女装と復讐は街の華

筆鼬

文字の大きさ
365 / 491
女装と復讐 -街華編-

page.349

しおりを挟む
早瀬ヶ池の街の理想像とそれを願う姉妹の想いの、それぞれの僅かな差異…。


『…彩があのサイトを利用して、自ら書き込んで岩塚信吾くんのことを《瀬ヶ池のメダカ》って広めたのは…彩が《信吾くんは早瀬ヶ池に相応ふさわしくない》なんて、自分勝手に判断したからだと思うの…ごめんなさい』


まぁ…そうだろうなと僕も思う。だけど鈴ちゃんが謝るのは、やっぱり違うって僕は思う。

そして鈴ちゃんは、とても素晴らしいことを僕らに語ってくれた。


『私は思うの。《この街には誰が相応しい》とか《誰が相応しくない》…なんて、誰にも決められる権利なんてないよね』


でも…それを実際にやってしまった彩乃。


『誰でもいいの。人がたくさん集まれば、街の収益も潤って早瀬ヶ池は活性化する。早瀬ヶ池は今よりももっと華やかで、もっと夢のある繁華街に、まだまだ成れるって思うの』


鈴ちゃんは、本当に良いことを言ってるって僕は思う。

そして、逆に言えば…彩乃の《追い出し行為》は、早瀬ヶ池の街の経済的状況にまで、多大な悪影響を与えていたことになる。

それにしても鈴ちゃん、本当に心から早瀬ヶ池のことが好きだし、心配してるんだ…ってのがよく分かる。


『信吾くん、詩織ちゃん。私が今、ちょっと変なことを言っても…絶対に笑わないでね』

『?』
『?』


…変なこと?

っていうか今…鈴ちゃんのほうが先に『えへへ♪』なんて可愛く笑ったし。


『もしかしたら…信吾くんだけに、そんな《早瀬ヶ池の悲痛な叫び》みたいなのが聞こえたのかもね。今の早瀬ヶ池を救う…この悪い風潮を変えるために、それを《復讐》と称して…』


ただ僕を馬鹿にした女の子たちや彩乃を、ぎゃふんと言わせようと思って始めたの《復讐》が…いつの間にか、知らず知らずのうちに…早瀬ヶ池の未来までも背負い込むような、壮大なスケールに変わりはじめてる気が…ゴクリ。


『そこでね、2人にお願いがあるの…』

『えっ?お願い…って?』

『うん。信吾くんと詩織ちゃんの、その《復讐》ね…』






『…私にも…手伝わせてほしいの』


僕と詩織、お互いを目を円くして見合った…!!


『えっ、待って!』
『えぇぇーっ!!?』



「失礼しまーす」


タイミング良く?悪く?…料理が運ばれてきたけど、そのときのこと…あんまり覚えてない…。

とりあえず、ここでお喋りは一旦終了に…。






…料理を頂きながら、鈴ちゃんから一言。


『…ということだから、この復讐が達成できたら、うちの事務所にきて私たちと一緒に芸能活動しようね。とってもキュートで愛らしい詩織ちゃんと、女装姿が本当に可愛くて、とっても素敵な信吾くん。2人揃ってね。約束だから…ね♪』
























しおりを挟む
感想 224

あなたにおすすめの小説

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

ビキニに恋した男

廣瀬純七
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

あべこべな世界

廣瀬純七
ファンタジー
男女の立場が入れ替わったあべこべな世界で想像を越える不思議な日常を体験した健太の話

小学生をもう一度

廣瀬純七
青春
大学生の松岡翔太が小学生の女の子の松岡翔子になって二度目の人生を始める話

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話

桜井正宗
青春
 ――結婚しています!  それは二人だけの秘密。  高校二年の遙と遥は結婚した。  近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。  キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。  ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。 *結婚要素あり *ヤンデレ要素あり

日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-

ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。 1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。 わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。 だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。 これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。 希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。 ※アルファポリス限定投稿

処理中です...