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女装と復讐 -街華編-
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僕は左側の電動スライドドアが開いてるのに気付いて、まず顔を覗かせた。
『すみませーん』
『どうぞー。遠慮なく乗って乗って!』
運転席から振り返って、優しそうな笑顔で僕を見ている…そんな詩織のお母さん、見た目がほんと若くて凄く綺麗。
僕が後部座席に乗り込むと、スライドドアは静かにゆっくりと閉まった。
時刻は…陽が落ち、夕空がほとんど夜闇に覆われはじめた午後7時時30分。
街灯やネオンの輝きを一身に受けながら、滑るようにアンナさんの美容院へと走り向かう詩織のお母さんの高級ミニバン。
『ねぇ、金魚ちゃん』
『あ、はい』
視線は前を向いたまま、運転しながら後部座席に黙って座ってた僕に、声を掛けてくれた詩織のお母さん。
『金魚ちゃんのこと、詩織からいつもいつも、何度も聞かされてたのよ』
『えっ?』
『ちょっと!お母さん!私、そんなにしょっちゅう、金魚のことばっかり話してなんかないし!』
『あははは。まぁ…ね。だから一度金魚ちゃんに会ってみたいなーなんて私ね、ずっと前から思ってたの』
『…はい』
『今日、初めてあなたに会えて良かったわ。詩織から聞いてたとおり、本当に凄く可愛らしいわね』
『…いえ、そんな…私、凄く可愛らしいだなんて…』
『これからも、詩織と仲良くしてやってね』
『はい』
…ようやく美容院に到着。
『ねぇ、詩織』
車を降り、助手席のドアを閉めようとした詩織の手が慌てて止まる。
『えっ?なに?お母さん』
『帰りはたぶん、お父さんが迎えに来てくれると思うの』
『あ、うん』
『だから《お友達集会》が済んだら、お父さんに電話してあげてね』
『はーい』
『じゃあ…アンナさんに宜しく伝えておいてね』
『うん。お母さんも帰りの運転、気を付けてね』
『はーい。じゃあね。詩織』
『ありがとう。お母さん』
詩織は助手席のドアを優しく閉めた。
そして走り去るお母さんの高級なミニバン…てゆうか、詩織と詩織のお母さん、別れ間際の挨拶…ちょっと長くない?
『よしっと。じゃあ美容院の中に入ろう。行こっ。金魚』
『うん』
階段を上がり、美容院の中に入ると…居たのは…秋良さんと啓介さんの2人…だけ?
『おーっ、来た来た。おーい。お疲れー』
ロングソファーに座ってる秋良さんが、手を振って僕らに挨拶してくれた。
『あれ?ねぇ…秋良くんと啓介くん、アンナさんは?』
『それがな…』
『?』
『?』
『…歩美ちゃんを連れて、アンナさんの知り合いから紹介してもらったっていう不動産屋に今行ってる』
『…不動産屋さん?』
『えーっ!鮎美ちゃんの住む部屋、まだ探せてないのー!?』
『…っていうか、少しくらい古くてもいいから月5、6万で借りられるような賃貸マンション…つかアパートですら、今空いてないんだってよ…』
『すみませーん』
『どうぞー。遠慮なく乗って乗って!』
運転席から振り返って、優しそうな笑顔で僕を見ている…そんな詩織のお母さん、見た目がほんと若くて凄く綺麗。
僕が後部座席に乗り込むと、スライドドアは静かにゆっくりと閉まった。
時刻は…陽が落ち、夕空がほとんど夜闇に覆われはじめた午後7時時30分。
街灯やネオンの輝きを一身に受けながら、滑るようにアンナさんの美容院へと走り向かう詩織のお母さんの高級ミニバン。
『ねぇ、金魚ちゃん』
『あ、はい』
視線は前を向いたまま、運転しながら後部座席に黙って座ってた僕に、声を掛けてくれた詩織のお母さん。
『金魚ちゃんのこと、詩織からいつもいつも、何度も聞かされてたのよ』
『えっ?』
『ちょっと!お母さん!私、そんなにしょっちゅう、金魚のことばっかり話してなんかないし!』
『あははは。まぁ…ね。だから一度金魚ちゃんに会ってみたいなーなんて私ね、ずっと前から思ってたの』
『…はい』
『今日、初めてあなたに会えて良かったわ。詩織から聞いてたとおり、本当に凄く可愛らしいわね』
『…いえ、そんな…私、凄く可愛らしいだなんて…』
『これからも、詩織と仲良くしてやってね』
『はい』
…ようやく美容院に到着。
『ねぇ、詩織』
車を降り、助手席のドアを閉めようとした詩織の手が慌てて止まる。
『えっ?なに?お母さん』
『帰りはたぶん、お父さんが迎えに来てくれると思うの』
『あ、うん』
『だから《お友達集会》が済んだら、お父さんに電話してあげてね』
『はーい』
『じゃあ…アンナさんに宜しく伝えておいてね』
『うん。お母さんも帰りの運転、気を付けてね』
『はーい。じゃあね。詩織』
『ありがとう。お母さん』
詩織は助手席のドアを優しく閉めた。
そして走り去るお母さんの高級なミニバン…てゆうか、詩織と詩織のお母さん、別れ間際の挨拶…ちょっと長くない?
『よしっと。じゃあ美容院の中に入ろう。行こっ。金魚』
『うん』
階段を上がり、美容院の中に入ると…居たのは…秋良さんと啓介さんの2人…だけ?
『おーっ、来た来た。おーい。お疲れー』
ロングソファーに座ってる秋良さんが、手を振って僕らに挨拶してくれた。
『あれ?ねぇ…秋良くんと啓介くん、アンナさんは?』
『それがな…』
『?』
『?』
『…歩美ちゃんを連れて、アンナさんの知り合いから紹介してもらったっていう不動産屋に今行ってる』
『…不動産屋さん?』
『えーっ!鮎美ちゃんの住む部屋、まだ探せてないのー!?』
『…っていうか、少しくらい古くてもいいから月5、6万で借りられるような賃貸マンション…つかアパートですら、今空いてないんだってよ…』
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