女装と復讐は街の華

筆鼬

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女装と復讐 -街華編-

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鈴ちゃんから僕へ、鈴ちゃんのiPhoneが手渡された。

そしてその画面に表示された、彩乃に送信したその長文のPCメールを拝見させてもらっている。

詩織も『私にも見せてー』と、僕の肩に自分の肩をぐいぐいと押し付けるようにして、僕の横でその本文を一緒に見て読んでいる…。



《金魚ちゃん達は人を非難したり、否定なんてしない…》
《その裏表のない、ごく自然なスタイルが…》
《こんな私でも、金魚ちゃん達に憧れてる一人…》
《誰も否定できない、本物の瀬ヶ池で一番の女の子…》
《彩も金魚ちゃん達のように輝いて…》



…うーわぁ。

あの…鈴ちゃん?ちょ、ちょっと金魚のことを、過大評価し過ぎじゃありませんか…?

僕はゴクリと生唾を飲み込み、なぜか体中に緊張を駆け巡らせながら、詩織の横顔を見た…。

詩織もすぐにそれに気付いて、僕のほうを見る。


『ねぇ、この鈴ちゃんのメール…彩乃ちゃんのことを想う鈴ちゃんの優しい言葉が詰まってて、それが伝わってくる凄くいいメールよね』

『えっ?あ…そ、そうだよね…』

『特にこの…本当は心配なのに、大好きな妹の甘やかされてきた精神面の成長のために《しばらく離れよう》って決心した…ってところなんか』


…僕と詩織の、このメールの最も重要な部分の捉え方とか、観点とか…全然違った…。

うっ…読みが浅く安直過ぎた自分自身が…ものっ凄く恥ずかしい…。


『それにしても金魚…鈴ちゃんに、こんなにも褒めまくられてるとか…凄いねー♪』


…ねー。本当に。あはは…。
お、お恥ずかしながら…。




『あの…もういいかな?』

『あー!ごめんなさい!』


僕はiPhoneを鈴ちゃんに返した。


『またお二人には、恥ずかしくて言いにくい話なんだけどね…このメールのあとの、彩からの返信メールの内容がね…』

『えっ?うん…何って返ってきたの?』


詩織が心配そうに鈴ちゃんを見た。


『…教えることはできても、そのメールを直接見せることはできないから…口頭で話すね…』


僕も詩織も頷いた。

鈴ちゃんが話してくれた、彩乃からの返信メールの大まかな内容とは…。






【お姉ちゃん!!なんで私から離れるなんて悲しいこと言い出すの!?

なんで私があの金魚たちを見習うようなことをしなきゃいけないの!?

ねぇ、お姉ちゃんったら!!ちゃんと目を覚まして!!

子どもの頃のような、あの優しいお姉ちゃんに戻ってよ!!

お姉ちゃん!!ねぇお願いだから!!】


…はぁ。
結局…鈴ちゃんの彩乃を心配するその想いは、彩乃には伝わらなかった…らしい。

それ以来、彩乃からのLINEもPCメールも電話も、何もかも一切拒否。今は戻る気はないという…。























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