女装と復讐は街の華

筆鼬

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女装と復讐 -完結編-

page.367

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ナオさんが女の子たちの前で、堂々とそしてゆっくりと、会釈して挨拶。


『お集まりの皆さま、おはようございます』


アンナさんも、ナオさんに続いて静かに会釈。

そんな外の様子を、店内の窓から見守っている金魚と詩織。


『冊子《早瀬ヶ池 Girls File》にて予告をさせて頂きましたとおり、いよいよ明日から約1ヶ月ものあいだ、このコスメ店《BlossoM.》の専属であり、イメージモデルでもあります《池川金魚》ちゃんが、直接メイクを施してくれる特別サービスを始めます…』


『きゃはははは♪お店のイメージモデルだって!金魚』

『うん…』




『…そこで皆さまにひとつ、お願いがございます。金魚ちゃんに無料でメイクをしてもらう為には、簡単なルールがございます…』


そして、あの《3点以上ご購入の女子高生、女学生、および25歳までの一般女性に限ります》ことのルールをナオさんが説明。


『…ただ、いくら池川金魚ちゃんであろうとも、どのくらいメイクの技術を要しているのか…お疑いする部分もあるかと思います。そこで…』


お店を囲む女の子たちが、ざわざわと騒ぎ出しはじめた…。






『じゃ…そろそろ行ってくるね。詩織』


僕は椅子から立ち上がった。


『待って!』

『えっ?』


詩織も慌てて立ち上がった。


『…緊張してない?』


僕は詩織と視線を交わらせて、少しのあいだ見詰め合った。


『緊張…うん。少しだけ』

『そうよね。金魚のすっぴん顔を女の子たちの前に披露するのも、メイクして見せるのも…初めてなんだもんね』


そう言いながら詩織は一歩、僕の目の前へと寄ってきた…?


『安心して。そして自信を持って行ってきて…』


詩織はゆっくりと、僕の両肩を両手で引き寄せ…僕を優しく抱擁してくれた。


『大丈夫よ。あなたの天才的なメイクの技術力は、アンナさんも認めるほどの本物なんだから』

『うん』

『そして…あなたのそのすっぴん顔も《本当は男の子》だなんて絶対にバレないわ。瀬ヶ池の女の子の誰だろうと負けないぐらい、本当に可愛いんだもん』

『ありがとう。詩織』


抱擁は解かれた。そして僕は今思ったことを、正直に詩織に言ってみた。


『今日の詩織、なんだかいつもより優しいね』


どうせ『はぁぁっ!じゃあなによ!?いつもの私は優しくないって言うの!?』なんて、言い返してくれると思ってたのに…。


『今まで…金魚に時々いじわる言ったりして…ごめんね』

『!』


…そこは自分でも分かってたんだ…詩織。


『女の子でさえ胸が高鳴るほど可愛い金魚に私…絶対勝てるわけないし、だからついつい羨ましくて…』






















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