361 / 491
女装と復讐 -街華編-
page.345
しおりを挟む
僕は覚えてる。詩織だって覚えてるかもしれないけど…あれは6月第4週の土曜日。
鈴ちゃんと3人で、アンプリエの中華料理店でランチしたとき、鈴ちゃんが上機嫌そうに『来週の月曜日からロサンゼルスに海外ロケに行ってくるの』って、『仕事で海外に行ける…なんてこともある芸能界って、いいなって思ったりしない?』『芸能界に興味ない?』って、僕らにちらっと話してたこと…。
『…勘のいいお二人さんは、私が何を言おうとしてるのか、もうお解りかもしれないけど…』
鈴ちゃんがニコッと悪戯っぽく、人懐っこい笑顔をして見せた…けど、未だに少し固い表情の僕らを見て、鈴ちゃんの笑顔は…また元の真顔に戻った。
『けど私は、ほぼ毎週金魚ちゃんと詩織ちゃんに会って2人を見てて…確信してるの。この2人なら大丈夫。《この業界》でも頑張れる…芸能界に絶対向いてる!って…』
驚きのあまり声の出せない僕らを差し置いて、鈴ちゃんはその勢いのまま話を続けた。
『あの4月下旬の《藤浦市スプリングフェスタ》のときもそう。特別ステージの上で、あんなにもたくさんの女の子たちや他の観客を目の前にしても、2人は全く臆することなく、与えられた1時間という長い時間の最後まで、観客の目を魅了し楽しませ、輝き続けられたんだもの!』
鈴ちゃんの言葉の一つ一つに、力がこもっているのが凄く伝わってくる。
『あの凛としたステージパフォーマンスは本物だった。衣装も歌も凄く良かった。みかなちゃんとも話したの。一緒に働いてみたいね…って。だからお願い…うちの芸能事務所、冴島プロダクションに2人のチカラを貸して欲しいの…本気なの…』
詩織は小さくウンと頷いた。それを見て僕も遅れて頷いた。
『…鈴ちゃん』
『うん』
今までずっと聞き入っているだけだった詩織が、やっとその一言を発した。
『私は…鈴ちゃんの望むように、鈴ちゃんの所属するタレント事務所に入れるかもしれない。もちろん、お父さんやお母さん…アンナさんが許してくれたら、だけど…』
アンナさんなら絶対に許してくれるはず。だってアンナさんは、詩織が芸能界で活躍してくれることを、心から願ってるんだから。
『うん。もし2人のご両親への説得が必要なんだったら私、直接のお会いしてお話してもいいって思ってる』
『だけど!…だけど、金魚は難しい…っていうか無理なの…。芸能活動するのは…』
『えっ…なぜ?』
遂に意を決した詩織の一言。僕はその詩織の真剣な横顔をじっと見詰める…。
『…今から私が言うこと…見せる物…それを見て聞いても、鈴ちゃん…驚かないでね…』
『なになに?…どうしたの!?』
『お願い…驚かないで』
『う、うん…』
鈴ちゃんと3人で、アンプリエの中華料理店でランチしたとき、鈴ちゃんが上機嫌そうに『来週の月曜日からロサンゼルスに海外ロケに行ってくるの』って、『仕事で海外に行ける…なんてこともある芸能界って、いいなって思ったりしない?』『芸能界に興味ない?』って、僕らにちらっと話してたこと…。
『…勘のいいお二人さんは、私が何を言おうとしてるのか、もうお解りかもしれないけど…』
鈴ちゃんがニコッと悪戯っぽく、人懐っこい笑顔をして見せた…けど、未だに少し固い表情の僕らを見て、鈴ちゃんの笑顔は…また元の真顔に戻った。
『けど私は、ほぼ毎週金魚ちゃんと詩織ちゃんに会って2人を見てて…確信してるの。この2人なら大丈夫。《この業界》でも頑張れる…芸能界に絶対向いてる!って…』
驚きのあまり声の出せない僕らを差し置いて、鈴ちゃんはその勢いのまま話を続けた。
『あの4月下旬の《藤浦市スプリングフェスタ》のときもそう。特別ステージの上で、あんなにもたくさんの女の子たちや他の観客を目の前にしても、2人は全く臆することなく、与えられた1時間という長い時間の最後まで、観客の目を魅了し楽しませ、輝き続けられたんだもの!』
鈴ちゃんの言葉の一つ一つに、力がこもっているのが凄く伝わってくる。
『あの凛としたステージパフォーマンスは本物だった。衣装も歌も凄く良かった。みかなちゃんとも話したの。一緒に働いてみたいね…って。だからお願い…うちの芸能事務所、冴島プロダクションに2人のチカラを貸して欲しいの…本気なの…』
詩織は小さくウンと頷いた。それを見て僕も遅れて頷いた。
『…鈴ちゃん』
『うん』
今までずっと聞き入っているだけだった詩織が、やっとその一言を発した。
『私は…鈴ちゃんの望むように、鈴ちゃんの所属するタレント事務所に入れるかもしれない。もちろん、お父さんやお母さん…アンナさんが許してくれたら、だけど…』
アンナさんなら絶対に許してくれるはず。だってアンナさんは、詩織が芸能界で活躍してくれることを、心から願ってるんだから。
『うん。もし2人のご両親への説得が必要なんだったら私、直接のお会いしてお話してもいいって思ってる』
『だけど!…だけど、金魚は難しい…っていうか無理なの…。芸能活動するのは…』
『えっ…なぜ?』
遂に意を決した詩織の一言。僕はその詩織の真剣な横顔をじっと見詰める…。
『…今から私が言うこと…見せる物…それを見て聞いても、鈴ちゃん…驚かないでね…』
『なになに?…どうしたの!?』
『お願い…驚かないで』
『う、うん…』
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる