405 / 491
女装と復讐 -完結編-
page.389
しおりを挟む
午前11時26分…本日5人目の女の子のメイクが終了。
僕は女の子の顔を覗き込んで、メイクの各部分の仕上がりを、細部まで全て確認した…よしよし。ちゃんと綺麗に仕上がってる。
『はーい。お疲れさま。メイクアップ、これで終わりね』
『ありがとう。金魚ちゃんって、本当にメイク上手…』
『えへへっ。可愛く仕上がったでしょ』
笑顔の僕と、驚き顔の女の子。
『ほ、本当にこれ…タダでいいの!?』
『うん』
女の子は嬉しそうに、お店を出て淡い紫色の傘をさし、何処かへと出掛けていった…。
…そうなんだよなぁ。
雨の日は、せっかく綺麗にメイクしてあげても、その顔は傘で隠れてしまう…。
だから、すれ違うだいたいの歩行者らも…足元を見ながら歩く人が多いのもあって…ほとんどメイクの仕上がりまでは気付いてくれない…。
だからって、メイクが綺麗に仕上がってるほうが良いことに、何ら変わりは無いんだけど。
…午後2時38分。本日最後のお客さまの、23歳だというお姉さんにファンデーションを施し終えたときに、ふと《それ》に気付いた…!
お姉さんにメイクしてあげている金魚…僕を、少し離れた位置からもの凄く真剣な眼差しで、じーっと凝視しているスーツ姿の髪の長い女性がいる…!?
その女性の隣には…ナオさんの姿も…?
何を話しているのかは分からない。だけど2人の口元が、時々交互に動いているのが確認できる。
僕は慌てて目を逸らし、またお客さまのお姉さんを見た。
『…では次に、チークを薄くのせて、アイメイクに移りますね…』
『はい』
…あと少し。最後にリップメイクを仕上げれば終わり。
僕は急にもの凄く気になって、さっきのスーツ姿の女性とナオさんが居たところを、ちらりと見…えっ?
あれ!?居ない!?…つか、そこに居たのは…金魚に向かって笑顔で、小さくピースして見せている、詩織と鈴ちゃんの姿…?
…午後3時9分。今日のアルバイトも無事に終わり、僕は後片付けを始めた。
『私、お片付け手伝おっか』
『じゃあ私も』
…??
見ると…そこには鈴ちゃんと詩織。
『あ、ありがとう』
鈴ちゃんと詩織が手伝ってくれたおかげで、片付けが早く済んだ。
『こんにちは』
『!』
さっき見たスーツ姿の女性が、僕のほうへと近付いてくる。
『あなたが金魚ちゃん…よね?』
『あ…はい』
あなたは、どなたですか?…なんて聞かなくても、おおよそ見当は付いてた。
『はじめまして私は芸能事務所《冴嶋プロダクション》の代表取締役社長、冴嶋美智子です』
…やっぱり。思ったとおり。
僕は女の子の顔を覗き込んで、メイクの各部分の仕上がりを、細部まで全て確認した…よしよし。ちゃんと綺麗に仕上がってる。
『はーい。お疲れさま。メイクアップ、これで終わりね』
『ありがとう。金魚ちゃんって、本当にメイク上手…』
『えへへっ。可愛く仕上がったでしょ』
笑顔の僕と、驚き顔の女の子。
『ほ、本当にこれ…タダでいいの!?』
『うん』
女の子は嬉しそうに、お店を出て淡い紫色の傘をさし、何処かへと出掛けていった…。
…そうなんだよなぁ。
雨の日は、せっかく綺麗にメイクしてあげても、その顔は傘で隠れてしまう…。
だから、すれ違うだいたいの歩行者らも…足元を見ながら歩く人が多いのもあって…ほとんどメイクの仕上がりまでは気付いてくれない…。
だからって、メイクが綺麗に仕上がってるほうが良いことに、何ら変わりは無いんだけど。
…午後2時38分。本日最後のお客さまの、23歳だというお姉さんにファンデーションを施し終えたときに、ふと《それ》に気付いた…!
お姉さんにメイクしてあげている金魚…僕を、少し離れた位置からもの凄く真剣な眼差しで、じーっと凝視しているスーツ姿の髪の長い女性がいる…!?
その女性の隣には…ナオさんの姿も…?
何を話しているのかは分からない。だけど2人の口元が、時々交互に動いているのが確認できる。
僕は慌てて目を逸らし、またお客さまのお姉さんを見た。
『…では次に、チークを薄くのせて、アイメイクに移りますね…』
『はい』
…あと少し。最後にリップメイクを仕上げれば終わり。
僕は急にもの凄く気になって、さっきのスーツ姿の女性とナオさんが居たところを、ちらりと見…えっ?
あれ!?居ない!?…つか、そこに居たのは…金魚に向かって笑顔で、小さくピースして見せている、詩織と鈴ちゃんの姿…?
…午後3時9分。今日のアルバイトも無事に終わり、僕は後片付けを始めた。
『私、お片付け手伝おっか』
『じゃあ私も』
…??
見ると…そこには鈴ちゃんと詩織。
『あ、ありがとう』
鈴ちゃんと詩織が手伝ってくれたおかげで、片付けが早く済んだ。
『こんにちは』
『!』
さっき見たスーツ姿の女性が、僕のほうへと近付いてくる。
『あなたが金魚ちゃん…よね?』
『あ…はい』
あなたは、どなたですか?…なんて聞かなくても、おおよそ見当は付いてた。
『はじめまして私は芸能事務所《冴嶋プロダクション》の代表取締役社長、冴嶋美智子です』
…やっぱり。思ったとおり。
1
あなたにおすすめの小説
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる