてきた猫みたいに大人しいしよ…」
…ん?あれ?しばらく待っても、そのあとの会話が何も聞こえてこない…?
なんて思っていたら…扉が静かに半分開いた。そして顔を覗かせたのは…春華さん。
『ごめんね、金魚ちゃんお待たせ。中に入って!』
『はい』
扉を開けて入ると、やや狭い玄関の先に5mほどの廊下。左右は白い壁で、右手側の壁に白色の木目調のドアが2つ…トイレとバスルームかな…?たぶん。
廊下の先にはドアは無く、そのまま広い事務室が奥まで見通せている。
僕は一旦ダンボールを足元に置いて靴を脱ぎ、またダンボールを抱き抱えて春華さんのあとに続き、廊下を進んで事務室に入りながら…大きな声で元気よく…。
『こんにちはー。どうも。初めましてー!』
ここで、にこやか笑顔の《偽物》筒井歩美を投入。
そして僕は、その瞬間をしっかりと見た。
ふと何気なく、ゆっくりと僕を見た秋良さんと啓介さん。
みるみるうちに目はカッと見開き円くなって、口は大きく開いて驚いてる表情に…。
それが、まるでスローモーションのように。
『あぁーっ!?えぇ!?ど、ど…えぇぇーっ!?…』
『えっ!?これ…どういうこと!?金魚が2人!?はぁ!?』
詩織も春華さんも僕も、声高らかに大笑い。
歩美さんは、やや控えめに笑ってた。
『…んじゃ、再確認するけどな…こっちが金魚で…こっちが本物の筒井歩美ちゃん…だっけか?』
『はい。筒井歩美です。宜しくお願いします』
秋良さんと啓介さんが、また僕と歩美さんの顔を見比べてる。
更に秋良さんは『そうか…この髪の長さの違いに気付けば良かったのか…くそぉ』って、見抜けなかったことを本気で悔しがってた。
『いやぁ…金魚とここまでそっくりな子だとか、あのときの電話では聞いてなかったからよ…先に言っとけって。マジでビビっ…』
『きゃははは。あえてあの電話では言わなかったんだよ~♪』
秋良さんが冷ややかに詩織を睨む…けど、そんなのお構いなしに、にこにこと楽しそうに笑ってる詩織。
『詩織…お前な、その悪戯好きな性格…そろそろ』
『…ねー♪素敵でしょ?えぇ?可愛い?秋良くん。私のせ・い・か・く♪きゃはははは♪』
『…。』
大した接客室の無いこの事務所。適当にオフィスチェアをガラガラと引っ張り寄せ集めて、全員が座った。
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